教育を考える 2019.5.2

食事中にTVを観るのはNG!「脳を育てる」ために重要な5つの習慣

編集部
食事中にTVを観るのはNG!「脳を育てる」ために重要な5つの習慣

子どものさまざまな能力には、身体だけでなく脳が関係していることが知られています。そのため、昨今では脳を育てることに注目が集まっています。しかし、具体的にはどんなことをすればいいのでしょうか? 今回は、脳を育てることの重要性や、そのためのポイントについてご紹介します。

「脳を育てる」ことが重要すぎるワケ

脳を育てることは、子どもが心身ともに健康に成長していくことや、社会性や学力の向上に大きくつながっています。

脳の中でも、子どもの成長に特に影響を及ぼす部位は、脳幹大脳新皮質前頭葉シナプスの4つです。

脳幹は、中枢神経系を構成する重要な部位が集まる器官です。睡眠欲食欲呼吸など人間が生きていくために必要な機能を担っており、情緒面にも影響しています。五感からの刺激によって、特に2~6歳の時期に大きく育つのだそう。

大脳新皮質は、言語能力や手指を使った細かい動きなどの機能を担っており、親からの言葉や仕草から刺を受けています。

前頭葉記憶力集中力論理的思考などの機能を司り、心の状態にも大きくかかわっている部分です。運動やコミュニケーションなどで活性化するといわれています。

シナプスは、脳の中にある神経細胞同士のつながりのことです。神経細胞同士がうまくつながると、脳がよく働きます。シナプスは会話スキンシップによって増えていくものです。

これらの部分を育てることで、子どもが生きていくうえで欠かせないさまざまな力が身につくのです。

「脳を育てる」ために重要な5つの習慣2

「木のおもちゃ」が知育におすすめな理由。五感を刺激し、集中力を育んでくれる!
PR

健康体、ストレスフリー、チャレンジ精神……。脳が育つとメリットだらけ!

脳が育つと、以下のようなメリットがあります。

規則正しい生活が送れるようになる

脳が育っていくことで、体内時計がしっかり働くようになるため、朝は自然に目が覚めて活動的になり、夜は自然に眠くなってぐっすり寝ることができるようになります。よって、健康体になっていきます。

自分の気持ちをコントロールできるようになる

脳の中でも、前頭葉がしっかりと育つと、自分の気持ちをコントロールできるようになります。そのため、嫌なことがあっても気持ちを切り替えることができたり、不安になった時にも解決策を探して安心できたりと精神が安定するのだそう。さらには、自分の気持ちをしっかりと相手に伝えられるため、ストレスを溜めにくくなります。

好奇心旺盛になる

シナプスが増えて脳が発達していくと、好奇心旺盛になり、運動や勉強など何事にもチャレンジできるようになります。そして新しい刺激をたくさん受けることによって、さらに脳が活性化されるという好循環につながるのです。

「脳を育てる」ために重要な5つの習慣3

「脳を育てる」ために、すぐにでも始めたい5つの習慣

子どもの脳を育てるために、以下の事柄を始めてみませんか?

朝型の生活をする

朝は、睡眠によって脳内のシナプスが整理された状態となっており、脳を育てるのに適したタイミングです。親子で早起きして、運動や散歩をしたり、ゆっくりと朝ご飯を食べながら会話を楽しんだりすることは、脳を育てるのに有効です。ぜひ習慣にしましょう。

会話に具体性を取り入れる

子どもの言葉や表現を引き出すために、会話の中で具体性を意識することも脳を育てるのに役立ちます。例えば友だちと遊んだ後は「楽しかった?」だけでなく、「どんなことをして遊んだの?」「その時、〇〇ちゃんはなんて言ってたの?」などと、より具体性のある質問を投げかけましょう。記憶を辿ったり、表現を考えたりしながら話すことで、子どもの脳が刺激されます。

食事中はテレビをつけない

食事は、料理のにおい色合い温度などで、あらゆる五感が刺激されるため、脳を育てるのに欠かせません。しかし、その際にテレビをつけてしまうと、五感からの刺激がなくなってしまいます。食事中はテレビを消すルールを作りましょう。

魚料理を定期的に出す

魚の脂に含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳の神経細胞の主な成分でもあり、脳の働きを高めるといわれています。ぜひ普段の食卓に魚料理を取り入れましょう。時間がない時には缶詰やフレークなどを使うのもおすすめです。

ピアノなどの楽器を演奏させる

アメリカのバーモント大学で行なわれた200人超の子どもを対象にした調査では、楽器を演奏することによって脳の運動機能を司る部分が活性化することがわかりました。また、音を司る脳の領域と言語を司る脳の領域は非常に近いため、楽器を演奏することは言語能力の発達外国語の習得にも役立つといわれています。

***
子どもの脳を育てる工夫を行なうことで、親の脳の活性化にもつながる場合がたくさんあります。ぜひ親子で脳を活性化させていきたいですね。

文/田口るい

(参考)
こどもまなび☆ラボ|“親の愛情” で子どもの海馬が大きくなる!? 子どもの脳を育てる5つのヒント
PHPファミリー|6歳までが勝負です! 才能の芽がグングン育つ「脳の鍛え方」
日経DUAL|脳科学者が教える「努力する子を育てる10カ条」
ダ・ヴィンチニュース|一番最初に始める習い事のおすすめは? 脳科学で解明する賢い子の育て方
マイナビニュース|脳を育てる食事ってどんなもの? 子どもの成功を支える食生活の秘訣