子どもの食の大切さについて学ぶため、企業の食育活動に関するお話をうかがう『食のまなび探検隊』。「キユーピー(株)編」その2では、見学施設として高い人気を誇る「マヨテラス」について、詳しくお聞きしました!
マヨネーズの歴史やおいしさの秘密を楽しく学べるだけではなく、さまざまなイベントも開催している「マヨテラス」。子どもの野菜嫌い克服、ママ同士の交流など、そこには学び以上の嬉しい出来事がたくさんあるようです。
楽しい仕掛けやイベントが満載!『マヨテラス』
ーーキユーピーといえば2014年にオープンした『マヨテラス』という施設が有名です。ここはもともと工場だったんですよね?
鈴村さん:
そうです。調布市の仙川にもともとあった工場が老朽化し、一度取り壊したんですね。そこを研究所やマーケティング本部といった「ものづくりの拠点」としてオフィスビルに建て替えたんです。
すると、当時の工場を知っている近隣のお客さまたちから「寂しい」というお声をたくさんいただき、見学施設として『マヨテラス』が誕生したというわけです。
『マヨテラス』は工場ではないため、一般的な「工場見学」ができる施設ではありません。マヨネーズの歴史やおいしさの秘密を楽しく学べる施設となっています。
『マヨテラス』には大きく分けて3つのお部屋があります。
・マヨネーズドーム
まず、木の温もりあふれる巨大なマヨネーズボトル(実際のキユーピーマヨネーズの約50万倍の大きさ)をかたどった「マヨネーズドーム」。こちらではマヨネーズのおいしさの秘密やその工夫をお伝えします。・キユーピーギャラリー
マヨネーズの歴史や、マヨネーズを使ったメニュー、キユーピーグループの事業の広がりについて学ぶことができます。・ファクトリーウォーク
ご家庭においしいマヨネーズを届けるための数々の工夫や品質を守るための工夫を、楽しく体感しながら学べます。
以上3つのお部屋を見学していただきましたら、最後にキッチンでマヨネーズのご試食をしていただきます。これが通常の見学の流れです。
矢島さん:
最後にマヨネーズを試食するとき、野菜につけて食べるんですけど、親子で見学に来られたお母さんたちにびっくりされることがあるんですよ。「この子、初めて生の野菜を食べました!」って(笑)。
ーー楽しい仕掛けがたくさんある『マヨテラス』で、野菜やマヨネーズについて体感しながら学ぶことで、子どもたちも自然と野菜を身近に感じられるようになりますね。それに、楽しい経験をした後に感じるその場の雰囲気によって、チャレンジ精神も刺激してくれそうです。
鈴村さん:
そうですね。今後『マヨテラス』では、年代別のイベントを展開していく予定ですが、6月から未就学児向けに「あつまれ!3~6歳のおともだち☆マヨネーズ探検隊になろう!」というイベントが始まりました。これも子どもたちに野菜をもっと好きになってもらうために企画したものです。
矢島さん:
募集をかけた時点ですぐに応募がいっぱいになってしまったので、やはりこの時期の子どもたちに野菜を食べてほしいと考えられている親御さんが多いということがうかがえます。
マヨテラスの見学をしていただくんですが、「子どもたちに探検してもらう」ためにすべて幼児向けの説明にしています。そして、お母さんたちにはなるべく後ろで見てもらうようにして、お子さまだけで探検してもらいます。
鈴村さん:
最後に野菜のスティックを食べてもらうんだよね?
矢島さん:
そうですね。たとえばマヨネーズにクリームコーンを混ぜてコーンマヨネーズにしてディップにしてもらうとか、ケチャップを混ぜてピンクのソースにしてみよう、とか色々と考えています。
ーー遊び感覚で楽しみながら「子どもたち自身にやってもらう」ということが大切なんですね。
矢島さん:
そうです。「ぐるぐる混ぜてみよう!」と子どもたちをを楽しませつつも、そこから「はじめてのサラダ」というところにつながっていけばいいかな、と思っています。
CSR部食育推進チーム:矢島さん
育児食イベントの人気の秘密
ーー『マヨテラス』では他にもさまざまなイベントを開催していますね。
鈴村さん:
もともとはいわゆる「ハレの日」、イースターとかハロウィンとかクリスマスとかのイベントをメインに行っていたんです。でもこれからは、そういうハレの日だけではなく、あらゆる世代の方に対して“寄りそう食育”というのをやっていきたいと考えているんです。それこそ離乳食から介護食まで、どの世代の方にも関わっていけるような食育イベントを展開していく予定です。
現在『マヨテラス』で定期的に実施しているのが「育児食」のイベントです。キユーピーではベビーフードも取り扱っておりますので、ベビーフードの試食やアレンジメニューをご提案するなど、離乳期におけるお子さまの食の不安を解消して育児中の親御さんをサポートしていきたいと考えています。
矢島さん:
育児食のイベントは毎回人気で、すぐに予約が埋まってしまう状況です。
ーー参加者の方たちからは「ためになった」というお声が多いのでしょうか?
矢島さん:
そうですね。あとは、お母さん同士が仲良くなってママ友ができるなど、交流の場にもなっているようです。イベントは<初期><中・後期><完了期>と月齢別に分かれているので、3回ともご参加いただくことで顔見知りになって、自然とママ友になるみたいですね。
鈴村さん:
やっぱりみなさん、離乳食や育児に対してご不安を感じているみたいなんですね。<初期>に来ていただいたときには、研究員によるレクチャーやアレンジメニューのご紹介の他に、マヨテラスの見学もしてもらいます。その後<中・後期>や<完了期>のイベントに来ていただいたら、マヨテラスの見学はもうすでにご体験されているので、その時間に研究員と座談会を行うんです。
そういった場を設けることで、いろいろな悩みをお話しするにつれてお母さん同士も「そうよね」なんていう話をし始める。そこからママ友としての交流が始まる、というパターンもあるようですね。
ーーなるほど、同じくらいの月齢の赤ちゃんを育てているからこそ、分かり合える悩みもありますよね。ちなみに研究員の方というのは、普段はどのようなお仕事をされているのですか?
矢島さん:
育児食、ベビーフードの開発です。あとは研究員以外にも、このイベントを担当している者は子育て経験のある母親です。そういった立場から、子育ての先輩としてのアドバイスもしていければと思っています。
→【食のまなび探検隊「キユーピー(株)」その3】につづきます