健康を考える/食育 2018.7.24
更新日 2025.6.10

親子で学ぶ おいしい食育学【第7回】旅行中の食事 編

新生暁子
親子で学ぶ おいしい食育学【第7回】旅行中の食事 編

楽しいことが満載の夏休み! 大人も子どもも日常を忘れて夏の思い出づくりに夢中になる時期ですよね。

ただし、イベントや旅先で気持ちが大らかになるあまり、食事に関しては普段より無頓着になってしまいがち。旅の疲れや夏の疲れは、しばらくしてからドッと訪れます。夏が終わってからも元気いっぱいで過ごせるように、旅行中の食事にも気をつけましょう。

今回は、tokko先生こと管理栄養士の新生暁子先生に「外食が続くときの注意点」をお聞きしました。

ライタープロフィール

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新生暁子

管理栄養士

管理栄養士、博士(スポーツ健康科学)。1971年、兵庫県に生まれる。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士後期課程修了。独立行政法人 国立健康・栄養研究所勤務時には、長野県佐久市で実施された大規模コホート研究「佐久肥満克服プロジェクト」に技術補助員として従事し、食事から肥満を克服するための栄養教育にあたる。2008年には高橋尚子率いる『チームQ』にて栄養・調理指導者として参加し、日米での合宿、アメリカ・コロラド州での合宿にも帯同。『チームQ』解散後は、フリーの管理栄養士としてTV、ラジオ、雑誌、Webサイトなど幅広い媒体で食事と健康に関する情報を発信している。著書には、『塩ヨーグルト健康レシピ』(アスコム)、『健康名人の炭酸水レシピ』(セブン&アイ出版)、『夢をかなえるスポーツ応援レシピ つくろう!食べよう!勝負ごはん 全3巻』(日本図書センター)、『最新版スポーツめし』(エイ出版社)などがある。
オフィシャルHP|

お悩み「長期旅行中の栄養バランスが心配」

お悩み:いよいよ夏休みが始まりました。小学1年生の娘はお友だちと遊んだり宿題をしたりと、毎日充実して過ごしているようです。ただ、8月には長期で家族旅行に出かけるため、食事の栄養バランスが乱れることを心配しています。外食が続くとき、どのうようなことに気をつけて子どもの食事を選べばいいですか。(小1娘ママ)

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tokko先生の答え

夏真っ盛り。お子さんは夏休みに入り、宿題に、お稽古に、遊びにと楽しい毎日を過ごしていることでしょう。その反面、親御さんは普段の生活が一変、お子さんが家にいるので三食を作らないといけなくなって大変なのではないでしょうか? そんななか旅行に行くと、家事全般からしばし離れることができるので、少しリラックスできますよね。

ただし旅行中は食事のバランスやサイクルが乱れがちです。とくに出先での間食やおやつが増えるため、三度の豪華な食事をあまり食べることができなかったり、冷たいものの飲み過ぎ、食べ過ぎで体調を崩したり、また旅行中は元気でも、自宅に戻ってきた途端に体調が優れなくなったり……そんな経験はありませんか? それは大人も子どもも一緒です。

親子で学ぶおいしい食育学第7回2

そこで、外食が増えることによる食事・栄養面での問題点をピックアップしてみましょう。

  • 好きなものばかりをチョイスする
  • 食べたくないものは残しがち(外なので残しても許されることが多い)
  • 糖質・たんぱく質<脂質
  • ビタミン・ミネラルが不足
  • 旅行中だと間食(おやつ)が増える(ジュース、アイスクリーム、スナック菓子など)

外食をするとある程度子どもにメニュー選択の決定権があるので、好きなものばかりを頼むことができます。また、外出先ということもあって、親御さんもあまりガミガミ言いたくないので、食事を残しても許してしまう傾向があります。こういうことが重なると、どうしても摂りすぎてしまう栄養素と不足する栄養素が出てきてしまいます。1日ならともかく、旅行となると何日も続いてしまうので気をつけなければなりません。

では、具体的にどのようなことに気をつけなければいけないのでしょうか?

旅行中の食事で気をつける7つのポイント:

  • まずは三食の食事が最優先
  • 間食としてのおやつやジュースは最低限に
  • おやつ(スナック、あめ、チョコなど)は、おやつ袋を作って1日に食べてよい量を決める
  • ホットスナックなどを上手に取り入れる(たこやき、フランクフルトソーセージなど)
  • ドライフルーツやナッツなどを携帯しておく
  • 水分補給はしっかりと
  • 夕食のことを考えて、午後のおやつは15〜16時には終える

自宅での食事であれ外食であれ、まずは三度の食事が最優先であることをしっかりとお子さんに説明しましょう。いくら事前に説明しても、楽しいことが優先されてしまうのは仕方のないことです。でも、約束することも大切なんですよね。

必要エネルギーの確保のために、おにぎりなどの間食を取り入れることは重要です。しかし一方で、スナック菓子やジュースなどは嗜好品という位置づけなので注意しましょう。ただし、楽しい旅行の最中に、すべてをダメというのはかわいそう。でも、それでお腹いっぱいにしてしまっては、せっかくの美味しい食事を食べることができなくなってしまいます。

ではどうすればいいのでしょうか?
子どもたちが大好きなおやつは、あればあるだけ欲しくなるものです。ですから、少し面倒でも1日に食べてもよい量を保存袋などに入れて、おやつ袋を作ってあげてはいかがですか? 意外に喜ぶかもしれませんよ。

3本のフランクフルト

焼きそば

また、たこ焼きやフランクフルト、やきそばやお好み焼きなど、ホットスナックも上手に取り入れてみましょう。いい間食になりますよ。ホットスナックのようなものが手に入らない場合は、ドライフルーツやナッツなどを携帯しておくと便利です。ビタミン・ミネラルの補給にもつながります。飲み物については、ジュースや炭酸飲料ではなく、水やお茶、また発汗が多い場合はスポーツドリンクなどで水分補給をこまめにするようにしましょう。

最後に、夕方のおやつタイムを15〜16時くらいにすることをおすすめします。すると、18時前後にはお腹が空いてくるので、しっかりと夕飯を食べることができますよ。また、炎天下の中にいることも増えるでしょうから、食中毒などにも気をつけてくださいね。

夏の旅行などのイベントは、とても楽しいものです。子どもも大人も楽しめるように、しっかりと準備しておくことが重要ですね。