幼い子どもを育てている親御さんにとって、我が子の成長は気がかりですよね。他の子どもと比べて小さい? 大きい? 痩せている? 太っている? 気になりだすと止まらなくなります。そして身体の成長に大きく関わる食事を毎日作っている親御さんなら、なおさら「何を食べさせるべきなのだろう?」と悩んでしまいますよね。
tokko先生こと管理栄養士の新生暁子先生による『親子で学ぶ おいしい食育学』。連載第2回は【子どもの成長】にまつわる大事なお話です。
ライタープロフィール
管理栄養士
管理栄養士、博士(スポーツ健康科学)。1971年、兵庫県に生まれる。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士後期課程修了。独立行政法人 国立健康・栄養研究所勤務時には、長野県佐久市で実施された大規模コホート研究「佐久肥満克服プロジェクト」に技術補助員として従事し、食事から肥満を克服するための栄養教育にあたる。2008年には高橋尚子率いる『チームQ』にて栄養・調理指導者として参加し、日米での合宿、アメリカ・コロラド州での合宿にも帯同。『チームQ』解散後は、フリーの管理栄養士としてTV、ラジオ、雑誌、Webサイトなど幅広い媒体で食事と健康に関する情報を発信している。著書には、『塩ヨーグルト健康レシピ』(アスコム)、『健康名人の炭酸水レシピ』(セブン&アイ出版)、『夢をかなえるスポーツ応援レシピ つくろう!食べよう!勝負ごはん 全3巻』(日本図書センター)、『最新版スポーツめし』(エイ出版社)などがある。
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目次
お悩み「身長が小さくて心配」
tokko先生の答え
自分の子どもの成長期がいつから始まるか、詳しく知りたいと思ったことはないですか? もしそのタイミングさえ教えてくれたら、子どもの持っている『最大限の成長』のお手伝いができるのに……と思いませんか? でも、ほとんどの人はその時期やタイミングがわからないために、他の子どもと比べて落ち込んだり、余計な心配をしたりしがちです。
身長は2度、急激に伸びる時期があると言われています。1度目は赤ちゃんのとき、2度目は思春期のときです。
思春期の急激な成長は、『成長スパート』と言われています。もちろん個人差はありますが、成長スパートのスタートは、女子では11歳、男子は13歳頃がピーク。
しかし、親御さんやお子さん自身がこの成長スパートに気づかないことが多いのです。そのため、せっかく急激に成長する時期なのに、それを活かせずにお子さまの『最大限の成長』のタイミングを逃してしまうことになってしまうのです。
そうならないためにも、普段から食事、睡眠、運動に気をつけることが大切です。今回は食事にスポットを当てて、ポイントをおすすめしたいと思います。
成長スパートのための栄養ポイント:
- バランスのよい食事を
- 背をのばすのはたんぱく質
- 骨を強くするカルシウムとマグネシウムの理想的なバランスは2:1
- ビタミンDでカルシウムの吸収を助ける
- たんぱく質と一緒にビタミンCを
- 亜鉛で新陳代謝アップ
これら6つのポイントを押さえたメニューをご紹介します。普段の食事作りの参考にしてみてくださいね。
<tokko先生のおすすめメニュー>
ビーフカレー(きのこを入れると◎)
ヨーグルトパンプキンサラダ(ナッツや干しぶどうを入れると◎)
<含まれる栄養素>
- たんぱく質:牛肉
- カルシウム:ヨーグルト、ナッツ
- マグネシウム:ナッツ
- ビタミンD:きのこ類
- ビタミンC:じゃがいも、かぼちゃ
- 亜鉛:牛肉
カレーはお子さまが大好きなメニュー。肉や魚介類を入れることで、たんぱく質や亜鉛を、野菜やきのこ類で具沢山にすることで、ビタミンやミネラルを摂取することができます。また、食欲がないときもスパイスの香りで食思をアップさせることができますね。
ヨーグルトをプラスしたパンプキンサラダには、ナッツや干しぶどうをプラスしてみてください。とくにナッツには、骨を強くするカルシウムやマグネシウムが含まれていますよ。
ポイントをすべて網羅した献立にするのは難しいですし、バランスよくと言われても、忙しい毎日の中で時間をかけて料理をするのは大変ですよね。そんなときこそ、色々な食品やカラフルな食材を使うことで、様々な栄養素を摂ることができます。
たとえ定食型の食事にできなくて、丼やワンプレートの食事になったとしても、1食をベースに考えるのではなく、1日3食で考えられるようになると楽ですよ。
成長期を他のお子さんと比べるのではなく、いつ成長スパートがきてもいいように、しっかりと食べることのできるカラダを作っておくことが重要かもしれませんね。