あたまを使う/英語 2018.5.14

イラスト付きで楽しむ「英語の指遊び歌」と教科書で頻出の「なぞなぞ歌」。マザーグース童謡は子どもの英語教材として最適!

安藤幸江
イラスト付きで楽しむ「英語の指遊び歌」と教科書で頻出の「なぞなぞ歌」。マザーグース童謡は子どもの英語教材として最適!

皆さんは、お子さんと一緒にこんな童謡を歌ったことはありますか?

桃太郎さん 桃太郎さん
お腰につけた きび団子
一つわたしに 下さいな

日本では誰もが知っているといっても過言ではないほど、有名な歌ですね。実は、英語圏においてマザーグースはこれと同じくらい、広く知られている存在です。

今回は、そんなマザーグース童謡の特徴と実際の遊び方、そして教育効果の高め方をご紹介します。

その数、約1000個? 歌の数も種類も多いマザーグース童謡

マザーグース童謡の特徴は、歌の種類が多く、歌の数も多いこと。何百年も昔から、多くの子どもたちや大人たちによって、大切に歌い継がれてきたので、歌の種類も数も増えました。

その数、全部で800 から1,000 あると言われています。歌の種類には、例えばこのようなものがあります。

  • 赤ちゃんや子どもをあやす歌
  • 足の指を一本ずつ指して歌う「指遊び歌」
  • 「せっせっせーのよいよいよい」のような「手遊び歌」
  • 「通りゃんせ」のような何人かで遊ぶ歌
  • 「アルファベットの歌」や「数を数える歌」など学びの要素の入った歌
  • 子どもたちに考えさせる「なぞなぞ歌」
  • 間違いなく早く言う訓練になる「早口言葉」
  • 大きな社会的出来事を歌った歌
  • 王侯貴族や権力者をからかう歌
  • 鳥や動物の歌

 
赤ちゃんからお年寄りまで、老若男女を問わず、さまざまな人たち、そして生き物たちが歌の対象となりました。

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マザーグース童謡は子どもの英語教材として最適!

英語を話す国々の大勢の子どもたちや大人たちによって、長い間愛され、歌われてきたマザーグース童謡は、わたしたち日本人にとっても、とても良い英語の教材になります。

日本人の赤ちゃんは、言葉をまだ話せないうちから、親や家族などから日本語で話しかけられ、歌を歌ってもらって、それらを記憶して、やがて日本語を話せるようになります。

これと同じことが、英語についても言えます。まだ日本語を話せない、2歳にもならない日本人の幼児に、英語で「指遊び歌」を歌ってやると、「また、歌ってくれ」と動作で催促します。

赤ちゃんや幼児は、自分では口で表現できませんが、親や家族の歌う言葉やリズムはちゃんと記憶しています。それが積み重なってやがて、日本人でありながら幼児でも、英語で歌えるようになります。

マザーグース童謡は、それぞれの年齢に応じた、また、目的に応じた歌がたくさんありますので、英語を学ぶ教材としては、最適です。

幼い子どもでも楽しめるマザーグース童謡とその遊び方

指遊び歌

This little piggy
This little piggy went to market,
This little piggy stayed at home,
This little piggy had roast beef,
This little piggy had none,
This little piggy cried, Wee-wee- wee,
I can’t find my way home.

1行ずつ歌いながら、親指から小指まで、幼児の足の指を1本ずつ指していきます。そして最後の行では、幼児の足の裏をこちょこちょします。幼児がとても喜ぶ指遊び歌です。

このちいさいコブタは マーケットに いきました
このちいさいコブタは いえに いました
このちいさいコブタは ローストビーフを もらいました
このちいさいコブタは なにも もらえませんでした
このちいさいコブタは ウェーン ウェーン ウェーンと なきました
かえる みちが わからないよ。

This little piggy went to market,

This little piggy stayed at home,

This little piggy had roast beef,

This little piggy had none,

This little piggy cried, Wee-wee-wee,

I can't find way home.

なぞなぞ歌

Humpty Dumpty sat on a wall,
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king’s horses and all the king’s men
Couldn’t put Humpty together again.

よく学校の英語の教科書にも載っている、この歌。「壊れて、元にもどらないものは何か?」というなぞなぞ歌です。

ハンプティ・ダンプティは へいのうえに すわった
ハンプティ・ダンプティは どしんと おちた
すべてのおおさまのきへいも すべてのおおさまのほへいも
ハンプティを もとに もどせなかった。

なぞなぞの答えは「卵」になります。こんな卵の姿のキャラクター、どこかで見たことありませんか?

ハンプティ・ダンプティ

幼少期から親子でハンプティ・ダンプティの歌に親しんでおくと、中学校や高校の英語の授業でこの歌が取り上げられたときに、「この歌、知ってる!」とお子さんの自信につながることでしょう。

実はこの歌には、古いバージョンもありますが、そこには王様は出てきません。古いバージョンの歌はとても有名で、おなじみの絵本、ピーターラビットの『リスのナトキンのお話』にも少しアレンジされて登場します。そこでの歌を、日本語で紹介しましょう。

ハンプティ・ダンプティが 小川で寝ている
白いベッドカバーを 首にまいて
40人の医者も 40人の大工も
ハンプティ・ダンプティを 元にもどせない。

このように、ピーターラビットをはじめとした絵本作品、ドリトル先生などの児童文学作品にも登場する歌なのです。お子さんが読み聞かせや読書を楽しむ上で、大いに役に立つ知識だと言えるでしょう。

また、この歌の「王様」のモデルは、15世紀のイギリスの王様、リチャード三世だとされています。彼は王位継承権のある人たちを暗殺し、王位に着きました。しかし悪事には勝てず、フランスから呼ばれた、後のヘンリー七世に敗けてしまいました。

お子さんが将来教養ある英語を学ぶ上で重要な、シェイクスピア作品にも『リチャード三世』というお芝居があります。このように、世界史や歴史を元にした文学作品と、関連づけることができる歌でもあるのです。「知の融合」を目指し、ぜひ様々な観点からお子さんと楽しんでみてくださいね。

最後に、愉快な児童向けバージョンをご紹介しましょう。

ハンプティ・ダンプティは スプーンに すわった
ハンプティは すぐに エッグカップに 入るだろう。
すると のりや 接着剤を みんな使っても
ハンプティは 新品には 見えないだろう。

有名な歌だからこそ、イギリス各地でもアメリカでも、さまざまな替え歌がたくさん生まれています。まずは日本語で違いを楽しみながら、英語でもお子さんと歌ってみてくださいね。