教育を考える 2020.9.17

「いるだけでクラスの雰囲気がよくなる子」はSQが高い。”10個の特徴” お子さんはいくつ当てはまる?

長野真弓
「いるだけでクラスの雰囲気がよくなる子」はSQが高い。”10個の特徴” お子さんはいくつ当てはまる?

「頭がいい子と性格がいい子、どっちがいい?」

子どもの頃、テストの成績がよくなかったとき、筆者が母親によく言っていたそうです(笑)。子どもながらに「 “性格がいい” ほうがいいに違いない」と、確信していたのでしょう。「勉強ができるだけでは生きていけない」というのは、いまや常識。

今回は、人生をよりよく生きるための人間力の指標として注目され、認知されてきたSQ(社会的指数)について、ご説明します。

生き方の知能指数と呼ばれる「SQ」

頭がよい=IQ(知能指数)をご存じの方は多いでしょう。では、SQ(社会的指数)とは何を指すのでしょうか。その前に、IQ、そして感じる知性とも言われるEQを考えてみます。

IQ(Intelligence Quotient):知能指数
「考える知性」であり、いわゆる頭のよさ。IQが高いほど知能が高く、低いほど知能が低いとされている。
EQ(Emotional Intelligence Quotinet):感情指数
「感じる知性」「心の知能指数」と言われている。自分の感情を認識してコントロールできる能力。

上記が、以前から注目を集めていたふたつの能力指数です。

次に、「社会的指数」と呼ばれるSQ(Social Intelligence Quontient)について。EQの進化形として登場した概念がSQです。EQ理論を日本に広めたとされる、アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンは、同調性・自己表現力・影響力・関心(気配り)などの社会的適応能力を測るものとして、これを発表しました。

SQは「生き方の知能指数」です。人は他人とのコミュニケーションなしには生きられません。「楽しいね」「困ったね」というさまざまな感情を、友だちと分かち合い、友だちの考え方や行動に心から同感できれば、人間関係はよりよいものとなるでしょう。また、自分の主張を相手が不快に感じないように伝えられる能力も、社会生活に欠かせない力のはず。もし、相手の気持ちを考えずに自分の意見だけを主張していたら……? 友だちはきっと離れていってしまうでしょうね。

まわりの人たちとうまく関わることができるかどうかは、SQの高低によるのです。

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SQが高い子、10個の特徴

米国CTI認定プロフェッショナルコーチであり、子育て支援活動を行なうUmehana Relations代表の松原美里氏によると、SQは「人と上手に関わりながら社会で生きていくための大切な筋肉」なのだそう。つまり、この能力が高ければ、学校でも社会でも、子どもたちは先の人生をうまく乗り越えていける可能性が高いということ。

わが子はどのくらいSQ能力が身についているのか、気になりますよね。松原氏が提唱している「SQが高い子」の10個の特徴をチェックしてみましょう。

  1. 愛嬌があり、笑顔で会話ができる
  2. 素直で一生懸命に物事に取り組める
  3. 正義感が強く、善悪の区別がしっかりと身についている
  4. 家族を大切にする
  5. 人の嫌がることをしない、人の気持ちに立って物事を考えられる
  6. ほめ言葉は気持ちよく受け取りつつも、適度に謙虚で調子にのらない
  7. 努力することができる、物事を達成する喜びを知っている
  8. 夢をもっている、未来に向かって前向きである
  9. 自分の気持ちを表現するのが上手
  10. ひとりで抱え込まず、上手に人を頼ることができる

松原氏によると、「SQの高い子どもというのは『お互いを尊重できる子』と言い換えることができる」そう。まずは、お子さんが「人を思いやる行動をしているか」を確認してみてください。

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子どもは親の鏡。子どものミラーニューロンを刺激せよ

では、わが子のSQを高めるために、親はどう子どもに関わっていくべきなのでしょう。

株式会社MELコンサルティング代表取締役社長の渡辺晴樹氏は、「SQの概念の新しさは、脳科学の裏づけに基づく点にある」とし、「ミラーニューロン」などの脳内細胞がSQに深く関係していると言っています。ミラーニューロンは “ものまね細胞” とも言われ、相手のしぐさからその感情を察知したり共感したりする脳内細胞のこと。

たとえば、チームのなかにミラーニューロンの働きが活発なリーダーがいれば、そのチーム全体の共感力が上がり、明るい雰囲気になるのだそう。たしかに学校でも、まわりと上手に関わり合える子や友だちに対して気配りができる子がひとりいるだけで、クラスの雰囲気がぱっと明るくなりますよね。

そしてこれは親子・家族間でも同じ。親のミラーニューロンの働きが活発であれば、子どものミラーニューロンも刺激されて活性化するのです。ダニエル・ゴールマン氏は、「親は子どもが最初に関わる『他者』」だと話しています。相手の感情を察知したり共感したりする、子どものミラーニューロンが活発になるかどうかは、親の行動次第ですよ。

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SQを育むためにできること4つ

「子どもは親の鏡」ということを肝に命じて、松原氏が提唱する4つの行動を意識的に実践してみましょう。

1. アイコンタクトをたくさんとる

アイコンタクトは、言葉がまだ話せない小さい子にとって大切なコミュニケーションツールです。親が子どもと視線を合わせて笑うと、子どもも親を見て同じように笑います。これが、ミラーニューロンによる「共感」の芽生え。ここから、SQが高い子への道が開くのです。

2. 表情豊かに接する

親が素直な感情を表し、表情豊かに子どもに接することで、子どもは自分の言動が人に与える影響や善悪を自然と学び、社会性を身につけます。自分が「悲しい」「嬉しい」という表情をすると、相手はどんな反応をするのか、子どもは少しずつ覚えていくのです。

3. スキンシップや声かけで愛を伝え、絶対的安心感を

人と心を通わせられる人間性を身につけるためには、小さい頃のスキンシップがとても大切です。特に、不安なことや環境の変化があったとき、子どもは急に親に甘えてくることがあります。そんなときは、ハグや「大好きだよ」の声かけで、親の絶対的な愛を伝えましょう。「愛されている」という安心感は自己肯定感につながり、共感力へと発展します。

4. テレビやインターネットはほどほどに

SQを高めるには、リアルな交流に勝るものはありません。リアルな体験を通して身についた人間性のベースがあって初めて、バーチャルでの感動があるのです。アメリカ・ワシントン大学の研究では、2歳以下の子どもに教育番組を視聴させても効果がないことがわかりました。効果がないどころか、言語習得が遅れるという報告も。知育番組に頼りすぎず、リアルなコミュニケーション体験の機会をできるだけ増やしてあげましょう。

SQの能力発達には、家族構成も影響するそうです。祖父母と同居、または兄弟姉妹が多いと、人との交流が増えるため、SQは高くなる傾向にあります。ひとりっ子のお子さんの場合は、親との会話を増やす、友だちと遊ぶ時間を増やすなど、特に気をつけてあげる必要がありそうですね。

***
SQのパイオニアであるダニエル・ゴールマン氏は「暖かな社会の結びつきは人々を幸福にするはずだ」と言っています。子どもたちには家庭でも社会でも、できるだけたくさんの人との交流を通して、SQを育んでほしいですね。

(参考)
ダニエル・ゴールマン 著, 土屋京子 訳(2007),『SQ 生きかたの知能指数』, 日本経済新聞出版社.
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株式会社エム・イー・エル|EQの概念をさらに押し広げたSQ「社会性の知能指数」
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