「また画面ばかり見てる……」「外で遊びなさい!」
今年の夏こそ、お子さんの目をスマホから自然へと向けさせてみませんか?
木の枝を折るときの「パキッ」という音、川に足を入れた瞬間の「冷たい!」という歓声、夜空を見上げて「あの星、動いてる!」という発見の声。デジタルネイティブ世代の子どもたちだからこそ、「本物」に触れたときの反応は想像以上なのです。
でも……「危険はない? 送り迎えは? 費用は?」「うちの子、虫も苦手だし本当に楽しめる?」そんなママ・パパの不安や疑問、全部わかります。だからこそ今回は、“本当におすすめできる” 全国の自然体験サマープログラムを厳選してご紹介。お子さんが「帰りたくない!」と言い出すような、とっておきの夏の扉を一緒に開いてみましょう!
目次
【全国から厳選】信頼できる自然体験サマープログラム
さっそく、全国から厳選した「自然体験サマープログラム」を掲載するおすすめ団体&サイトをご紹介します!
🏕️ SYD(公益財団法人修養団)主催 自然体験キャンプ
内閣府認定の安心・信頼できる社会教育団体が運営。少人数制で、ひとりひとりにしっかり寄り添った体験が可能です。全国各地・季節ごとに選べるから、お子さんにピッタリのキャンプがきっと見つかるはず。
少人数制
内閣府認定
🚌 プラスワン教育 スクールツアーシップ
子どものための宿泊・日帰り体験学習を企画・運営。キーワード検索で、興味や目的に合ったイベントがすぐに見つかります。学びと感動に出会える体験を、いますぐチェック!
宿泊・日帰り
キーワード検索
⛺ Learning Trip
体験や交流を重視した教育キャンプやイベントが満載。シーズンごとに多彩なプログラムを実施しているので、子どもの興味に合わせて選ぶ楽しさも。学びと出会いの場を探してみよう!
体験・交流重視
多彩なプログラム
🏫 国際自然大学校
「自然や人とのかかわりの中で人生を前向きに生きている人を育てる」を理念に、日常ではできない自然体験を体感し、豊かな学びを得られるさまざまなプログラムを提供しています。40年以上続く野外活動体験のスペシャリスト団体なので、安全対策も万全です。
40年の実績
安全対策万全
🏔️ グリーンウッド自然体験教育センター
「子どもたちがすべてを決める」フリープログラムキャンプ。1980年代から続く「暮らしから学ぶねっこ教育」を土台に、毎年1,000人以上が参加する「信州こども山賊キャンプ」などを展開。自主性と生きる力を育む、特別な体験が待っています。
フリープログラム
年間1,000人参加
🚶 ジャパンアウトドアファクトリー
「日帰り自然体験」から「季節ごとのキャンプ」までプログラムが充実! 多彩なテーマで子どもの興味を引き出すプログラムばかりです。まずは気軽に参加できる「お試し日帰り体験」からスタートしてみませんか?
季節キャンプ
お試し体験
🌳 のあっく自然学校
「自ら考え、自ら行動する力」を育む、本気の自然体験を。自然のなかでのびのび遊びながら、自立心や協調性を育てる本格プログラムが満載。短期から長期まで、心と体を解き放つ特別な時間が待っています。いまこそ、子どもの可能性を広げる一歩を。
のびのび遊べる
短期・長期選択可
失敗しない! 自然体験プログラムの選び方ガイド
たくさんの自然体験プログラムがあるなかで、「うちの子にはどれが合うのかわからない」という声もよく聞きます。
独立行政法人国立青少年教育振興機構の元理事長で、現在は國學院大学人間開発学部子ども支援学科教授の鈴木みゆき氏の意見を参考に、失敗しない自然体験プログラムの選び方をまとめました。
📋 自然体験プログラム選びのポイント3つ
1. 適切なタイミングを見極める
重要なのは子どもに自然体験をさせるタイミング。「子どもが『やりたい』と思ったときがやらせどき」です。子どもたちは基本的に、自然に興味津々なので、必ずそのタイミングが訪れます。親はそれを見逃さず後押ししてあげましょう。
2. 自然体験の選び方
山・海・里山など、それぞれに異なる特色をもっています。もちろんどの環境を選んでも、子どもの感性は確実に高まります。可能であれば、複数回異なる自然環境を体験させてあげましょう。
💡 感性が高まるポイント💡
• 多様な自然音:「東京の音は単調」ですが、自然には木々の葉がこすれる音、小川のせせらぎに虫や鳥の声など、複雑な音がひしめいており、季節や時間帯によってもどんどん変化します
• 光と闇のコントラスト:都会より強く感じられる自然光や、夜の闇の体験
• 地形の変化:平坦な場所だけでなく、山や岩場、築山など変化に富んだ地形
3. 子どもの年齢・経験レベルに合わせる
初めての場合は、スタッフのサポートが手厚いプログラムがいいでしょう。でもやはり、自然体験の醍醐味は「最初から最後まで全部やる」こと! テントを自分で張る、自炊するなど、できるだけ多様な体験ができそうなプログラムを選びたいですね。
👶 経験レベル別|参加ガイド
🔰 初心者(初回参加)
- 宿泊期間:低学年なら1〜2泊から始めるのがおすすめ
- サポート:「初心者歓迎」と明記されているプログラムはスタッフのサポート体制が充実
⭐ 経験者(慣れてきたら)
- 宿泊期間:5日〜1週間程度の期間参加することを文部科学省は推奨
- 活動内容:テント設営、自炊など「最初から最後まで全部やる」プログラムを選択
💝 親が知っておきたい心構え
子どもの「自然体験」にあたって親が意識しておくといい心構えがあります。前出の佐々木氏によると、「自然のなかに入れば、あれもこれもやろうとする必要はない。積極的に何かしなければならないと促すのではなく、子どもたちが過ごしたいように過ごさせてあげる」ということ。ただ “体験” するだけで、子どもたちは自然から多くのことを学びとっていくのだそう。「頑張っておいで!」というプレッシャーではなく、「楽しんできてね!」と送り出してあげましょう。
【科学が証明】自然体験が子どもに与える3つの効果
教育感度の高い方なら、すでにご存じかもしれませんが、自然体験が子どもたちにもたらす効果には、単なる楽しい思い出を超えた価値があります。『文部科学省白書2016』によると、「子ども時代の自然体験が豊富な人ほど、自己肯定感、道徳観、正義感が高い傾向にある」ことが明らかになっているのです。
自然の大切さやおもしろさを伝え続けている「プロ・ナチュラリスト」の佐々木洋氏も、「『ありのままの自分でいい』と思わせてくれる魅力が自然にはある」と、その効果について太鼓判を押しています。佐々木氏が挙げる自然の3つの効果を、最後にご紹介しましょう。
効果1:多様性を知ることができる
自然界には多種多様な生き物が存在し、それぞれが役割を果たしています。それを知ることが人間教育につながるのです。
効果2:究極の癒しを実感できる
自然から受け取る癒しは、子どもの心をほぐして健やかに育ててくれます。鳥のさえずりや風の音、木々の緑や花の香りなど、五感で感じる自然の恵みが、日頃のストレスを和らげ、心の安定をもたらしてくれるのです。
効果3:思い通りにならないことがあると知る
「今日はクワガタがいなかった」「雨が降ってしまった」など、自然の世界では、自分の思い通りにならないことを実感するでしょう。そこで「自然だし仕方ない」「自分がなんでも支配できるわけではない」ということを学びます。
一方で、デジタルメディアが外遊び時間を奪っている問題は深刻です。文部科学省の調査では、「屋外での運動時間が長い子どもほど、非認知スキルが高く」「スクリーンタイムが1日5時間を超える子どもの非認知スキルは低い」という指摘もあり、親が意識的に外遊びの機会をつくる必要があります。
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自然体験は楽しいだけでなく、子どもたちの心と体に深く刻まれ、成長の糧となるでしょう。今年の夏は、五感で感じる本物の感動をお子さんにプレゼントしてみませんか?
(参考)
文部科学省白書|子供たちの未来を育む豊かな体験活動の充実
文部科学省|令和4年度「幼児期からの運動習慣形成プロジェクト(保護者等の運動遊びに関する行動変容調査)
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「自然だし、仕方ない」現代の恵まれた子どもたちが”自然体験”から学ぶ重要なこと
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「体験」が、子どもたちのやり抜く力や感じる力を育んでいく――子どもに自然体験をさせることの教育効果
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|キャンプに「せっかくだから」は不要! 子どもが自ら学ぶ、自然のなかでの”シンプルな”過ごし方
ライタープロフィール
中高の英語の教員免許、インテリアコーディネーター資格、色彩検定2級を所有。約13年に及ぶ海外生活の中で多種多様なインテリアに触れ、大好きなアート鑑賞のため世界中多くの美術館に足を運ぶ。趣味は写真(『日本人だけが知らない砂漠のグローバル大国UAE (講談社+α新書) 』など)。