教育を考える 2020.1.10

子どもの睡眠時間が足りない……。心身の健康のために親がしてあげられること

編集部
子どもの睡眠時間が足りない……。心身の健康のために親がしてあげられること

いま、睡眠時間の足りない子どもが増えていることをご存じですか?

スマートフォンの普及や、共働き家庭の増加といった要因から、生活が夜型になり、睡眠不足に陥る子どもが増えているのです。しかし、子どもの心身の成長において、睡眠は非常に大切なもの。なぜ、睡眠が大切なのか、そして、十分な睡眠をとるために保護者がしてあげられることをご紹介しましょう。

睡眠時間の足りない子どもが増えている

子どもの睡眠不足は、深刻な問題です。睡眠不足の大きな要因となっているのは、子どもの生活の夜型化。日本小児保険協会が2010年度に実施した調査では、22時に就寝する2歳児32.1%23時に就寝する2歳児8.2%もいるという衝撃的な結果が出ています。

また、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査2016」によると、小学生の子どもたちは、学年が上がるにつれて就寝時間が遅くなり、高学年頃からは、0時以降に就寝する子どもが増えていくそう。当然、就寝時間が遅くなるにつれて、睡眠時間は減少していきます。同調査によると、学年が上がるにつれて、睡眠時間がどんどん短くなり、特に小学6年生から中学1年生にかけては、平均睡眠時間が8時間18分から7時間38分と、40分も減少するのだとか。

ところで、そもそも子どもの睡眠時間は、何時間程度が理想とされているかご存じでしょうか。2015年、アメリカの非営利慈善団体National Sleep Foundationが発表した「各年代にとって理想的な睡眠時間」によると、6〜13歳の理想的な睡眠時間は、9〜11時間。「長すぎる」と感じた方もいるかもしれませんが、同団体に所属する十数名の睡眠研究者、解剖学・生理学・小児科・神経学・老年学・婦人科の専門家らが共同で発表したオピニオンであるため、信ぴょう性は高いと言えるでしょう。

皆さんのお子さんは、毎日9〜11時間も睡眠をとれているでしょうか? 「足りていない……」と不安に思った方も多いかもしれませんね。このように、子どもの睡眠時間はかなり不足しているのです。

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子どもの睡眠はなぜ大切?

では、なぜ、子どもにとって睡眠は大切なのでしょうか。睡眠が心身にもたらす影響をご説明しましょう。

睡眠には、眠っていても眼球が動いている浅い眠りである「レム睡眠」と、眼球が動かない深い眠りである「ノンレム睡眠」があることは、多くの方がご存じでしょう。

睡眠の専門家である文教大学教育学部の成田奈緒子教授は、「レム睡眠とノンレム睡眠の正しい反復によって脳が育つ」と述べています。同教授いわく、レム睡眠とノンレム睡眠のきちんとした反復リズムを身につけることによって、0〜5歳には脳幹間脳小脳起きる寝る食べるといった最低限必要な機能を司る)、1〜18歳に大脳新皮質言葉知識スポーツなどを司る)、10歳以降に前頭葉感情のコントロール思考判断が育つのだそう。レム睡眠とノンレム睡眠のリズムが整った、質の高い睡眠をとれていないと、これらが発達しないまま年齢を重ねてしまい、勉強やスポーツの能力や、社会生活にも影響をきたす可能性があるということです。

また、夜、深い眠りについている際には、成長ホルモンの分泌が盛んになります。多少の時間差はありますが、夜10時~深夜2時が多く分泌される時間帯。睡眠総合ケアクリニック代々木の理事の大川匡子氏によると、幼児期には深いノンレム睡眠が多く、この時期にきちんと熟睡することによって、成長ホルモンが多く分泌されるのだそう。そのため、子どもの頃に、十分な睡眠をとれていないと、身体の成長にも悪影響が及ぼされることがあるのだとか。このように、睡眠は子どもの成長に欠かせないものなのです。

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子どもの睡眠を大切にしよう

子どもにとって、睡眠が非常に重要だということがわかったところで、どうしたら質の高い睡眠を確保できるのか考えていきましょう。

子どもの睡眠を大切にしよう1:朝型の生活に切り替えよう

子どもの睡眠時間を確保したくても、「塾の勉強で忙しくて、どうしても夜型の勉強になってしまう」というご家庭は多いかもしれません。しかし、じつは「夜勉強してもあまり効果がない」という研究結果があります。

子ども向け算数の学習サービス「RISU算数」を経営する加藤エルテス聡志氏が、同サービスを利用する子どもたちを「朝のみ勉強する子ども」「夜のみ勉強する子ども」「朝も夜も勉強する子ども」に分けて成績を比較したところ、最も勉強の進み具合が速かったのは「朝のみ勉強する子ども」だったのだそう。「朝も夜も勉強する子ども」は、それより少し遅く「夜のみ勉強する子ども」はその半分以下の進み具合だったのだとか。

脳科学者の茂木健一郎氏は、起床から3時間を、脳が最も効率よく働く「ゴールデンタイム」と呼んでいます。同氏いわく、朝の脳は、前日の記憶がリセットされているため、新しい記憶を収納することに適しているのだそう。「塾から帰ったら、夜遅くまで宿題をして、ようやく眠る……」といった生活が習慣になっているお子さんも多いかもしれませんが、まずは、「塾から帰ったらすぐに眠り、翌朝早起きして宿題をする」といった朝型の生活に切り替えてみてはいかがでしょうか。

とはいえ、これまで続けてきた夜型の生活を突然朝型に切り替えるのも難しいもの。東京都医師会は、生活リズムを改善するためには「早寝」ではなく「早起き」から始めることを勧めています。「睡眠不足になってしまうのでは」と不安に思われる方も多いかもしれませんが、次第に昼間も元気に活動でき、早く眠れるようになっていくのだそう。前出の成田教授は、早起きを1週間続けさせると、早寝・早起きの習慣がついてくると言います。また、同氏いわく、早起きさせた初日は、保育園でもあまり長時間お昼寝をさせないようにお願いし、夕食は軽いもので済ませて早めに寝かせるのがポイントだそう。

また、朝型の生活に慣れずに子どもがなかなか起きない場合には、光を浴びるのが効果的です。体内時計は、光によって作動します。朝、強い光を浴びると「起きる時間」と体に教えることができ、スッキリ目覚められますよ。

お父さん・お母さんが、カーテンを開けに行ってあげるのも良いですが、お子さんに自分で起きてほしい場合におすすめなのが「光目覚まし時計 inti4S」。セットした時間に5〜30分、朝日と同等(20,000ルクス)の強い光を発してくれるので、アラーム音などで強制的に起こされることなく、自然に目覚めることができます。少し高価ですが、安価の商品と比べて光量が断然違うよう。子どもの睡眠リズムを整えるために、ぜひお使いになってみてはいかがでしょう。

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子どもの睡眠を大切にしよう2:睡眠の質を高める工夫をしよう

子どもの睡眠の質を高めるための工夫も必須です。良い睡眠のために、お父さん・お母さんがしてあげられることをご紹介しましょう。

まず、夜間は強い光を浴びさせないようにすることが大切です。眠りを促すホルモンである「メラトニン」は、暗くなると分泌され、朝、明るくなると分泌が止まります。そのため、夜間の明るい照明の下でも、分泌が抑えられてしまうのだとか。明治薬科大学の駒田陽子准教授によると、質の高い睡眠をとるためには、日没後は極力蛍光灯や白色LEDなどの明るい照明を避け、オレンジがかった白熱灯の照明の部屋で過ごすのがおすすめだそう。

また、パソコンやスマートフォンのディスプレイから発生するブルーライトも、体内時計を狂わせる強い光です。夜間にパソコンやスマートフォンを使用すると、メラトニンの分泌が抑えられてしまいます。ネットタイマーなどを使って、夜間はインターネットに接続できないようにするなどの制限を設けることも、睡眠環境を整えるのに効果的でしょう。

加えて、睡眠の質を整えるためには、寝具やパジャマも重要です。セラピストのショーン・スティーブンソン氏は、着心地が良くて動きやすい、低刺激の素材のパジャマを勧めています。同氏いわく、睡眠の質には体温調節ができるかどうかが大きく関係するそう。寝冷えを防ぎ、汗の吸水性にも優れたパジャマが良いですね。

おすすめは、UCHINOの「マシュマロガーゼ キッズパジャマ」。信州大学繊維学部との共同研究によって、着心地の良さや吸水性・通気性・保温性の高さを裏付けられた、安心のパジャマです。大人用もあるので、ご家族で着用してみてはいかがでしょうか。

子どもの睡眠の質を高めるために、照明や、寝具やパジャマなどを一新してみてはいかがでしょう。

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子どもの成長にとって、睡眠は非常に大切なもの。子どもの心身の健康のために、質の高い睡眠をとる工夫を始めてみませんか?

(参考)
日本小児保険協会|平成22年度の幼児健康度調査
ベネッセ教育情報サイト|子どもの睡眠時間 生活リズムを見直してみよう
National Sleep Foundation|National Sleep Foundation Recommends New Sleep Times
日本医師会|ノンレム睡眠
StudyHacker こどもまなび☆ラボ|子どもの脳をきちんと育てる「正しい睡眠」
J-Stage|子どもの睡眠と脳の発達
PRESIDENT Online|ビッグデータで判明! 「科学的に正しい勉強法」の法則5
THE21オンライン|脳科学者が勧める「朝時間」の使い方
東京都医師会|「そうだ、やっぱり早起き・早寝!」
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ショーン・スティーブンソン著, 花塚恵訳(2017), 『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』, ダイヤモンド社.
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