教育を考える 2018.8.18

崩れた生活リズムのリセット法【小学生 夏休みの宿題バッチリ大作戦! 第7回】

編集部
崩れた生活リズムのリセット法【小学生 夏休みの宿題バッチリ大作戦! 第7回】

お盆が過ぎ8月も後半に入ると、夏休みの終わりが見えてきます。規則正しく生活するつもりだったけど、やっぱり生活リズムが乱れてしまった、という子どもたちは多いのではないでしょうか?

生活リズムが崩れたまま夏休みを終えてしまうと、2学期のスタートで子どもは大変な思いをすることになります。このコラムでは、夏休みで崩れてしまった生活リズムの取り戻し方についてお伝えします。

「夏休み中の生活の乱れ」に多くの家庭が直面

小学生がいる家庭に、子どもの夏休みに困ったことを尋ねたアンケートがあります(2015年4~5月、Z会が小学生コースの受講者を対象に実施)。その調査では、全体の35%近くが「生活習慣が乱れること」と回答し、困りごとのトップに。子どもの生活リズムの乱れは、小学生の子を持つ多くの親にとって悩みの種だということが分かります。

生活リズムの乱れとして多くの家庭で直面する、夜更かし・朝寝坊。休み中は気が緩み、早寝早起きの習慣が遠のいてしまうものですよね。翌日学校に行かなくてもいいとなると、夜遅くまでテレビを見たりゲームをしたりしてしまう子どももいるでしょう。また、イベントや外出が続いて疲れがたまり、朝なかなか起きられない、という子どもも少なくないはず。そんな生活リズムの乱れを、「休みだしいいか……」とつい大目に見てしまう親もいるかもしれませんね。

夏休み最後の1週間で生活リズムを立て直そう

このような生活リズムの乱れは、放っておくとあとが大変です。夏休みの間のゆるいリズムのまま2学期を迎えてしまうと、以下のようなことになりかねません。

・子どもが朝なかなか起きられず、不機嫌に。朝の支度がはかどらず、親子でイライラ……。
・寝不足の状態で登校してしまうため、眠くて授業に集中できなくなる。
・学校で1日過ごすことで疲れやすくなり、放課後の宿題に手が回らなかったり、体調不良になったりする。

ですから、乱れてしまった生活リズムは、夏休みが明けるまでに元のリズムに戻しておくことが大切です。そのために複数の専門家らが勧めるのが、「夏休みの最後の1週間を、2学期を迎える準備期間」とすること。この1週間のうちに、学校に通うことを想定した生活リズムに子どもの身体を慣れさせてあげてください。

乱れた生活リズムの取り戻し方

夏休み最後の1週間は、睡眠習慣を中心に子どもの生活リズムを整えてあげましょう。そのためには家族の協力も大切です。ここで紹介するポイントを、家族皆で意識するようにしてみてください。

就寝、起床時間の再設定
子どもの成長発達や生活習慣について研究する鈴木みゆき氏(元和洋女子大学教授、現国立青少年教育振興機構理事長)は、新学期前の1週間を「リセットウィーク」と呼び、夜更かし・朝寝坊の習慣を改めることを勧めています。例えば以下のようにして、早寝早起きを再度習慣にしましょう。

朝は登校時間に合わせて起き、朝ごはんを家族一緒に食べる。午前中は勉強や読書。日中は、外遊びや運動、掃除などの手伝いをして、体を動かす。夕食やお風呂も早めにすます。夜9時や10時など就寝時刻を決め、毎晩同じ時刻に布団に入るようにする。

(引用元:ヨミドクター|夏休み乱れたリズムをリセット

朝に日光を浴びる
夏休み中に朝寝坊が癖になり朝なかなか起きられなくなってしまった子どもには、起床後に朝日を浴びさせて、早起きに慣れさせてあげましょう。

朝日が必要なのは、体内時計をリセットするため。人間の体内時計は24時間より少し長い周期で刻まれていると言われています。体内時計の働きは脳にある視交叉上核という部分によるもので、朝日によってこの部分が刺激されると体内時計がリセットされるようになっているのです。朝日によって、体内時計と本来の時計とのずれを解消しているというわけです。

朝寝坊が続いてしまうと、そのずれが解消されず、体内時計が狂い生活リズムが崩れたままになります。体内時計がリセットされないまま新学期を迎えてしまうと、時差ぼけのような状態になって体調不良にもなりかねません。

ですから、朝起きたらカーテンを開け、子どもが朝日を浴びられるようにしてください。親子で一緒に庭やベランダに出てもいいですね。朝の散歩もおすすめです。真夏だと暑くて日中はとても散歩どころではありませんから、朝の涼しいうちに散歩に出かけるのです。散歩なら、目が覚めるうえに楽しむこともできて、一石二鳥ですよね。

前日の夜に翌日の準備を
夏休み中は学校に行く必要がなく、朝起きてからゆっくり身支度をしても問題ないのですが、新学期が始まるとそうはいきません。ただでさえ朝はバタバタするものなのに、久しぶりの登校となれば余計に慌ててしまう可能性も。

そこで、夏休み最後の1週間を使って、翌朝の準備を習慣化しておきましょう。持ち物や着る服を前の晩に準備しておく習慣をつけるのです。そうすれば、朝になって焦る必要がなくなり、落ち着いて身支度ができるはず。2学期の初日から毎朝スムーズに登校準備ができるようになりますよ。

翌日の準備を整えて、決まった時間に寝て、決まった時間に起きる。これらをセットにして習慣づけ、生活リズムを整えていきましょう。

宿題が全部終わったら、どう勉強させるとよいか

夏休み終盤の時期には、宿題が全部終わった! という感心なお子さんもいることでしょう。ですが、「宿題は終わったのだから、あとは勉強させなくてもいい」と考えるのはもったいないもの。宿題が終わって余裕のある子どもには、ぜひ2学期に向けて学力アップにつながる勉強をさせてあげましょう。

復習の強化
苦手な分野がある場合は、その分野に重点的に取り組めるドリルをやらせてあげるとよいでしょう。ポイントは、なるべく薄いドリルを選ぶということ。学力向上のためだからと言って、決して分厚いドリルを与える必要はありません。なぜなら、少ない分量でも何度も繰り返すことで知識が定着する、というのがドリルの大きな特徴だから。

1学期の学習の様子や夏休みの宿題を通して、子どもがつまづきやすい部分に気が付いたら、弱点を克服できるような薄いドリルを入手して、何度も繰り返し取り組ませるようにしましょう。

2学期の予習
百ます計算などで知られる教育者の陰山英男先生は、著書の中で次のように述べています。

教科書は、ゴールデンウィーク中、夏休み中、冬休み中に次の学期の部分を全部読んでおくことをおすすめします。自分がどういうことを習うのかということを、だいたいわかっているだけでも、学習効果がまったく違ってくるからです。
もちろん、習っていない部分を読むのですから、すべて理解する必要などありません。わからなくてもいいんです。今後何を学ぶのかというアウトラインをつかんでおくために、教科書を読むのです。

(引用元:陰山英男著,和田秀樹著(2006),『学力をつける100のメソッド』,PHP研究所.)

宿題も終わって、復習もばっちりな子どもには、このようにして2学期の予習をさせてみましょう。また陰山先生は、親の側に余裕があれば、今後習う予定の漢字や計算を先取りして教えてあげるのもいいと言います。ただし、あれもこれもと手を出すとどれも中途半端になってしまう可能性がありますから、「一つ何かを加えるだけ」にしておきましょう。

***
夏休み最後の1週間は、親子ともまだまだ夏休みを満喫していたいところかもしれません。ですが、子どもが2学期の学校生活にスムーズに入れるようにするには、生活リズムを早めにリセットすることが肝心。そのうえで、残りの夏休みを思う存分楽しませてあげましょう。

■ 小学生 夏休みの宿題バッチリ大作戦! コラム一覧
第1回:夏休みの宿題を早めに終わらせる方法とは?
第2回:夏休みの生活リズムの整え方
第3回:夏休みの宿題がサクサク進む計画表の作り方
第4回:子どものやる気、どう維持する?
第5回:宿題をする子どもに、親はどんな言葉をかけるべき?
第6回:宿題が終わらない! 遅れた宿題の挽回法とは
第7回:崩れた生活リズムのリセット法

(参考)
さぽナビ|夏休み、どう過ごす? (1)
進研ゼミ保護者通信|2学期好スタートわが家の工夫
ベネッセ教育情報サイト|夏休み後半を有意義に過ごす方法
東京都教育委員会|教えて、先生! No.014休日の生活リズムは大目に見てもいい?
東京都教育委員会|早起き・早寝が大切なわけ
ヨミドクター|夏休み乱れたリズムをリセット
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|学力低下を招く「睡眠不足」を改善しよう! 子どもがスッキリ起きられるポイント7つ
NIKKEI STYLE|1日を決めるのは朝 子どもの「起床時間」を整える
学研キッズネット|夏休み特別編 その2 夏休みの宿題を計画通りに進めさせたい!
中学受験ナビ|小学生用ドリルをうまく使ってお子さんの成績アップ! ドリル活用法を伝授
陰山英男著,和田秀樹著(2006),『学力をつける100のメソッド』,PHP研究所.