教育を考える 2018.9.17

「自己肯定感の高い子どもは学力も高い」は本当? 自己肯定感アップに効果的な3つのこと。

編集部
「自己肯定感の高い子どもは学力も高い」は本当? 自己肯定感アップに効果的な3つのこと。

「自分には、良いところがある」と思っている子どもほど学力が高いという話を耳にしたことがあるでしょうか。

学力との相関関係がみられるのであれば、我が子にも「自分は頑張っている」「よくやっている」と自分自身を認められるようになってほしいと思うのが親心ですね。

親はどんな言葉をかけながら我が子をサポートすればよいのか考えてみます。

「自分には、良いところがある」と認める気持ちが「自己肯定感」

「自分には、良いところがある」と感じることを「自己肯定感」と言い、文字どおり「自己」を「肯定」することです。独立行政法人国立青少年教育振興機構のHPでは、自己肯定感について以下のように書いてあります。

自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉です。
(中略)
自己肯定感が高い子どもとは、「自分が価値のある存在である」と感じていたり、自分に自信がある子どもだといえます。その特徴としては、様々な物事に取り組む意欲が高いことがあげられます。

(引用元:国立青少年教育振興機構|自己肯定感とはなんだろう?

自己肯定感は、最近さまざまなメディアで取り上げられ、心理学や教育の専門家が注目しているキーワードです。なぜ注目されているのか。その理由は、自己肯定感が高いか低いかで、その人の人生に違いが出てしまうからです。その違いを簡単にまとめてみました。

〇自己肯定感が高い人
「能動的」「主体的」「意欲的」「他者の意見を聞ける」「他者の評価に振り回されない」「問題解決能力が高い」

●自己肯定感が低い人
「受動的」「従属的」「消極的」「否定的」「他者の意見を聞けない」「他者の評価に振り回される」「罪悪感をもちやすい」

いかがですか?
もし同じ能力を持って生まれていたとしても、自己肯定感が違うだけで全く別の人生になってしまうと思いませんか。

「自己肯定感が高い子は学力が高い」は本当か?

では次に、自己肯定感が高い子どもの学力について見てみましょう。

毎年実施されている全国学力テストにおいて、子どもたちの日頃の学習や生活の状況についての「質問紙調査」があります。そしてその中で「自己肯定感」についての意識調査が行われています。

2017年度の結果は、「自分には、よいところがあると思いますか」という質問に小学6年生の38.6%が「当てはまる」と回答。また、学力調査の平均正答率とクロス集計を行なったところ、先の質問に対して「当てはまらない」「どちらかといえば、当てはまらない」と答えた児童よりも、「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」と答えた児童の方が成績も良い傾向がみられました。自己肯定感が高いほうが、学力も高いといえるでしょう。

また、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の調査によると、以下の分析もされているようです。

成績が上昇したり、勉強が好きになったり、将来の目標がはっきりした子供は2年間の追跡調査で自己肯定感がアップしていた。東大の佐藤岩夫所長は「自己肯定感は、クラスや友達関係も重要な役割を果たし、保護者の意識や関わりも影響している」と分析している。

(引用元:教育新聞|自己肯定感は成績が左右 東大研究所の調査

自己肯定感と学力の因果関係は明らかになっていませんが、自己肯定感が高い子どもは成績がアップしやすく、成績がアップすれば自己肯定感がさらに高まるという相関関係があると考えてよさそうです。

ということは、まず子どもたちの自己肯定感を高めることが重要になってきます。

子どもの自己肯定感アップのために親ができる言葉がけ

子どもの自己肯定感は、年齢が上がるにつれ徐々に低くなっていくという傾向があります。

その理由として考えられることはさまざまですが、ひとつにはテストや受験で自分が数値化され、競争の波に乗りきれないと感じるや「自分はできない」「ダメなんだ」と思って自己肯定感が下がっていくケースが多いようです。

子どもの自己肯定感を高めるための効果的なポイントを3つご紹介します。

1. 子どもの気持ちに共感する
つい結果に対して意見してしまったり、解決策を言ってしまったりしがちですが、子どもの悔しさや悲しさをまず受け止めてあげましょう。

【NGワード】
「だからダメだって言ったじゃない」
「泣いたってどうしようもないでしょ」
「悔しいならそのとき言えばよかったじゃないの」

【自己肯定感UPワード】
「それは悲しいね」
「とても悔しかったんだね」

本人の気持ちを受け止めてあげることで、お母さん(お父さん)は私のことをわかってくれている、という気持ちになるようですよ。

2. 子どもを人と比べない
親は、「やる気を出してくれるかも?」という気持ちで声をかけているかもしれませんが、子どもは「僕は〇〇ちゃんと比べて劣っている存在なんだ」と受け取ってしまいます。

【NGワード】
「〇〇ちゃんは100点だったらしいじゃない」
「お兄ちゃんはかけっこが1番だったのに」

【自己肯定感UPワード】
「この前より10点も上がってるね」
「走るの、だいぶ速くなったんじゃない?」

本人の過去と現在を比べたコメントをすることで、「自分の頑張ったことが認められている」と子どもは感じるようです。

3. 過保護になりすぎない
服のボタン(背中側)が留められないときなど、子どもが考えて行動を起こす前に親が手を出してしまうと、子どもの成長になりません。

【NGワード】
「ママがやってあげるから」
「ほら、〇〇があったほうがいいんじゃない?」

【自己肯定感UPワード】
「どうすればいいと思う?」
「あなたはどうしたい?」

先回りした発言は、子どもの考える機会を奪ってしまうようです。自分で考えさせ、自分で決めるという習慣が自己肯定感を育てます

また、次のような言葉がけも効果的です。

「ありがとう」「助かったよ」という子どもへの感謝
「さすが」「すごい」「知らなかった」という期待を上回る驚きと承認

さらに、失敗したり自信を失ったりしているときは、「いつものあなたらしくないね」「そういうことだってあるよ」「いつもあなたのことを応援しているよ」という言葉がけも効果ありです。

無条件の愛や信頼を伝えることで、子どもは親の愛情を受け入れ安心するとともに、次は頑張ろうと再び前向きに立ち上がることができます。そして、自己肯定感のアップと学力向上につながるのです。

***
自己肯定感と学力についての関連性は、まだまだはっきりと解明されているわけではないようです。しかしながら、何らかの相関関係があるということがデータから明らかになった以上、子どもが自分自身に自信がもてるようにしてあげたいですね。

(参考)
国立青少年教育振興機構|自己肯定感とはなんだろう?
国立教育政策研究所|平成30年度全国学力・学習状況調査の結果 5.児童生徒の自己肯定感等に関する状況
キャリコネニュース|小中学生の自己肯定感が最も高いのは秋田県 全体的に上昇傾向
内閣府|特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~
首相官邸|既存の調査結果の分析からみる自己肯定感の要因分析
産経ニュース|自己肯定感 高い子は成績優秀 文科省分析
教育新聞|自己肯定感は成績が左右 東大研究所の調査
東洋経済ONLINE|子どもの自己肯定感を上げる「10の言葉」
All About|子供の自己肯定感が低い今、親はここに気をつけよう!