教育を考える 2020.3.3

子供の防犯対策どうしてる? 防犯ブザーやGPSの使い方を詳しく解説!

編集部
子供の防犯対策どうしてる? 防犯ブザーやGPSの使い方を詳しく解説!

みなさんは、子供の防犯対策にどれくらい気を配っていますか? 「愛する我が子にもしものことがあったら……」と考えると、胸が張り裂けそうになりますよね。

成長するにつれて、子供は親に頼らずともさまざまなことができるようになります。特に小学校に入学すると、ひとりで外を歩いたり家でお留守番したりする機会も増えることでしょう。

子供の自立は喜ばしいことだからこそ、親としてはしっかり防犯対策を講じておきたいもの。その方法を詳しく解説します。

「過保護にならない」ことと「子供の防犯対策を放棄する」ことは違う

ひとりで家を出て小学校に行く、学校帰りに友だちの家に遊びに行く、休日に友だちを誘い合わせてちょっと遠くまで出かける――大きくなるにつれて子供は活動的になり、行動範囲も広がっていきますよね。「心配だから本当は付き添ってあげたいくらいだけれど、それでは子供の自立心は育たない……」と、過保護になりそうな自分を抑え込んでいる親御さんも多いかもしれません。

私たちのメディア「StudyHackerこどもまなび☆ラボ」でも、親が過保護になることの弊害をさまざまな角度から取り上げてきました。たとえば、「ヘリコプター・ペアレント」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

まるでヘリコプターがホバリングをしているように、親が子どもの頭上で旋回し、目を光らせている様子から名づけられた “過保護かつ過干渉な親” の総称。わが子が失敗しないように上空で見張り続け、困難に遭遇しようものなら、すぐさま飛んでいって助ける親のことを指す。アメリカなどでは社会問題にもなっている。

(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|過保護に育った子どもの恐ろしい将来。我が子の成長を奪う「ヘリコプターペアレント」

こういったヘリコプター・ペアレントのもとで育てられると、子供の “自主性” や “困難への耐性” が伸びていきません。「いざとなったら親が助けてくれるから」「困ったときは親を頼ればいいから」という考え方になってしまい、親への依存心ばかりが肥大していくからです。「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」という言葉もありますが、子供の自立を促すためにも、あるタイミングで親が子供から離れるのはたしかに必要だと言えるでしょう。

しかし、ここで勘違いしてはならないのは、「過保護にならない」ことと「子供の防犯対策を放棄する」ことはイコールではないということ。たしかに、今後の成長につながる “良い失敗” は、子供にどんどん経験させるべきでしょう。ちょっとした誤解から友だちと喧嘩してしまった、忘れ物をして先生に怒られてしまった、といったものですね。一方で、犯罪に巻き込まれるといった事態は絶対に経験させてはなりません。子供の心身に、長きにわたる深い傷を負わせることになり、取り返しがつかないからです

子供の防犯対策に関してだけは、過保護かどうかを心配する必要はまったくありません。子供の防犯対策に最大限配慮することが、子供の庇護者である親の大切な努めだと言えるでしょう。

子供の防犯対策02

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子供の防犯に関わる基本情報まとめ

具体的な防犯対策の話に入る前に、子供が巻き込まれる犯罪についての基本情報を見てみましょう。

警察庁が発表している警察白書(令和元年版)によれば、13歳未満の子供が被害者となった刑法犯の認知件数(「子供の被害件数」)はここ10年で減少傾向にあります。平成21年から平成30年までの10年間の件数を表したグラフは以下。平成21年は33,840件だったのが、平成29年は15,721件、平成30年は12,947件まで減ってきています。

子供の防犯対策「子供の被害件数」グラフ

これだけ見ると歓迎すべき事実のように思えますが、親御さんが最も心配するもののひとつである「略奪誘拐」(いわゆる「連れ去り」)の件数に注目してみると、ほぼ横ばいであることがうかがえます。以下は、ここ10年の略奪誘拐の件数です。平成21年の77件からほぼ変わっておらず、直近の平成30年に至っては110件と、ここ10年で最も多くなってしまっています。

子供の防犯対策「略奪誘拐の被害件数」グラフ

その他、暴行(平成21年は757件→平成30年は958件)、傷害(平成21年は491件→平成30年は714件)、強制わいせつ(平成21年は944件→平成25年に1,116件でピーク→平成30年は773件)など、罪種によっては必ずしも減っているわけではないのが現状です。

また、警視庁が東京都内の5つの警察署における実態調査から分析したところによれば、子供に対する犯罪の発生場所の内訳は、以下のグラフのとおり。あくまで東京都内のデータですが、「住宅」(マンションのエントランスやエレベーター、階段、共用廊下なども含む)が37%と最も高く、「道路」(道路上あるいは駐車場・駐輪場)が30%と続きます。「公園等」(公園、空地、神社仏閣など)も12%という数値を叩き出しています。

子供の防犯対策「子供に対する犯罪の発生場所」グラフ

そして犯罪の発生時刻は、小学生に関しては「14時~18時」がピークとのこと。ちょうど、学校を終えて家に帰ったり遊びに行ったり自宅でお留守番をしたりする時刻と重なりますね。

「片時も油断できない」は言いすぎですが、親の目が届かない以上、絶対に安全と言いきれる場所や時間帯はないのかもしれませんね。それでは、ここまでを踏まえたうえで、特に子供の防犯に留意したい場面別にその対策方法をご紹介していきます。

子供の防犯対策【登下校編】

まずは、登下校時の子供の防犯対策について考えてみましょう。ランドセルを背負って小学校に向かっていく小さな背中を見送ると、やはり心配になってしまうのが親心。特に、まだ登下校に慣れていない小学校低学年の子供は気がかりですよね。先に述べたとおり、道路上での犯罪発生件数は全体の30%を占めています。何かできることはあるのでしょうか?

合言葉「いかのおすし」を約束する

文部科学省が取り決めている「登下校防犯プラン」を見てみると、子供の危険回避に関する対策のひとつとして「防犯教育の充実」をあげています。「子供自身にも、発達の段階に応じて、危険予測・回避能力を身に付けさせるための防犯教育を行うことは不可欠である」とのこと。小学校低学年のうちからあらゆる防犯意識を身につけさせるのは難しいですが、少しずつ定着させていきたいですね。

たとえば、東京都教育庁と警視庁とで考案した「いかのおすし」という合言葉を子供に約束させるのもひとつの手です。登下校時だけでなく、あらゆるシチュエーションに通じる内容なので、ぜひ覚えさせましょう。

【いかのおすし】
いか……行かない(知らない人についていかない)
……らない(知らない人の車に乗らない)
……大声(おごえ)を出す(なにかあったら「助けて」と大声で叫ぶ)
……ぐ逃げる(連れて行かれそうになったら、すぐ逃げる)
……らせる(近くの大人に何があったかを知らせる)

万が一の場合を想定して、登下校のルートあるいはその周辺のどこに「子ども110番の家」があるかを子供と一緒に事前に確認しておくのもよいでしょう。子ども110番の家とは、危険に遭遇した子供の一時的な保護や警察への通報等を行なってくれるボランティアの家や施設のことです。公共施設やスーパーなど、いざというときに逃げ込めて大人な助けてくれる場所もチェックしておくといいですね。

子供の防犯対策06

防犯ブザーを持たせる

防犯ブザー」の携帯も基本です。入学時に小学校から配布されるケースも多いですが、そうでない場合はご家庭で購入するとよいでしょう。非常時に大音量の警報音で周囲に危険を知らせてくれる防犯ブザーですが、見える場所につけておくだけでも、相手への牽制になって犯罪抑止効果が期待できます

しかし、使用にあたってはいくつかの注意点が。独立行政法人国民生活センターがその使用実態を調査したところ、小学生が使っていた防犯ブザーの半数以上に「音が鳴らない」などの異常が生じていました。調査の対象となった防犯ブザーの使用期間の平均は約2年2ヶ月でしたが、電池切れや回路の断線などが原因だったそうです。つまり、音が鳴らないことに気づかぬまま防犯ブザーを携帯しているケースが非常に多いということ。

この結果を受けて、国民生活センターは「最低でも1カ月に1回程度は親が作動確認を行なう」ことをアドバイスしています。日頃からまめに点検し、「いざ使おうとしたときに鳴らない……」なんてことがないようにしておきたいものですね。

また、防犯ブザーの携帯方法にも気を配りましょう。ランドセルやカバンの中に入れたままでは、いざというときに鳴らせませんし、見える場所につけておくことによる犯罪抑止効果も発揮されません。公益財団法人全国防犯協会連合会は、「手に持つ」「(ランドセルの場合)肩ベルトのフックに取りつける」「(カバンの場合)持ち手に取りつける」「ベルトループに取りつける」ことを推奨しています。防犯ブザーをすでにお持ちのご家庭は、きちんとできているか確認してみてください。

子供の防犯対策07

子供の防犯対策【外出編】

登下校以外にも、子供が外に出かけるタイミングはたくさんあります。下校後に友だちの家に遊びに行ったり近所の公園へ出かけたり……。学校が終わって(あるいは休みの日で)気がゆるみがちだからこそ、防犯の意識は持ってほしいもの。最低限、「どこに行くのか」「誰と行くのか」「何時ごろ帰ってくるのか」といった基本的なことは前もって伝えてもらいましょう。その他、外出時の防犯対策のポイントをお伝えします。

登下校以外でも防犯ブザーを忘れない

登下校時は防犯ブザーを携帯しているけれど、遊びに行くときは携帯していない……そんなご家庭がかなり多いようです。ALSOKが、小学生の子供を持つ母親500人を対象に実施した調査によれば、登下校時に防犯ブザーを持ち歩いている子供は6割を超えているものの、帰宅後や休日にも防犯ブザーを持ち歩いてる子供は1~2割程度しかいなかったとのこと。

たしかに、たとえば防犯ブザーをつけているのがランドセルだったりすると、ランドセルを背負わない場面では当然、防犯ブザーも携帯しないことになってしまいます。かといって、防犯ブザーをいちいち取り外してつけ直すのも面倒ですよね。

そこで、遊びに行くときによく使うカバンにもあらかじめ防犯ブザーをつけておくことをおすすめします。つけ直す手間も省けますし、忘れる心配もありません。それほど高い買い物ではないので、子供の防犯対策のためにも追加で防犯ブザーを入手しておきましょう。

不特定多数が出入りする「公園」にも注意

鬼ごっこをしたりボール遊びをしたり、子供たちが遊び場として使う公園ですが、不特定多数の人間が自由に出入りできるため、じつは防犯を意識しなければならない場所でもあります。子供に対する犯罪の発生場所として「公園等」が12%を占めていることも、先に述べたとおりです。

三重県・三重県警察・三重県教育委員会は、公園内で注意が必要な場所をいくつか指摘しています。全国どこの公園にも当てはまる内容なので、ぜひ子供に注意を促してください。

  • 三方が樹木や建物等に囲まれた場所(中の様子が周囲から見えづらく、何かあったときにも逃げ出しづらい)
  • 外部から自由に出入りできる場所(フェンスがない(または低い)など。不審者が容易に公園内に侵入できてしまう)
  • トイレや倉庫の中(不審者が潜みやすく、また連れ込まれると密室状態になってしまう)

子供の防犯対策08

見守りGPS端末を使う

子供が今どこにいるのか、または今日どこに行ってきたのかを把握し、リスクを未然に防ぎたいのであれば、見守りGPS端末を使うのも手です。GPSとは「全地球測位システム」のこと。ご存じの方も多いと思いますが、人工衛星からの電波を使って現在位置を測るシステムです。防犯ブザーよりも価格が高く月々のランニングコストもかかりますが、子供の安全を考えると決して無駄な出費ではないはずです。

子供用見守りGPS端末は各社からさまざまなタイプが販売されていますが、ここでは2020年3月2日にサービス開始した「soranome(ソラノメ)」をおすすめしましょう。

子供用見守りGPS端末「soranome」

この「soranome(ソラノメ)」は、スマートフォンと連携して、現在地を確認できたり、設定エリア(たとえば小学校や塾など)の入退出時に自動的に通知が来るようにできたり、トラブル発生時にSOSの通知が届いたりといった基本的な機能はもちろん、最大30日前にさかのぼって移動経路を確認することも可能。不用意な寄り道や危ない繁華街への立ち寄りをしていないかどうかなどをチェックできるので、子供に防犯を説く際にも使えるでしょう。

また、soranomeのさらなるおすすめポイントは電池の持ち。週末の充電で、なんと1週間使用可能(※測位間隔10分設定時)とのことです。「充電が切れてしまって、いまいる場所がわからない……」なんて事態を防げるので、仕事等で毎日が忙しい親御さんは特に重宝するはず。ランドセルやカバンに取りつけて、大切なお子さんを遠くから優しく見守ってあげましょう。

子供の防犯対策【自宅編】

日経DUALが読者を対象に実施した調査によれば、小学校が終わったあとの子供を「鍵を持たせて家で留守番させている」家庭は3割を超えています。家に帰れば安心……と言いたいところですが、先にグラフで示したとおり「住宅」での犯罪発生件数は全体の37%に及んでいることから、油断できないのが現実です。

たとえば、マンションにお住まいであれば、エントランスや共用廊下、エレベーター、階段など、ひとりきりになる場所が意外と多いもの。また、自宅に入ろうとドアを開けたときに押し入られる、施錠していなかったドアや窓から侵入される、といったケースも少なくありません。

物陰や背後に不審な人物がいないか確認する戸締りを徹底するなどといったことは日頃から意識させるとよいでしょう。その他、ひとりのときは呼び鈴が鳴っても応答しない(あるいはインターホンを確認して知らない人だったら出ない)、ひとりのときは電話に出ない、といった取り決めをしておくのもアリかもしれませんね。

子供の防犯対策09

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子供の防犯対策について詳しく解説しました。冒頭で述べたとおり、「過保護にならない」ことと「子供の防犯対策を放棄する」ことは違います。子供に防犯を意識させ、かつ防犯のための仕組みを整えながら、子供の成長を見守っていきましょう。

(参考)
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|過保護に育った子どもの恐ろしい将来。我が子の成長を奪う「ヘリコプターペアレント」
HUFFPOST|「ヘリコプターペアレント」とは? 生きづらい子どもに育つ親の存在
令和元年警察白書
警視庁子ども・女性の安全対策に関する有識者研究会提言書(PDF
文部科学省|登下校防犯プランに基づく取組
独立行政法人国民生活センター|防犯ブザーの電池切れや故障に注意!‐いざという時のために家庭で点検を‐(PDF
ALSOK|小学生と母親の安全に関する意識調査
子どもの安全をまもるために(PDF
日経BP|~小学生の子供がいる(日経DUAL読者)110人に聞く!~ 家にいる子供への防犯対策は?