毎朝スッキリ目覚めて、朝ごはんをもりもり食べて元気いっぱいに一日を過ごせる人は、大人でもそう多くはないのではないでしょうか? それは子どもも同じです。どうしたら朝ごはんを食べてくれるのだろう……、どうしたら朝から元気に学校へ行ってくれるのだろう……と、今も昔も大人を悩ませるこの問題。その解決の糸口となるヒントを、tokko先生こと管理栄養士の新生暁子先生に教えてもらいましょう!
ライタープロフィール
管理栄養士
管理栄養士、博士(スポーツ健康科学)。1971年、兵庫県に生まれる。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士後期課程修了。独立行政法人 国立健康・栄養研究所勤務時には、長野県佐久市で実施された大規模コホート研究「佐久肥満克服プロジェクト」に技術補助員として従事し、食事から肥満を克服するための栄養教育にあたる。2008年には高橋尚子率いる『チームQ』にて栄養・調理指導者として参加し、日米での合宿、アメリカ・コロラド州での合宿にも帯同。『チームQ』解散後は、フリーの管理栄養士としてTV、ラジオ、雑誌、Webサイトなど幅広い媒体で食事と健康に関する情報を発信している。著書には、『塩ヨーグルト健康レシピ』(アスコム)、『健康名人の炭酸水レシピ』(セブン&アイ出版)、『夢をかなえるスポーツ応援レシピ つくろう!食べよう!勝負ごはん 全3巻』(日本図書センター)、『最新版スポーツめし』(エイ出版社)などがある。
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目次
お悩み「朝ごはんをしっかり食べてほしい」
tokko先生の答え
お子さまが食事を摂ってくれないとイライラしたり、怒ってしまったりしていませんか?
お子さまのカラダのこと、成長のこと、勉強や遊ぶ体力のことを思うと、食事が重要であるとお考えのご両親であれば、当然のことだと思います。でも、親御さんだってたまに食欲や時間がなく、欠食することはありませんか?
1日3食、朝食・昼食・夕食と単純に考えると、夕食を食べてから、次の日の朝食を摂取するまで約半日絶食状態になるわけです。朝食はBreakfastと言いますが、Break=破る、fast=断食という意味です。
ですから、断食状態を破ることが朝食の本来の意味なのです。このような意味を知ると、朝食の重要性を理解していただけると思います。
しかし実際に、その重要性をお子さまに説明するのはとても大変ですよね。そこで、どうすればお子さまが朝食のタイミングでお腹を空かせるかというポイントをご紹介したいと思います。
朝食時にお腹が空く5つのポイント
- 夕食は18〜19時の間にはすませる
- 早寝早起き
- 夕食は消化のいいものを
- 夕食後の間食は脂っこいもの、糖分の高いものは避ける
- 夕食後の間食には、快眠効果のある乳製品を
この5つのポイントを意識して実践してあげてください。そしてお腹を空かせて起きてきたとき、次のような朝食を用意してあげてみてはいかがでしょう。
<tokko先生オススメの朝食献立>
- パンやごはん
- 野菜たっぷりのスープ(ソーセージやハム、豆腐、ツナ、卵など)
- ヨーグルト(はちみつ入り)
- フルーツ
tokko先生:
食事は定食型にすれば、色々なものを食べることができ、多くの栄養素が摂取できます。でも、朝から沢山のお料理がテーブルに並んでいると、お子さまにとってはかえってプレッシャーになり、食欲がアップしないかもしれません。
ですから、具沢山の野菜が入ったスープを用意してみましょう。そこに、ソーセージやハム、豆腐やツナ、卵などのたんぱく質をプラスすれば、それだけでさまざまな栄養素を摂ることができます。
またスープは、コンソメ、ミルク、トマト、カレー、味噌など味の変化もつけやすいですね。野菜のコンソメ煮を作っておいて、冷凍し、それを水、ミルク、トマトジュースなどで割れば、簡単にスープを作ることができるので、準備も楽です。あとは、カルシウムが豊富なヨーグルトを加えるとデザート感も出るので、お子さまも喜ぶのではないでしょうか?
朝食時にお腹が空くポイントを1つずつ実行していただき、お子さまが朝起きて、「あぁ〜〜〜!! お腹空いた!!」と言ってくれると嬉しいはず。お腹が空いていると、きっと何でも美味しく食べてくれます。その時がチャンスです。沢山のお料理を出すのではなく、スープから始めてみましょう。そして、お子さんの状態の変化を見極めながら、品数や量を増やしていきましょう。
そしてそれはお子さまだけでなく、ご両親も一緒に実行できると体調の変化もみられるかもしれませんよ。