教育を考える 2018.8.13

宿題が終わらない! 遅れた宿題の挽回法とは【小学生 夏休みの宿題バッチリ大作戦! 第6回】

編集部
宿題が終わらない! 遅れた宿題の挽回法とは【小学生 夏休みの宿題バッチリ大作戦! 第6回】

夏休みも中盤を過ぎると、気になってくるのが、宿題の進み具合。

計画はきちんと立てた。ちゃんと頑張るって決めた。それなのに……あれ、あんまり進んでない! と、夏休み後半になってやっと宿題に本腰を入れるお子さんもいるかもしれませんね。皆さんのご家庭ではいかがでしょうか。

なかなかやる気が出なかったり、思いのほか外出が続いてしまったり、親が忙しくて子どもの宿題を毎日チェックしてあげられなかったり……。そんな、夏休みの宿題が遅れ気味になってしまったときの挽回法を解説します。

1. ドリル系は、効率アップで挽回を

ドリル・プリント系の宿題が進んでいない場合は、取り組み方を工夫して効率アップを狙いましょう。

・制限時間を設ける
計算問題のようにスピードが求められる宿題の場合は、制限時間を設けてみてください。「1ページを○分で」と時間を決めて取り組むと、解いている途中にダラダラしてしまうことがなくなり、効率よく宿題を進められます。子どものレベルに合わせ、「ちょっと頑張ればクリアできそう」な制限時間を親が提案してあげましょう。

脳科学者の茂木健一郎氏によると、脳の働きを高めるために制限時間を設けることは有効なのだそう。子どもが制限時間内に問題を解き終えることができれば、それは成功体験となります。制限時間という負荷をかけた分、喜びはひとしお。その時、脳では快感を生み出す神経伝達物質のドーパミンが分泌されます。するとその快感をまた得たくなり、さらに頑張ろうと思えるようになるのです。

ただし、ひらがなや漢字の書き取りのように、丁寧に取り組むべき宿題には、制限時間は設けないほうが良いでしょう。文字が雑になってしまいます。

・分からない問題は飛ばす
机には向かっているのに宿題が進まないのは、分からなくてやる気を失っているからかもしれません。そんなお子さんには、「分からないなら飛ばして次の問題を解いてごらん」とアドバイスしてみてください。難関中学・高校受験指導を長年手がける西村則康氏も、問題を取捨選択しながら進めていくことは、勉強の効率アップにつながると言います。

例えば30秒考えて分からなければ、次へ。飛ばしてしまった問題は、後でもう一度解かせてみましょう。最初は解けなかった問題も、時間を空けるとすんなり解けることもあります。それでも解けなければ、親が一緒になって考えてあげてください。

2. やる気アップ法にひと工夫

子どものやる気を駆り立てるための方法をほんの少しだけバージョンアップして、宿題を前へ前へと進めましょう。

・ごほうびシールを増やす
第4回でお伝えしたように、やる気アップのためには、勉強を楽しめるような工夫が大切。その一つとして、頑張った分のご褒美をあげるのは有効な方法です。子どもが実際に喜ぶもの(アイスを食べる、プールに行く、など)のほか、シールやスタンプなどがご褒美になります。

宿題が遅れ気味の時には、そのご褒美を少しだけ奮発してあげましょう。例えば、本当なら「1ページ進んだらシール1枚」のところ、「丁寧に書けたから or 速く終わったから、シール2枚にしてあげる」といったように、子どもが頑張ったことを具体的に評価したうえで、ご褒美をバージョンアップするのです。子どものやる気アップにつながり、宿題がスピードアップするでしょう。

・「見ていてあげるから一緒に勉強しようよ」と誘う
特に低学年の子どもに「宿題終わってないんだから勉強しなさい」と言ったとしても、1人だけで宿題をスムーズに進めさせるのは難しいものです。宿題の進みが悪い時のように、子どもにとって困難な状況ならなおのこと。そこで実践したいのが、子どもに寄り添って勉強を見てあげることです。

教育者として有名な陰山英男先生は、著書の中で次のように言っています。

「勉強しようよ。見てあげる」と言って、いっしょに勉強する形をとるほうがよいと思います。親子の一体感が重要で、一体感がないときに子どもに強制してもまずやらないでしょう。

(引用元:陰山英男著,和田秀樹著(2006),『学力をつける100のメソッド』,PHP研究所.)

つきっきりで見てあげるなんて忙しくて無理、と思う親御さんもいるかもしれません。その場合は、仕事やご自身の勉強など、子どもの隣で別のことをしてもいいので、一緒に机に向かいましょう。お父さんやお母さんがすぐ隣にいるだけでも、子どもはやる気になれるはず。時々は、自分の手を休めて、お子さんの宿題がスムーズに進むよう見てあげてくださいね。

3. 大物系の宿題は「最短1日で」

作文や自由研究、自由工作などは、本来ならじっくり取り組みたいところ。ですが、残りの日数が少なくなってしまったら、短期間で効率よく取り組むことを重視しましょう。

・読書感想文、作文
読書感想文や作文は、苦手意識の強い人ほど、後回しにしてしまうものですよね。何をどうやって書けばいいのか分からないままでは、いつまでも手が付けられないのは当然のこと。可能な限り早いうちに、親がうまくフォローして作文に取り組みたくなるよう仕向けてあげましょう。

読書感想文本選びから始まります。子どもが好きで興味があるジャンルの本を選び、子どもの食いつきを少しでも良くしましょう。そして、子どもから感想を引き出すには、親子での会話が肝心。文章力養成コーチ・松嶋有香先生は、StudyHackerこどもまなび☆ラボの読書感想文の書き方レッスンの連載の中で、1冊の本の中で子どもの心が動いた箇所について、親子でじっくりと会話することが、感想文を書くためにはとても重要なプロセスだと解説しています。

親子でのやり取りが重要であることは、その他の作文の場合も同じです。教育評論家の親野智可等氏は、親子での筆談が作文につながる、とアドバイスしています。親が質問の文章を書き、子どもが文章で答える形で筆談を重ねていくと、子どもは文章を書きやすくなるのだそうですよ。

保護者のかたが質問を投げかける形で筆談をしてみましょう。「夏休みに出かけて楽しかったのはどこですか?」「水族館が楽しかったです。」「どうしてそこが楽しかったの?」「クラゲがゆらゆら浮かんでいるのがおもしろかったからです。」「クラゲのことをもう少しくわしく教えて。」「大きいクラゲと小さいクラゲがいて、きれいなライトを浴びながら浮かんでいたのできれいでした」というように、順番に書いて筆談していきます。

(引用元:ベネッセ教育情報サイト|夏休みもあと少し……たまった宿題をどう終わらせる?

子どもに「早く書きなさい!」などと任せてしまうのではなく、親子で一緒に取り組みましょう。ただし、親御さんが全部を代理でやってしまうことの無いようにくれぐれもご注意ください。

・自由研究
テーマ選びから、調査や実験の実行、まとめまで、こだわればこだわるほど時間がかかるのが自由研究。これを短期間で済ませるには、1日でできる題材を探すのが良いでしょう。

例えば、博物館や科学館、動物園などでは、1日でできる自由研究をテーマにした講座が開かれていることがあります。また、様々な企業が出展する、自由研究に特化したフェアが行われることも。近隣の施設で、子どもの興味に合う講座が開かれていないか探してみてください。お出かけを兼ねれば子どもも楽しんで取り組むでしょう。紙にまとめる作業だけ自宅で行えばいいので、親御さんも気負う必要がなくなります。その場でまとめまで終えられる講座もありますよ。

また、子どもの自由研究に役立つテーマと研究のやり方を詳しく紹介している、企業のWebサイトを参考にするのも良い方法です。実験のやり方が写真付きで詳しく紹介されていて、子どもでもわかりやすいですよ。以下にいくつか紹介します。子どもの興味に合い、1日でできそうな自由研究のテーマを探して実践してみてください。

■ HONDA|HONDA Kids 自由研究 
学年別、ジャンル別(実験、観察、工作)に、多彩なテーマが紹介されています。まとめ方の例が掲載されているので、参考になるでしょう。

■ SUNTORY|やってみよう!水の自由研究 
水をテーマにした自由研究がいくつも紹介されています。実験だけでなく、調べ学習のテーマも紹介されているので、自由研究の幅が広がります。

■ クックパッド|夏休みの宿題に料理で自由研究しよう!
自由研究と言えば理科を思い浮かべる方は多いでしょう。このサイトでは、理科はもちろん家庭科、生活の科目から自由研究にアプローチ。料理・食材を利用した自由研究を数多く紹介しています。

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夏休みの宿題の遅れを取り戻すには、子どもを前向きにさせる親の働きかけが必要です。お盆休みなどで家族がそろう機会を利用して、お子さんをうまくサポートしてあげてください。

■ 小学生 夏休みの宿題バッチリ大作戦! コラム一覧
第1回:夏休みの宿題を早めに終わらせる方法とは?
第2回:夏休みの生活リズムの整え方
第3回:夏休みの宿題がサクサク進む計画表の作り方
第4回:子どものやる気、どう維持する?
第5回:宿題をする子どもに、親はどんな言葉をかけるべき?
第6回:宿題が終わらない! 遅れた宿題の挽回法とは
第7回:崩れた生活リズムのリセット法

(参考)
ベネッセ教育情報サイト|【保護者のかた必見】小学生の宿題を早く終わらせる方法7選!
日経DUAL|瞬時に見抜いて効率アップ! 〇△×学習法
茂木健一郎著(2007),『脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」』,PHP研究所.
陰山英男著,和田秀樹著(2006),『学力をつける100のメソッド』,PHP研究所.
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第4回:自分と向き合う時間にこそ読書の意味がある
NHKオンライン|夏休みの自由研究 企業がお助け
日本経済新聞|夏休み 残りわずか…宿題攻略のためのヒント
ベネッセ教育情報サイト|夏休みもあと少し……たまった宿題をどう終わらせる?
ベネッセ教育情報サイト|夏休み後半を有意義に過ごす方法
HONDA|HONDA Kids 自由研究
SUNTORY|やってみよう!水の自由研究
クックパッド|夏休みの宿題に料理で自由研究しよう!