いよいよ本格的に自由研究にとりかかる段階まで進みました。さて、テーマは何にしよう? 子どもの好きなこと、興味があることがはっきりしていて「このテーマについて調べたい!」という強い意思があれば苦労しませんよね。でも、何も思いつかない、もしくは興味の対象が多岐に渡っているためひとつに絞れない……という子も多いのではないでしょうか? このように、テーマやネタ探しに一番時間をかける人も少なくないはずです。
ここでは、いろいろなタイプの子どもに適したテーマ選びのヒントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
テーマ選びの前提としての条件を押さえる
テーマを決めるにあたって、押さえておかなければならない基本のポイントがあります。当たり前ですが、この条件を満たしていないものはおすすめできません。
■自分で進めていけるものかどうか
■休みが終わるまでに自由研究を終えることができるか
■使う材料はそろえられるか
■危ないことではないか
(引用元:自由研究の輪|自由研究とは)
これらの条件は、子どもだけでは判断できません。なぜなら、大人に比べて子どもは人生経験や失敗体験が不足しているため、「自分はなんでもできる!」「不可能なんてない!」と思いがちだからです。その “根拠のない自信” は、時として子どもの能力を引き出すのに役立ちます。しかし、「夏休みの自由研究」においては、きちんと仕上げたものを期限までに提出しなければなりません。そう考えると、子ども本人の意向を踏まえつつも、大人の目線で条件に当てはまっているかを判断する必要があるでしょう。
さて、以上の条件は、子ども自身がいくつか思い浮かんだテーマの中から自由研究として「可」であるか「不可」であるかを判断する場合に役立ちます。
ではそれ以前の問題として、「何をすればいいのかまったく思い浮かばない」といった状態ではどうしたらいいのでしょうか?
テーマ選びという底なし沼にハマらないために
自由研究のテーマを選ぶとき、当然ですが一番大事なのは「興味があるかどうか」です。動物、植物、理科の実験、工作、星座、コンピュータなど、子どもたちがこれまで家庭や学校で経験したことや目にしたものなどの中から、何か思い当たることはないでしょうか。「好き」のその先の「もっと知りたい=好奇心」こそが、自由研究のテーマ選びのヒントになるはずです。
あまり深く考えずに、日常のふとした疑問をテーマとして取り上げるのもおすすめです。
- 毎日食べている納豆。なんでネバネバ伸びるのかな?
- 雲の形はいろいろあるけど、どうして?
- 大好きなホットケーキをもっとふわふわにしたい!
- 家の近所にある標識や看板が何種類あるか知りたい!
このように、日頃は意識していなくても改めて見直してみると気になる……というテーマも、時間がたっぷりある夏休みだからこそ深く掘り下げて調べるチャンスです。
「自由」研究であるがゆえに、無限にあるテーマの中から選ぶのは困難だと考えがちです。しかし「むしろ「自由」であることによって子どもの個性が発揮される!」と見方を変えてみると、テーマ選びの過程で我が子の新たな魅力や、秘められた才能を発見できるかもしれませんよ。
さらにテーマを決めるときは、漠然とした内容よりもねらいをはっきりとさせた方が取り組みやすいでしょう。たとえば「魚の観察」から一歩進んで「魚の口のカタチの研究」や「ドジョウは川の水をきれいにする?」と研究の目的を明確にすることで、オリジナリティを出すことができます。(オリンパス シゼコン|自由研究攻略マニュアルより)
テーマさえ決まれば、あとはゴールに向かって突き進むだけ。わかってはいても、そのテーマ選びが一番難航するんですよね。子どもの日頃の様子や会話の内容、外出したときに興味を示す対象など、親御さんも一緒に思い返してみてください。きっとその中に、我が子の興味を惹きつける素敵なヒントが隠されているはずです。
我が子はどのタイプ? タイプ別おすすめの自由研究
ここでは小学校1~3年生を対象にした、タイプ別のテーマをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
虫や動物、とにかくいきものが好き!
- 庭や公園、旅行先で虫探し
- 樹液が出ている木にはどんな虫が集まるかな?
- 動物の名前の由来を調べよう
お空に浮かぶ雲や星についてもっと知りたい!
- たくさんの雲の種類と大雨や雷雨をもたらす雲の不思議について
- 虹はどうしてできるの?
- 世界の星座の物語を調べよう
ゲームが好き。コンピュータにも興味あり
- 身近な材料でピタゴラ装置を作ろう
- コリントゲーム/スマートボールを作ろう
- Google Earthを使って世界一周旅行記を書こう
地図や路線図、標識など生活にまつわる調べものがしたい
- 目的地までの地図、道順、電車賃など、ルートを調べてまとめる
- 夢の電車でジオラマを作ろう
- 家の周りの危険な場所を調べて安全マップを作ろう
ものづくりが好き!
- 布のかわりに紙で作る「ペーパー・パッチワーク」に挑戦しよう
- 牛乳パックを使ってきれいなランタンを作ろう
- ビー玉迷路を作ろう
キラキラしたものが大好き!
- 宝石みたいにキラキラ光る石けんを作ろう
- UVレジンを使って貝殻やお花のアクセサリーを作ろう
- スノードームを作ろう
- 万華鏡を作ろう
これだけ情報があふれている時代。おすすめの自由研究をジャンル別にまとめているサイトもたくさんあります。また、簡単な質問に答えることでお子さまにおすすめの自由研究テーマを診断してくれるものも。あくまでも参考にする程度で、アイデアのヒントをもらってもいいかもしれませんね。
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自由研究において、一番頭を悩ませると言っても過言ではない「テーマ選び」。高学年くらいになると自分の意思でテーマを決めて、材料の準備や調べる手順なども含めてひとりの力でやり遂げるようになりますが、低学年の子どもにとってはハードルが高いはず。だからこそ親の協力が必要不可欠なのです。全面的に手出しをするわけではなく、悩んでいるときや迷っているときにさりげなく背中を押してあげる、ちょっとしたヒントを与えてあげる、それだけでいいのです。今年の夏休みは親子で一緒に自由研究を楽しんでみませんか?
■子どもの“やりたい”を引き出す! 夏休みの自由研究 コラム一覧
第1回:自由研究ってどうしてあるの?
第2回:自由研究のテーマ選びがグンと楽になるポイント
第3回:自由研究のまとめ方のコツ
第4回:自由研究を1日で仕上げる秘訣
(参考)
自由研究の輪|自由研究とは
オリンパス シゼコン|自由研究攻略マニュアル
HONDA KIDS|自由研究
学研キッズネット|自由研究プロジェクト
ベネッセ 教育情報サイト|自由研究のテーマが決まらない! そんなお子さまへのヒント集
ベネッセ 教育情報サイト|夏休みの自由研究カンタン解決策特集