からだを動かす 2019.10.19

「遊んでばかりのあの子」があと伸びするのはなぜ!? 秘訣はやっぱり○○○だった

編集部
「遊んでばかりのあの子」があと伸びするのはなぜ!? 秘訣はやっぱり○○○だった

「いつも遊んでいたあの子が、○○中学校に合格!?」
「あんなにやんちゃだった××くんが、○○高校に受かったの!?」
このような驚きを経験したことがある人は多いのではないでしょうか。

じつは、小さいうちにたくさん遊んでいる子のほうが、本格的に勉強をスタートさせたときにぐんぐん伸びてくるという説があるのです。幼少期の遊びがどのように勉強につながるのか、関連性を探ってみましょう。

難関大学に合格した子は、本当にたっぷり遊んでいた

発達心理学を専門とするお茶の水女子大学の内田伸子名誉教授らの調査では、偏差値68以上の「難関」と言われる大学に合格した子のほうが、そうでない子よりも小学校入学前に「思い切り遊んでいた」ことがわかっています。

20代の社会人の子どもを持つ保護者1,000人あまりを対象に行なった調査で、「小学校入学前の子育てで意識していたこと」という問いについて「思いっきり遊ばせること」と回答したのは、偏差値68以上の大学に合格した子どもの保護者の35.8%にのぼりました。対して、そうでない子どもの保護者は23.1%に留まったのだそう。

このほかにも、難関大学へ合格した子の保護者には、以下の特徴が見られました。

  • 好きなことに集中して取り組ませることを意識した
  • 子どもの遊ばせ方には、自発性を大切にした

この調査結果から、確かに小さいうちに思いきり「遊び込んだ」子のほうが、学校の勉強もよくできると関連づけられそうです。

また、一般社団法人教育デザインラボ代表理事で都留文科大学特任教授の石田勝紀氏は、長年、自身が学習塾を経営してきた実績から、「ぐんぐん伸びる子の共通項」として次の4つを挙げています。

【ぐんぐん伸びる子の共通項】
・小学生の頃に、いわゆるガリ勉をしていない
・遊びはデジタルよりアナログが多い(デジタルな遊びもやってはいるが、中毒にまではなっていない)
・ときに自然と触れ合う遊びをしている
・習い事をしていることもあるが、やりすぎていない(数を絞り込んでいる、また、子どもの自主性を重んじている)

(引用元:東洋経済ONLINE|事実!できる子は「遊びの質」が優れている

学習塾の現場でも、たくさん遊んでいる子どものほうがぐんぐん伸びるという実感があるようです。

あと伸び遊び02

「木のおもちゃ」が知育におすすめな理由。五感を刺激し、集中力を育んでくれる!
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「遊び」は、どのような能力を高めるのか

集中力

子どもが夢中になって遊んでいるとき、私たち大人が呼びかけても返事をしないほど熱中していることがありますよね。大阪青山大学健康科学部子ども教育学科准教授の村田トオル氏によると、子どもを思いっきり遊ばせることで集中力が養われるそう。

集中力は、言わずもがな勉強のための基礎能力となります。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員の小川大介氏いわく、幼い頃に何かに熱中した経験のある子どもは、なにかをやりたいと思ったときに瞬時に動けて限界まで集中し続ける力を持っており、あと伸びするのだとか。

 

想像力・創造力・思考力

周りに遊ぶための道具がなくても、子どもたちは、木や石を食器に見立て、地面に線を引いて部屋の間仕切りを作り、ごっこ遊びを始めることがありますよね。そういった経験によって、イメージする力が訓練されて「想像力」が育ち、ゼロからものを生み出す「創造力」が育まれます。また、相手の立場になって考える「思考力」も育まれます。

東京大学の汐見稔幸名誉教授いわく、「遊びはたくらむ能力を訓練する」のだそう。何もない場所から遊びを作り出す経験は、AI技術が発達していくこれからの時代、特に必要とされている「何かを創り出す力=たくらむ力」の基礎になるのだとか。

 

協調性・交渉術・探究心

友だちと鬼ごっこやかくれんぼをしていると、人数や年齢差、遊ぶ場所の環境などに合わせて皆で相談してルールを変えたり、遊びをよりおもしろくするために新しくルールを加えたりすることがあります。前出の石田氏によると、遊びを通して、集団で遊ぶための「協調性」や、自分の考えを相手に伝えたり、時には口喧嘩をしたりする「交渉術」、遊びの水準を上げようとする「探究心」が育まれるそう。

このような能力は、文系理系を問わずどのような科目でも必要とされるもの。協調性や交渉力は勉強と関係がないようにも思えてしまいますが、ディスカッションやグループワークといった、生徒が能動的に取り組む授業(アクティブ・ラーニング)が取り入れられる新しい学習指導要領では、これらの能力も必須です。

さらに、体を動かす遊びは、遊んでいる自分、一緒に遊んでいる仲間、遊んでいる場所を立体で認識できるようになり、「空間認識力」を高めることにもつながります。これは、理数系科目やスポーツでも重要な能力です。空間認識能力を鍛える方法については、「空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!」をご覧ください。

あと伸び遊び03

あと伸びする子を育てるのは、やっぱり「外遊び」

では、子どもがあと伸びする力を育んでいくには、具体的にどのような遊びが一番良いのでしょうか? 前出の石田氏は、学びへつながる「遊び」を次の5つの要素が2つ以上組み合わさったものだと定義しています。

(1)創造的、想像的である
(2)自然と触れ合っている
(3)集団的である(通信ゲームなど、電子的ネットワークを介するものは含まない)
(4)アナログである
(5)肉体的または精神的充足感がある

(引用元:東洋経済ONLINE|事実!できる子は「遊びの質」が優れている

これらの要素を多く満たすもの、そのひとつが「外遊び」です。

ひとりで、あるいは友だちと一緒に、自然の中で体をめいっぱい使って走りまわり、ゼロからイメージのままに作り上げた世界に浸る経験が子どもの五感を刺激し、さまざまな能力アップにつながります。

しかし、外遊びを大人が強制したり、親があれこれと口出ししたりするのはNG。学習教室を手掛ける高濱正伸氏は、子どもが「強制感」を覚えたり、大人の顔色を見ながら「嫌々やる遊び」では意味がないと言います。同氏いわく、子どもが「自分から夢中になれる時間を持たせてあげる」ことが大切だそう。

また、「自然体験が子どもの発達に及ぼす影響」を研究テーマにする心理学者・石﨑一記氏も、外遊びの効果のほどは「親次第」だと述べています。子どもの遊び方に「ああしなさい」「これはダメ」と口出ししたり、子どもが「見て見て!」と誇らしげに自慢してきたときに冷めた反応をしたりしては、せっかくの外遊びの効果が損なわれてしまうそう。外遊びの際には、大人は口を挟んだり、興ざめさせるような態度をとったりすることなく、お子さんと一緒に楽しむことが大切です。

大人が干渉するのではなく、子どもが自ら夢中になれる時間を過ごせることが、あと伸びする力を育みます。特別な施設へ連れていくことでも、知育玩具を買い与えることでもなく、「自由に外遊びさせる」こそが、子どものあと伸びする力を着実に育んでくれると言っても過言ではありませんね。

***
外遊びは、子どもだけのものではありません。自然の中で体を動かして子どもと一緒に遊ぶことで、大人も心身ともにリフレッシュでき、仕事のアイデアやヒントが思いがけず頭に浮かぶこともあるようですよ。休日はぜひ、お子さんと思いっきり外で遊んでみてはいかがでしょうか。

(参考)
学研キッズネット|子どもが伸びる家庭の10の習慣 第12回 よく遊んだ子は賢くなる!? ~子どもを伸ばす遊びの力~
NHK生活情報ブログ|“遊ぶ子は賢くなる”調査まとまる
東洋経済ONLINE|事実!できる子は「遊びの質」が優れている
DIAMOND online|「あと伸びする子ども」の共通点とは? 親は勉強だけをさせてはいけない!
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こどもまなびラボ|「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」
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こどもまなびラボ|夢中で遊ぶから「学びスイッチ」がONになる! あと伸びする子の徹底的な遊び方
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