2021.7.12

賢い子の朝食は「おかずが多い」らしい。 “主食だけ” では、脳が十分に働かないワケ

編集部
賢い子の朝食は「おかずが多い」らしい。 “主食だけ” では、脳が十分に働かないワケ

お子さまは、今朝、なにを食べましたか? 食事のなかでも、午前中のパフォーマンスを左右する朝食はかなり重要です。

今回は、お子さまの脳が最高のパフォーマンスを発揮できるような朝食について考えてみましょう。

「1日の脳の働き」を左右するのが朝食です!

毎日の食事が子どもの健やかな体をつくるということは、みなさんご存じでしょう。そのなかでも、特に朝食は大切です。「育脳レシピ」開発の第一人者で管理栄養士・小山浩子氏は、「1日の脳の働きを左右するのが朝ごはん」だと言っています。どうやら朝食には、脳を「スタンバイ状態」にする重要な役目があるようなのです。

この「脳」と「朝食」の関係性について、文部科学省が推進している「早寝早起き朝ごはん」全国協議会のウェブサイトでは、以下のように説明されています。

脳のエネルギー源はブドウ糖です。ブドウ糖は体内に大量に蓄えておくことができず、すぐに不足してしまいます。また、私たちの体は寝ている間もエネルギーを使っているので、朝にはエネルギーや必要な栄養素が少なくなっています。つまり、朝起きたときは脳も体もエネルギーが不足した状態なのです。そのため、朝食でブドウ糖をはじめとする様々な栄養素を補給し、午前中からしっかり活動できる状態を作ることが大切です。

(引用元:「早寝早起き朝ごはん」全国協議会|「早寝早起き朝ごはん」運動について 太字による強調は編集部が施した)

東北大学加齢医学研究所所長で脳科学者の川島隆太氏によると、「朝起きたときに頭がぼーっとするのは、脳のエネルギー不足」とのこと。炭水化物に多く含まれる「ブドウ糖」は体内に貯めておくことができないので、夕食を19時に食べたとすると、翌朝7時の朝食までの12時間はエネルギーの給がストップしてしまいます。すると、ブドウ糖不足の脳はいわばガス欠状態に。

もし朝食を食べなかったら、お子さまの脳は昼食までガス欠状態が続きます。脳がよく働くと言われる午前中の「ゴールデンタイム」を無駄にしないためにも、朝食は毎日食べましょう。

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朝食を食べる子は、学力も体力も優れている

次に、朝食を食べる子と食べない子の違いについて見てみます。日本スポーツ振興センターが発表した「平成22年度児童生徒の食生活等実態調査」によると、朝食を必ず食べる子どもほど「だるさを感じる割合が少ない」のだそう。逆に朝食を食べる習慣のない子どもは、「体のだるさ」を感じ「やる気のない」午前中を過ごしているようです。ということは、授業にも集中できていないのでは?

事実、文部科学省の「平成28年度 全国学力・学習状況調査」(小学校6年生)では、朝食を食べる習慣のある子どもほど「学力調査の得点が高い」という結果が出ています。国語の平均正答率のみに注目してみると、朝食を「毎日食べている子ども」は72.3%、「まったく食べていない子ども」は55.3%と、なんと17%もの差があったのです。

また「令和元年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(小学校5年生)でも、朝食を「毎日食べている子ども」は、新体力テストでの「体力合計点」が高い傾向にありました。朝食を食べる習慣は、学力だけでなく体力にも影響するようです。

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朝食を食べると、夜にぐっすり眠れます

そしてあまり知られていないかもしれませんが、朝食で「睡眠の質」も変わります。株式会社 NTTデータ、ソニーグループなど数々の企業に睡眠改善プログラムを提供する、株式会社ニューロスペース代表・小林孝徳氏は、次のように話しています。

夜、きちんと眠気を起こすためには、“メラトニン”をしっかり分泌させなければなりません。メラトニンは、朝光を浴びたり朝食を食べたりして生体リズムがスタートしてから約14~16時間後に分泌されます。朝7時に朝食を食べれば、夜21時~23時にメラトニンによって眠気が起こります。

(引用元:@DIME|今夜眠れるかどうかは朝食で決まる!?睡眠の質を上げる食事法 太字による強調は編集部が施した)

「睡眠の質が悪い方は、朝食を食べていないために、メラトニンがつくられていない」と、睡眠栄養指導士協会理事である依田恭平氏も言うように、ぐっすり眠るための準備は朝食から始まっているのです。

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おかずを増やして脳のパフォーマンスを上げよう!

朝食を食べると、脳がよく働き、学力・体力が高くなり、睡眠の質も上がるというメリットがあるのですね。みなさまのご家庭はどうですか? 「うちは、朝食を食べる習慣があるから大丈夫」という方も多いかもしれません。でもちょっと待ってください。どうやら、「おにぎりだけ」「トーストだけ」の “主食だけ” の朝食では、脳が十分に働かないようなのです。その理由を川島氏は以下のように説明しています。

脳の神経細胞の間をつなぐ電線のようなものを「シナプス」といいますが、子どもが何かを学んでいくとき、このシナプスが急激に太くなったり、枝分かれをします。この変化を起こすために、ブドウ糖だけでなく、様々な栄養素が欠かせないのです。

(引用元:週刊女性PRIME|あの“脳トレ”の川島隆太教授が力説!脳を見てわかった「頭のよい子の朝食、教えます」

主食と一緒におかずを食べることで、脳はパフォーマンスを発揮します。しかも、おかずの品目数が多いほど、理解、判断などの認知機能が発達するという調査結果もあるのだとか。であれば、朝食でのおかずは無理のない範囲で増やしていきたいところです。

では最後に、「おかずの品目数を増やすポイント」を3つご紹介します。

ポイント1:みそ汁で品目数を稼ぐ

手っ取り早くたくさんの食材を食べるなら、みそ汁が一番。みそ汁ならば、野菜だけでなく、肉や卵などのタンパク質もとることができます。そしてぜひキノコ類もプラスしてみましょう。キノコにはカルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」が豊富に含まれています。成長期の子どもは、積極的にとりたい栄養素です。

また、睡眠ホルモンであるメラトニンのもとは「トリプトファン」という必須アミノ酸。そのトリプトファンは大豆製品に多く含まれているので、朝食に大豆製品であるみそ汁を食べれば眠りの質も上がりますよ。「朝はとにかく時間がない!」という方は、前日のみそ汁に卵を落とすだけでも◎です。

「ほんだし®」のウェブサイトでは、「レタスと豚肉のシャキシャキみそ汁」「ちくわコーンの冷やしみそ汁」など、17種類のみそ汁レシピが公開されています。「この組み合わせもありなのね!」と、みそ汁の具の幅が広がるはず。

ポイント2:「ちょい足し」で品目数を増やす

バタバタする朝時間に、おかずを1品増やすのはなかなか難しいもの。でも、「ちょい足し」なら簡単に品目数を増やすことができますよ。「かけるだけ・出すだけ」で朝食の栄養価が上がる、おすすめ食材はこちらです。

【かけるだけ】
かつお節・・・高タンパクで低カロリー。脳の働きを向上させると言われるDHAが豊富。いろいろな食材にどっさりかけて。
ごま・・・ビタミンEがたっぷり。いりごまをおにぎりに混ぜたり、すりごまをおひたしにかけたりするのがおすすめ。
海苔・・・不足しがちな食物繊維が補給できます。ビタミンAも豊富。ちぎったり、切ったりして、プラス1品目に。
しらす・・・カルシウム&カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富。「しらすと海苔の和風チーズトースト」にしても◎。
あおさ・・・ほうれん草の約2倍のビタミンAと葉酸が含まれるなど、ビタミンとミネラルの宝庫。みそ汁や納豆にプラスして。
アマニ油・・・アマニ油に含まれる脂肪酸はDHAと同じオメガ3系。脳の活性化に効果ありですよ。ただし熱に弱いので、加熱は厳禁。

【出すだけ】
豆腐・・・植物性タンパク質、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、骨を強くするビタミンKなど、言わずと知れた栄養満点食材。
枝豆・・・じつは、ほうれん草、小松菜よりも鉄分が多く含まれています。冷凍枝豆なら、サッと出せて便利です。
魚肉ソーセージ・・・1本で1日に必要なカルシウムの約1/2を摂取できます。そのまま食べられるのが嬉しい。
かまぼこ・・・なんと、卵と同じ量のタンパク質が含まれています。しかも良質な魚のタンパク質ですよ。
カニカマ・・・高タンパクだけど卵と比べて脂質が圧倒的に少ない。朝食だけでなく、おやつにもおすすめ。
ヨーグルト・・・カルシウムもタンパク質も入ってます。数種類用意して、子どもに選ばせてあげましょう。
チーズ・・・タンパク質&カルシウムたっぷり。個包装のひと口サイズのチーズなら出しやすく食べやすいはず。
ミニトマト・・・ビタミン、食物繊維、カリウムなど栄養成分のバランスが◎。洗ったミニトマトはキッチンペーパーをしいたタッパーで保存を。

今日はおかずの数が1品しかない……という日は、ぜひ「ちょい足し」で品目数を増やしてください。その際、食材の「色」も意識してみましょう。管理栄養士・公認スポーツ栄養士の高梨麗氏(株式会社明治 広報部)によると、「おかずの色がきれい = たくさんの栄養が含まれている」とのこと。「かつお節をかけた豆腐」「じゃことごまの海苔おにぎり」「ミニトマトと枝豆」など、色を意識するだけで栄養バランスがとれるそうですよ。

ポイント3:既製品をどんどん使う!

朝からすべて手づくりの朝食を用意するのは難しいもの。シリアルやカップスープなどを利用するのもひとつの手です。

【シリアル】
「最近のシリアルは手抜き朝食などではない」と断言するのは、前出の「育脳レシピ」開発者・小山氏。パッケージの栄養成分表示をチェックしてみてください。炭水化物や食物繊維だけでなく、ビタミンB群や葉酸、亜鉛などが含まれている商品もありますよ。

シリアルのなかでも特におすすめしたいのはグラノーラ。歯ごたえのあるグラノーラは、必然的にかむ回数が増えます。小山氏によると、「かむ」という行為は脳を目覚めさせてくれるうえ、脳の発達も促してくれるとのこと。また、かむことで「幸せホルモン」セロトニンが分泌されます。朝食をしっかりかんで食べれば、脳内で幸せホルモンが活性化し、やる気スイッチが入るのです。

カルビー株式会社の「こどもグラ」シリーズは、子ども向けのグラノーラ。かみごたえのある大人向けのものよりも、子どもが食べやすいサクサクとした食感になっているのでおすすめです。「こどもグラ」+ヨーグルト+フルーツで3品目になりますね。

【カップスープ】
“お湯を注ぐだけで1品完成” のカップスープの素も便利。たとえば、コーンスープにコーンフレークや甘くないグラノーラを入れれば、あっという間に2品目が追加されます。そのほか、トマトスープにシュレッドチーズやご飯を入れて、トマトリゾット風にしてみてもいいでしょう。

味の素株式会社の「クノール® それいけ!アンパンマンスープ」には、『それいけ!アンパンマン』のイラスト入りのクラッカーが入っているので、これだけで2品目追加になりますね。アンパンマン効果で、朝からお子さまの笑顔が見られるかもしれませんよ!

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筆者の自宅にある「ちょい足し」食材などを集めてみました。意外と多いものですね。明日からは「かけるだけ・出すだけ」の食材をもっと積極的に取り入れてみようと思います。

(参考)
小山浩子(2015),『子どもの脳は、「朝ごはん」で決まる!』, 小学館.
笠井奈津子(2010),『子どもの「できない」を「できる」に変える 子育て食事セラピー』, 河出書房新社.
落合敏(2004),『食べて健康になる辞典』, 日本テレビ放送網株式会社.
AJINOMOTO PARK|朝食ラブ
農林水産省|家庭での食育の推進
文部科学省|令和元年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果のポイントについて
文部科学省|企業と家庭で取り組む 早寝早起き朝ごはん
大塚製薬|朝食の重要性
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