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夏休みの自由研究に「料理」を選んでみてはいかがでしょう。『小学校の「国語・算数・理科・社会」につながっていく! 子どもが料理をするメリット』でもお伝えしたとおり、料理にはメリットがたくさんあります。
今回は、『親子料理教室こどもキッチン』を主宰する、石井由紀子先生にレシピをご提案いただきました。石井先生はモンテッソーリ教育を学び、教員ディプロマの資格を持っています。モンテッソーリ教育の目的である、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間に育てる」というエッセンスの入った夏休み特別台所コラムをどうぞ。
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夏休みは「子どもの台所デビュー」にもってこいですよー! 「自分でつくったお料理をおいしくいただく体験」は、子どもをぐーんと成長させてくれます。さらに、大好きなお母さんお父さんに喜んでもらえた体験は、子どもに大きな自身を与えます。
子どもは、小さい頃から台所にやってきては「やりたい!」というのですが、幼少期とは違い、小学生になると手や体がかなり自由に使え、できることもグッ幅広くなります。
子どものつくる最初のお料理は、包丁を使わない気軽なレシピからスタートしましょう。夏野菜とチーズ、ちりめんじゃこで、美味しさと栄養満点のおかずマフィン。おうちにある材料で、こどもの手でサッとできる手軽さは、忙しい毎日を送る大人がつくるにも大好評。
子どもは夏に大きくなる! 「やってみたい」そんな声が聞えたなら、子どもの台所デビューです。
文・レシピ/石井由紀子
『夏野菜たっぷりおかずマフィン』をつくってみよう!
使う道具
- ボウル
- ゴムベラ
- 泡立て器
- スプーン
- マフィン用の型(プリンカップとペーパー)
- 計量カップ
- はかり
- 計量スプーン
- オーブン
材料(4個分)
- 枝豆 ・・・10さや
- ミニトマト ・・・4個
- シュレッドチーズ・・・30g
- ちりめんじゃこ・・・8g
(A)
- 薄力粉 …100g
- ベーキングパウダー ・・・小さじ1
- 塩・・・小さじ1/2
- さとう・・・大さじ1
(B)
- とうふ・・・80g
- オリーブオイル・・・大さじ1
- 豆乳・・・大さじ3
つくり方
- 枝豆をさやから出しておく。ミニトマトはヘタをとって洗っておく
- ボウルに(A)を入れて、泡立て器でよく混ぜる
- 別のボウルに(B)を入れ、豆腐をすりつぶすように泡立て器でよく混ぜる
- 3に2を入れて、全体をざっくりと混ぜたら、さらに、ちりめんじゃこ、材料の半量のシュレッドチーズを加えて、ゴムベラでざっくりと全体を混ぜる
- 生地を4分割にして、型に入れたら、チーズをのせて、ミニトマトと枝豆を生地に半分くらい埋め込むように入れる
- 180度のオーブン*で20分焼く
*ガスオーブンの場合。電気オーブンの場合は、200度で20分焼く
自由研究のまとめ方
- 選んだ理由--どうしてこの料理を作ろうと思ったのか
- 料理について--メニュー、材料や道具についての説明
- つくり方--つくり方の説明
- まとめ--上手にできたところや、失敗してしまったことなどをまとめる
- 感想--作ってみて感じたことや、次回の目標などをまとめる
☆作業工程や完成品はぜひ写真(イラスト)を使って表現しましょう
「自分でできた!」という体験が子どもを成長させる
子どもに料理をさせようとすると、大人はいろいろと戸惑います。「何をさせたらいいか分からない」「刃物も火も、恐くて任せられない」「子どもの作業スピードが遅すぎてご飯の時間に間に合わない」「結局、自分がやった方が早いから『また今度ね!』になってしまう」、よくある光景です。
主宰する教室に来る小学生たちは、サッと調理作業にとりかかり、最後の洗い物まで、楽しく真剣にやっています。そんな彼らも、大人に比べると作業スピードはとてもゆっくりで、大人の2倍~3倍くらい時間をかけます。大人が30分でやることを、1時間以上かけるということもザラです。初心者マークなのだから、当たり前といえば当たり前のこと。ですから、最初の一歩には、調理のステップ数が少ない、包丁を使わない「がんばらないレシピ」がオススメです。
子どもが1人で最後までやるのに任せてみると、「できたー!」の子どもの表情の輝きに、見守った大人にはうれしい感動が湧きます。「すごい料理」をつくるのがすごいのではなく、自分でできたという体験を重ねることが、子どもの成長を促すのです。
準備・調理・配膳・片づけの全てが「料理」
「料理」というと「包丁」や「火」に注目が集まりますが、よくよくみてみると「料理」というのは、「準備」「調理」「配膳」「片づけ」の全てが「料理」です。小さな頃からみていた台所に立つ親の姿から、こどもは特に「調理だけが料理」とは思っていないようです。
小学生であれば、学校給食で「準備」や「配膳」は日々のことですから、家でやれることは山ほどあると思います。「準備」には、テーブルをふき、エプロンをつけ、つくるメニュー決定、があります。「配膳」では、はしを並べ、できたお料理を皿に盛り、食卓まで運ぶ。「お茶を淹れる」などもお願いするのもよいでしょう。
「ご飯は左、汁椀は右」なんて自然に覚えてしまいます。「割らないかな?」とご心配のようなら、高級なお皿はやめておきましょうね。そして、陶器やガラスなど「材質が本物である」ことは、「落としたら割れる」という現実をこどもに伝えるチャンスにもなって、「物を丁寧に扱う姿勢」を自然とつくります。
「片づけ」では、市販のスポンジを半分に切って、こども専用にするとこどもの小さな手になじんで、とても洗いやすくなります。「片づけ」や「洗い物」は、次の料理のために必要だし、お皿や道具が清潔であることは、食中毒を防ぐ観点からも必要なことです。
【プロフィール】
石井由紀子(いしい・ゆきこ)
親子料理教室こどもキッチン主宰。子ども台所仕事研究家。神戸市出身。神戸大学教育学部卒業後、企業にて営業・企画に携わる。出産後、復職しての仕事のかたわら、モンテッソーリ教育の養成コースに学び、教員ディプロマを取得。「台所仕事から子どもの自立をつくる」をテーマに親子料理教室「こどもキッチン」を2008年にスタートした。大阪万博の年生まれ。
【こどもキッチン おとなもこどもも育つほんまもんの場所】
『こどもキッチン、はじまります。(太郎次郎社エディタス)』
石井由紀子 著、はまさきはるこ 絵
太郎次郎社エディタス(2017)
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石井先生の著書『こどもキッチンはじまります。』の帯に「料理は体験の宝庫」というフレーズがありましたが、本当にその通りですね! 子どもたちには「できた!」という体験を増やしてあげたいものです。できることが増えてきたら、料理に限らず、お手伝いの頻度が増えるかもしれませんね。
特別コラム第2回目のメニューは「冷や奴のカリカリじゃこのせ」。包丁&火を使う、チャレンジレシピです。お楽しみに!