人に何かを頼むという行為は、日常的に行われていますね。
- ~してくれる?
- ~してくださいませんか?
- すみませんが、……。
- ちょっとお願いがあるのですが、……。
このように、何かを頼む際の表現には、慣用化されたものが多くあります。決まりきったフレーズなので、一度覚えてしまえばすぐに使えて便利なものばかりです。
この中から実際にどんな表現を選ぶかは、依頼の内容や、頼む側と頼まれる側の人間関係によります。例えば、学校で生徒が先生に対して使う言葉と、家庭でお母さんが子どもに対して使う言葉は、大きく異なるでしょう。
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何かを頼むときは、言語を問わず自然に丁寧になるものですね。英語でも、依頼表現は基本的に丁寧ですが、丁寧さの度合いには違いがあります。そして、どの表現を選ぶかは、相手とどれくらい親しいかをはじめとした、社会的な距離関係などが関係します。
そこで、英語で何かを依頼するときに使える代表的な表現を、丁寧さのレベル別に、まとめてご紹介しましょう。先生にお願いをするとき、親子の間で頼み事をするときに、ぜひ使ってみてください。
学校の授業や留学先ではもちろんのこと、家庭内でも日常のことを英語で話す工夫をすることで、英語が身近な言葉に感じられるはずです。
1. 前置き表現「ちょっとお願いがあるのですが」
日本語でも依頼する前には「すみませんが」「ちょっとお願いがあるのですが」のような言葉から始めますね。同じことが英語でも言えます。
- Excuse me, ….
- Can I ask you a favor?
- If it’s not too much trouble, ….
このような一言を付け加えるだけで、聞き手も心の準備ができますね。
2. 依頼する「してくれない?」
遠まわしの表現は、丁寧さも高くなります。
丁寧度の高い表現
- I was wondering if it would be possible for you to ….
- Would it be possible for you to …?
- Do you think you could possibly …?
- Could you (please) …?
- Would you mind …?
例えば1のフレーズは、過去形で、さらに進行形が使われ、「~はどうかと考えていたところです」という意味合いになります。間接的なぶん、とても丁寧な表現です。
カジュアル且つ丁寧な表現
- Can you …, please?
- Please ….
- Do …, will you?
親しい間柄で「ちょっと……してほしい」という感じであれば、1のフレーズがぴったりです。
夫婦間で「ちょっと……して」とお願いしたいときは、3も使えます。命令文のままだとぶっきらぼうですが、“please” や “will you” を付けることで、「お願い」という気持ちを伝えることができます。
一番よく使われる英語の依頼表現は?
相手の意向を尋ねるというのが依頼ですから、疑問文の形のものがほとんどです。その中でも、一番よく使われるのが④のこちらのフレーズです。
- Could you please …?
- Could you …, please?
このように動詞の前や文末に “please” を付け足すことで、さらに丁寧な気持ちを付け加えることができます。
3. 依頼に応じる「もちろん!」
依頼に「いいですよ」と応じるときは、なんと言えばいいでしょうか。
- Sure.
- Of course.
- Certainly.
- No problem.
短く、すっきりしたフレーズが多いので、お子さんでもマスターしやすいでしょう。
4. 依頼を断る「ごめんなさい」
依頼を断るときは、以下のような言葉から始めます。
- Sorry.
- Well, I don’t think so.
- Sorry, but I can’t do it.
さらに、断るときに多いのが、理由を付け加えること。“Sorry, but I’m busy right now.”(今忙しいからごめんね)のように、「なぜできないか」の理由とセットで答えられるといいですね。
5. 条件をつける「……ならいいけど」
時には「~ならいいですよ」と条件付で応じることもありますね。
- Sure, as long as ….
- OK, but only if ….
- Certainly, but ….
「車を貸してもらえない?」という息子に対して「5時までに返してくれればいいよ」、「スマートフォンを貸して」という娘に対して「落とさないならね」というように、条件付きで応じるのは日常的な光景です。
英語で「お願い♪」の練習をしてみよう!
最後に、実際に依頼の英語表現を使う練習をしてみましょう。
家庭では、掃除やゴミ出しなど、家事を頼む場面がよくありますね。そんなときに便利な表現はこちら。
- clean the kitchen(台所をきれいにする)
- vacuum the carpet(カーペットに掃除機をかける)
- air out the room(部屋を換気する)
- get rid of the mold(カビを取る)
- pick up the trash(ゴミを拾う)
- empty the wastebasket(ゴミ箱を空にする)
これらのフレーズを使って、掃除のお願いをしてみましょう。その際、この3ステップで話すと良いでしょう。
- 前置き
- 依頼
- 理由・状況説明
例えば、このようにお願いしてみると自然です。
- ちょっとお願いがあるんだけど。
- 部屋の喚起をしてもらってもいい?
- いま朝食を作っていて手が離せないから。
(Can I ask you a favor?)
(Would you mind airing out the room?)
(I’m busy making breakfast.)
このように、さまざまな慣用表現を使って、依頼表現を作ってみてください。
日常の英語化によって、英語に親近感が生まれるはずです。続けていけば、効果も期待できるでしょう。