教育を考える 2019.1.2

小学生のお年玉の相場、気になる1年生の平均金額は17,480円。3万円以上もらう子は25%も!

編集部
小学生のお年玉の相場、気になる1年生の平均金額は17,480円。3万円以上もらう子は25%も!

「お年玉」といえば、子どもたちのお正月のメインイベント。それと同時に、親御さんたちにとっては大きな悩みの種と言って間違いないでしょう。なぜなら、我が子が大金を手にする機会だから。「子どもがもらったお年玉、どう扱えばいいの……」と戸惑ってしまいませんか?

子どもたちが手にするお年玉の金額の相場はどのぐらいなのか、調べてみました。そして、子どもにとってタメになる有意義なお年玉の使い方を解説していきます。

小学生のお年玉金額の相場は?

学研教育総合研究所の「小学生白書Web版 2017年8月調査」によると、2017年のお正月にもらったお年玉総額の平均は、小学校1年生で17,480円。2年前の15,670円に比べ1,810円も増えていました。この3年間の金額の増加傾向は、2年生以上の学年においても同様に見られます。

そして、見逃せないのが、3万円以上の高額のお年玉をもらっている1年生が25%もいる、ということ。「○○くんは、5万円ももらったんだって! ぼくよりすごく多くてうらやましい!」なんて話も、そう珍しくはないのです。

ちなみに、2年生以上がもらったお年玉金額の平均は、2年生:17,585円、3年生:19,362円、4年生:19,007円、5年生:21,482円、6年生:21,400円です。ざっと、小学生のお年玉の相場は、低学年が1万円台後半、中学年が約2万円、高学年だと2万円台前半、といったところでしょう。

お子さんが今はまだ低学年でも、学年が上がれば上がるほど、お年玉でもらう金額は増えていきます。親としては、子どものお年玉事情からは今後も目が離せませんね。

お年玉の使い道は?

さて、子どもたちはこんなにも多額のお年玉を、どのように使っているのでしょう。さきほどの調査から、今度は「2017年にもらったお年玉の使い道」を見ていきます。

どの学年においても、使い道の1位は「貯金」。その割合は各学年とも80%以上で、他の使い道を圧倒しています。

そして2位以降の、実際にお金を消費する場合の使い道を見てみると、1・2年生で最も多いのは「おもちゃ」で約35%。それに続くのは「ゲーム機・ゲームソフト」「本・雑誌」「お菓子などの食べ物」「文房具」で、それぞれ10%前後でした。

また、学年が上になるほど「おもちゃ」を買う子どもは減り、「ゲーム機・ゲームソフト」「本・雑誌」を買う子どもの割合が増えます。子どもの興味関心の移り変わりがお年玉の使い道にも如実に表れていて、興味深いデータです。子どもたちが、お年玉を使って大好きなものを嬉しそうに買う姿が、目に浮かびますね。

お年玉は誰が管理している?

ここまで見てきたように、多額かつさまざまな使い道があるのがお年玉。子どものいる家庭では、このお年玉を誰が主導して管理しているのでしょう。

住信SBIネット銀行の調査(2017年)によると、子どものお年玉を「親がすべて管理」すると答えた人の割合は、子どもが5歳以下の場合で92.6%であったのに対し、子どもが6歳以上11歳以下の場合だと64.7%。未就学児のお年玉を親がすべて管理するのは自然なことですが、小学生になると親がすべて管理するケースは減り、代わりに「親と子どもでそれぞれ管理」が増えて23.5%という結果でした。

お年玉の管理の方法として一般的なのが、「子ども専用の口座で貯蓄する」というもの。調査会社のDIMSDRIVEのアンケート(2014年)で、未就学児~小学生の子どもがいる人のおよそ65%が、お年玉は子ども専用の口座に貯めていると答えていました。子どもが自由に使っていい分を渡し、残りを子ども専用の口座に入金する、というやり方をしている家庭もあるようです。

今はまだお子さんのお年玉を親が全部預かっているというご家庭も、小学校入学を境目に、「親子で一緒に管理する」方法へとシフトしてもいいのかもしれません。

お年玉は「お金教育」の絶好のチャンス

お年玉を子どもにもある程度管理させることは、「お金教育」という観点からも大いに勧められるべきことです。

お金教育とは、「お金とは何か」「お金の大切さ」「お金の使い方」などについて子どもに教えること。「「お金教育」は幼少期から。お金の大切さを知るための、最初の4ステップ」でもご紹介している通り、正しい金銭感覚を養ったり、数・計算の概念を身につけたり、欲求をコントロールする力を養うためには、幼少期のうちからお金教育を始めておくことが重要です。

多くのお金教育のプロたちが、お年玉はお金教育の絶好のチャンスだと断言しています。その一人として、子どもに金銭教育の機会を提供するNPO法人金融知力普及協会事務局長の鈴木達郎氏は、次のように言います。

(お年玉を)親が全額管理することは絶対にやってはいけない
(中略)
お金のやりくりは学校では身につかない。家庭でしか覚えられないのに、その機会を奪うことになる

(引用元:日本経済新聞|お年玉で育てる 「使い上手・ため上手」な子)カッコ内は編集部にて補った

学校教育のなかで、お金の大切さや計画的な使い方について学ぶのは、小学校5・6年生の家庭科。それ以外に学校でお金について学ぶ機会があったとしても、とても「金銭感覚を養う」のにじゅうぶんとまでは言えません。お金教育は、家庭での取り組みこそが大切なのです。

子どもが、お年玉としてまとまったお金を手にするお正月は、お金教育・金銭教育をはじめるのにもってこいの時期。親が丸ごと預かってしまうのは、とてももったいないことだと言えるでしょう。

プロが勧める! お年玉の有意義な使い方

ではここからは、お年玉を活用したお金教育の方法を具体的にご紹介しましょう。

1. 「お年玉管理ノート」を作る

上述の鈴木氏によると、お年玉と一緒に子どもにおこづかい帳」や「おこづかい袋などを渡すと良いのだそう。また、教育評論家の親野智可等氏も、お年玉を上手に管理するためにお年玉専用ノートを用意することを勧めています。

誰からいくらお年玉をもらったのか、そのお年玉のうちいくらをどうやって使うのか。これを親子で確認しながらノートに書き出すことが、お年玉を有意義に使うための第一歩です。

2. お年玉の管理は「2本立て」が基本

お年玉の総額をはっきりさせたら、その使い道を考えます。考え方の基本は2本立て。すなわち「使うお金」と「貯めるお金」です。「現金」と「預金」と言い換えてもいいでしょう。お年玉のうち、いくらを「使うお金」にし、いくらを「貯めるお金」にするのか、親子で話し合ってください。

ファイナンシャルプランナーで、子どものお金教育に関する執筆・講演活動などを多数行なうあんびるえつこ氏は、この2本立てを「短期運用」と「長期運用」という言葉で説明しています。短期運用の使い道はお菓子や日用品などを買うこと。対する長期運用は、将来の夢のためにお金を使うことです。あんびる氏は長期運用の考え方を次のようにアドバイスしています。長期運用といってもこれなら難しくありませんね。

長期運用のお金は、使い道を親子で話し合いましょう。小学校就学前ならランドセルや入学式に着る服、小学生なら自転車やスポーツ用品、夏休みのキャンプ費用など……ある程度高額なものにします。
● 何のためにいつごろ使うか
● そのためにいくらぐらい必要か

といった目標を定めることが大切です。

(引用元:ベネッセ教育情報サイト|まとまったお金の貯め方、使い方を教えるチャンス! お年玉、親の上手な関わり方[現代っ子のお金学]

3. 発展編の「3本立て」もおすすめ

「2本立て」を発展させた3本立てで、お年玉の使い道を考えるというやり方もあります。そのひとつが、子どものお金教育などに取り組む千葉商科大学教授・伊藤宏一氏が提唱するSOSです。

SOSとは、Saving(貯金)、Offering(寄付・人のために使うお金)、Spending(買い物)の頭文字。SavingとSpendingは先ほど見た2本立てと同じで、これにOfferingが加わった形です。

子どもがクリスマスプレゼントやお年玉をもらって嬉しかったように、自分も誰かを嬉しい気持ちにさせられるようなプレゼントを考える機会を設けてみてはいかがでしょう。「おばあちゃんへのプレゼント用に○○円とっておこうか」などと提案するといいですね。

また、困っている人のために寄付することも一案です。もちろん子どもですから、使えるのは些細な金額。ですが、お正月は「誰かのために」お金を使うことの意義を教える良い機会でもあるのです。

4. 気を付けるべきこと

お年玉の使い道を決めたあとで気をつけたいことを、いくつか紹介します。

「無駄遣い」だと決めつけない

貯金などを除き子どもの手元に残ったお金を、実際子どもが使うようになったら、親は時折収支をチェックしてあげましょう。ここで注意すべきなのは、子どものお金の使い方を「無駄遣い」だと決めつけないこと。親にとっては無駄でも子どもにとっては必要なものもあるからです。さらに、失敗から学ぶことも重要なこと。NPO法人おかねの楽校理事長・安江巧氏は、次のように言います。

「失敗も大事な経験。買い物をする際、『本当に欲しいのか、必要なものなのか』と考えるようになる」

(引用元:産経ニュース|お年玉で始める金銭教育 使い道は親子で話し合って

経験からお金の使い方を学ばせるには、おこづかい帳に「買ってよかったもの:○」「買わなければよかったもの:×」「わからない:?や△」をつけさせ、自己評価を記録させると良いでしょう。お金の使い方の良いトレーニングになります。

預金する際は、子どもと一緒に銀行へ

貯金する分として取り分けた金額を口座に入金する場合は、ぜひ子どもと一緒にATMや窓口へ行きましょう。その意義を、親野氏が次のように説明しています。

窓口の人に自分でお金を渡して、通帳も自分で受け取ります。ATMに入れる場合も、子ども自身の手で機械の中にお金を入れるなど自分で操作させるようにします。
これによって、子どもはお金を預けるということの意味をよく理解するのです。これらをすべて親の手で済ましてしまい、帰宅してから子どもに「預けておいたよ」と言っても子どもにはその意味がよくわかりません。

(引用元:ベネッセ教育情報サイト|子どものためになるお年玉の扱い方とは?[教えて!親野先生]

こうすれば、子どもはお金を預けることの意味を知るだけでなく、お金が貯まっていくことの喜びも味わうことができます。

お年玉をくれた人へにお礼を伝える

子どもに、お年玉をくれた人へ手紙を書かせるのもおすすめです。お礼の気持ちとともに「貯金したよ」「○○を買ったよ」などと使い道を伝えさせましょう。感謝の気持ちを思い出させるだけでなく、「パーっと使ってしまってはいけないな」という意識を持たせるきっかけになります。お年玉をくれたおじいちゃん・おばあちゃんも、きっと喜ぶはずですよ。

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「何となく、子どもに使わせるのは怖い」「お年玉はとりあえず預かっておこう」。これまでそう思っていた親御さんも、今年のお年玉は子どもと一緒に使い道を考えてみましょう。子どもの「お金を使う力」を養う機会として、お年玉をぜひ活用してみてはいかがですか。

(参考)
学研教育総合研究所|小学生白書 Web版 2017年8月調査 4.日常生活について お年玉(金額・使い道)
SBIホールディングス|~お年玉に関する意識調査~お年玉の平均支出予定総額は25,899円 前年調査よりも減少傾向
DIMSDRIVE|「お年玉」に関するアンケート2014
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「お金教育」は幼少期から。お金の大切さを知るための、最初の4ステップ
日本経済新聞|お年玉で育てる 「使い上手・ため上手」な子
ベネッセ教育情報サイト|子どものためになるお年玉の扱い方とは?[教えて!親野先生]
ベネッセ教育情報サイト|まとまったお金の貯め方、使い方を教えるチャンス! お年玉、親の上手な関わり方[現代っ子のお金学]
日本経済新聞|お年玉、おもちゃに消える前に 親が教えたいこと
さぽナビ|<特集>子どもに伝えたいお金のこと (2)