2019.7.31

「旅育」はメリットだらけ。家族旅行を自由研究にしてしまおう!

編集部
「旅育」はメリットだらけ。家族旅行を自由研究にしてしまおう!

夏休みの自由研究は、普段の生活ではなかなか取り組めないことにトライするいい機会です。家族旅行もそのひとつ。今年の夏休みは、家族旅行をまるごと自由研究のテーマにして、楽しみながら学んでみてはいかがでしょうか?

今回は、家族旅行が自由研究に向いている理由と、実際に自由研究で取り扱うときに必要な準備や注意点まとめる際のコツなどをご紹介します。

家族旅行を自由研究にして、体験そのものを学びにつなげる

子どもは長い夏休みに入りますが、親は仕事や家事が全部休みになるわけではありませんよね。そのなかで、皆の休みを合わせて出かける家族旅行は、親子一緒に過ごせる貴重な時間になります。

もちろん、日頃の疲れを癒すためにゆっくり羽を伸ばすのも良いですが、この機会を生かして、お子さんの夏休みの自由研究に取り組んでみてはいかがでしょうか。遠出した旅行先の土地ならではの体験をテーマにして、お子さんに旅行先でのプランを立てさせるのもいいですし、前もって調べさせるだけでも十分な自由研究になりますよ。

旅行を通じた子どもの教育が「旅育」と呼ばれていることを、ご存じですか? 観光マーケティングを専門とする東洋大学の森下晶美教授は、「旅育」を「旅は人間性の成長を促すとする考え方で、旅によって得られる知識や興味・価値観の広がり、共感力を人の成長に役立てようとするもの」と定義しています。同教授いわく、旅育には以下の3要素が含まれているのだそう。

  1. 旅の体験(異文化・非日常体験、旅先での交流など)、
  2. 人との時間共有(家族・友人との共通体験、想い出づくり、日常と比較した共有時間の長さなど)、
  3. 旅を素材とした教育(職業教育、郷土教育、地理・歴史教育、国際化教育など)

(引用元:日本国際観光学会|“旅育”の現状と定義を考える

学校で行なわれる社会科見学や修学旅行を家族単位で実施するのが「旅育」だと言えますね。

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家族旅行を自由研究にするならプランづくりから

せっかく自由研究に家族旅行を取り上げるのですから、旅行プランを立てるところからお子さんも家族会議に参加させましょう。たとえば、次のような流れで準備を進めるのがおすすめです。

  1. 旅行の日程と行き先を決める
    パパ、ママ、子どもの行きたいところや休みがとれる日を調整して、旅行の日程と行き先を決めます。お子さんに家族の希望をヒアリングさせて、まとめてもらってもいいですね。
  2. どんなことを調べたいか決める
    旅先でどんなことを調べたいか決めます。インターネットで検索したり、図書館や書店でガイドブックを入手したりして情報を集めましょう。レポートでまとめられるよう、情報を集めた方法もメモしておくようにします。
  3. 訪れる先を決め、下調べをする
    調べたいテーマにあった行き先を探します。ここでもインターネットやガイドブックを活用しましょう。行き先が決まったら、その施設についての下調べをします。どんな内容が調べられそうか、持ち物、営業日時、交通アクセス、大まかな所要時間や入館料などをメモに控えておきましょう。

 
たとえば、旅行先に合わせて次のようなテーマはいかがでしょうか。

●海外旅行では……

  • 旅行先の国の言葉で挨拶してみよう。英語は通じるかな?
  • 古い建物を訪れてみよう。いつの時代に作られたのかな?
  • マーケットを探検してみよう。日本にある食べ物とない食べ物は?

●国内旅行では……

  • 道の駅や直売所をめぐって、旅行先の名産を調べよう。
  • 旅の途中でお世話になった、はたらく人々(乗務員、駅員、フロントマン、土産物店員など)を特集しよう。
  • キャンプでごはんを作ろう。

●帰省旅行では……

  • お盆の過ごし方(時期、お墓参りの仕方、仏壇へのお供えなど)を知ろう。
  • おじいちゃんやおばあちゃんの子ども時代の話を聞いてみよう。

 
大がかりなテーマでなくても、十分自由研究になります。お子さんの興味に合わせてテーマを決めるのが、意欲的に取り組めるコツです。

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必要な情報を旅行先でゲットしよう

旅の計画・下調べ・体験・わかったこと・感想などを書いておくノートは、持ち運びしやすい大きさがおすすめです。屋外で立ったままでもメモをしやすいよう、ノートの表紙はかためのものが良いですね。

旅行先では、カメラやビデオ撮影ができるようなら、なるべくたくさんの写真や映像を残しましょう。加えて、ノートにスケッチやメモで感想を記しておくと、あとでまとめるときに便利です。

観光地には、記念スタンプパンフレットが置いてありますので、極力もらってくるようにしましょう。記念スタンプは専用の白い紙を持っていくと、あとでまとめるときに切り貼りが楽になりますよ。チケットの半券や切符なども、できるだけ保管するようにしましょう。

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旅行から帰ってきたら、こんなふうにレポートをまとめよう

レポートは、最初のプランづくりから次の順にまとめていきましょう。

  1. 旅の行き先と日程、プラン
  2. この行き先を選んだ理由、テーマの説明
  3. どんなことを調べたか、わかったこと
  4. 感想

 

●A4サイズのポケットファイルが便利

大きな模造紙や画用紙のスケッチブックにまとめるのも良いですが、コピー用紙にまとめて、同サイズのポケットファイルに収納してまとめるのはいかがでしょう。もし、まとめている段階で書き間違えてしまっても新しい紙に書き直して差し替えることができますし、追加で調べてわかった情報を加筆するのも簡単です。また、旅先でもらったパンフレットやチケット類も収納できますね。

●ひとつひとつの項目を欲張らない

楽しい思い出は、ひとつ残らず記録したいところですが、お子さんの集中力と相談しながらメリハリをつけてまとめていくように声かけしましょう。すべての項目にフルパワーで取り組もうとして、途中で息切れしてギブアップ! しないための大人のサポートは大切です。

レポートをまとめるのが苦手だという人は、JTBが運営する「旅いく」の体験ノートを活用するといいでしょう。フォーマットは、サイトで会員登録(無料)するとダウンロードできますよ。「旅いく」のサイトはこちら

旅先で撮った写真やパフレット、スタンプなども活用して、オリジナリティあふれるレポートを作ってみませんか?

***
家族旅行を自由研究にする場合は、旅の前に調べ学習をしっかり行ない、帰ってきてからのまとめは簡単にするのがポイント。ギリギリまで大変な思いをしなくて済みます。楽しい思い出になるはずの家族旅行が、辛い自由研究の思い出にならないようにしたいものですね。

(参考)
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「旅育」が流行中! 成功させる6つのメソッドと、季節別おすすめプラン
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|旅の計画には “正解がない”。子どもの「考える力」を育む旅行プランの立て方
日本国際観光学会|“旅育”の現状と定義を考える
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|忘れてはいけない “旅の記録”。旅先での成功体験を思い出すたび「自己肯定力」が高まる
ママノート|夏休みの自由研究のテーマに“家族旅行”を活用してみよう!
スクスクのっぽくん|夏休みの旅行やイベントは子供も計画から参加させよう!自由研究にも役立つ過ごし方
いこーよ|子どもがキラめくホンモノ体験「旅いく」