好き嫌い……子どもの食に関するお悩みを聞くと、ほとんどの親御さんが「好き嫌い」について悩んでいることがわかります。
「嫌い」が「好き」になるのは簡単なことではありません。でも日々の暮らしの中で、嫌いな食べ物への意識を変えていくことは可能なのです。子どもの好き嫌い解消について、tokko先生こと管理栄養士の新生暁子(しんじょう・ときこ)先生に独自の視点で教えてもらいました!
ライタープロフィール
管理栄養士
管理栄養士、博士(スポーツ健康科学)。1971年、兵庫県に生まれる。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士後期課程修了。独立行政法人 国立健康・栄養研究所勤務時には、長野県佐久市で実施された大規模コホート研究「佐久肥満克服プロジェクト」に技術補助員として従事し、食事から肥満を克服するための栄養教育にあたる。2008年には高橋尚子率いる『チームQ』にて栄養・調理指導者として参加し、日米での合宿、アメリカ・コロラド州での合宿にも帯同。『チームQ』解散後は、フリーの管理栄養士としてTV、ラジオ、雑誌、Webサイトなど幅広い媒体で食事と健康に関する情報を発信している。著書には、『塩ヨーグルト健康レシピ』(アスコム)、『健康名人の炭酸水レシピ』(セブン&アイ出版)、『夢をかなえるスポーツ応援レシピ つくろう!食べよう!勝負ごはん 全3巻』(日本図書センター)、『最新版スポーツめし』(エイ出版社)などがある。
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目次
お悩み「好き嫌いをなくしてほしい」
tokko先生の答え
自我が目覚め、自分の好きなもの、嫌いなものがはっきりとしてきた時期や、食べたタイミングや、食べた料理に入っていたときの味付けの印象によって、ヒトの「好き嫌い」というのは、ある程度決定するのかもしれません。また、匂い、噛んだときの食感、舌触り、のどごしなど、味とは別の感覚もプラスされています。
しかし、「嫌い」と思ったら最後。なかなか「好き」に好転しないもの。
ご自身が小さいころは、どうだったでしょうか? また、大人になったら食べられるようになったものはありませんか?
私はもともと、好き嫌いの少ない子どもだったと思います。でもあるとき、なかなか箸が進まずに食べられなかったものがあり、両親に叱られたことがありました。その印象が強く、今も食べられないわけではありませんが、好んでは食べないものがあります。
そういった経験はありませんか?
好き嫌いの原因のひとつは、食わず嫌いではなく、経験や体験から判断されるものではないでしょうか?
では、どのようにすれば、「嫌い」が「好き」になるの?
嫌い→好きになる6つのポイント!
- なぜ嫌いなのかを聞いてみる
- どうやったら食べられるか一緒に考えてみる
- 育てられるものは、育てる(野菜など)
- 一緒に買い物に行く
- 一緒に調理をする
- 嫌いな味付けのものと、好きな味付けのものを同時に並べてみる
この写真にあるように、ハンバーグも、ホワイトソースも、ご飯やマカロニも、すべて子どもが大好きな料理ではないでしょうか? ハンバーグだけでも、グラタンやドリアだけでも、きっと、お子さんは大喜びするのではないでしょうか?
ヒトは、いつだって、好きなものを食べたいはず。それは、子どもも大人も一緒ですよね。そこに突然、嫌いなものが入っていれば、いくら子どもとはいえ、残念な気持ちになるもの。好きなものに小さくして混ぜてしまえば、食べてくれるのではないかと期待して入れると、好きなものそのものまで食べてくれない状態になってしまいます。
ですから、嫌いなものが「どうして」嫌いなのかを知る必要があるのです。
そして、その嫌いなものを「どうしたら」食べられるようになるのか、子どもと一緒に考えてみるのです。
その「どうしたら」は、きっといろいろな方法があるでしょう。上記に挙げたポイントのように、育てられる野菜なら一緒に育ててみて、大きくなる過程や、大切な命であることを理解させることも重要です。
また、スーパーや市場でどんな風に売られているかということを知るのもいいかもしれません。お惣菜コーナーなどに立ち寄って、どんなものが入っているのか観察してもいいでしょう。そして、一緒に調理をして、好きな味付けと嫌いな味付けを一緒に考えて、比較してもいいかもしれません。
こうやって経験や体験を重ねていくことで、「嫌い」が「好き」に変わっていくことが期待できます。だからこそ、根気強く付き合ってみてあげてくださいね。