あたまを使う/非認知能力 2025.7.19

選挙に子どもを連れて行かないと損!?「親子連れ投票」の驚きの効果とは

選挙に子どもを連れて行かないと損!?「親子連れ投票」の驚きの効果とは

子どもと一緒に投票所に行くことで得られるメリットは想像以上に大きいことをご存知ですか? じつは、投票所に入るというたった数分の体験が、子どもにとってとても貴重な学びの機会になります。

また、さまざま調査からも、親子連れ投票子どもの将来の投票行動にも大きな影響を与えていることがわかっています。

選挙に子どもを連れてっていい

2016年(平成28年)の公職選挙法一部改正により、保護者と一緒であれば18歳未満の子どもも投票所に入ることができるようになりました。改正前は「幼児」までしか同伴できませんでしたが、現在では小中高生を含む未成年の子どもも入場でき、親が投票する様子を見ることができます。

子どもが投票用紙に記入したり投票箱に入れたりすることはできませんが、「親が投票する姿を見る」こと自体が貴重な社会体験になるのです。

投票所での基本ルール:

  • 必ず保護者と一緒に:18歳未満の子どもだけでの入場はできません
  • 子どもが代わりに投票はNG:投票用紙への記入や投票箱への投函は保護者のみ
  • 静かに見学:投票所内では大声で話したり騒いだりしないように
  • ほかの人の投票を見ない:ほかの選挙人の投票をのぞき見たり、歩き回ったりしないこと
  • 保護者と一緒に行動:保護者が退出したあとも投票所に残ることはできません

投票画像

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データが実証する「親子連れ投票」の効果

親子で投票所に行くことが、子どもの将来の投票行動に本当に影響するのでしょうか。以下の調査結果がそれをはっきりと示しています。

総務省の「18歳選挙権に関する意識調査」では、子どもの頃に親と一緒に投票所に行った経験がある子どもは、行かなかった子どもよりも将来の投票参加率が20ポイント以上高いという結果が出ています。キッザニアが中学3年生1,111名を対象に行った意識調査では、家庭で政治の話題が「よくある」子どもの86.5%が「18歳になったら選挙に行く」と回答しました。一方、家庭で政治の話題が「ほとんどない」子どもでは、わずか42.8%にとどまっています。

親と一緒に投票所へ行った経験や家庭での政治的な対話の有無が、子どもの投票意識に約20〜30ポイントの差を生んでいるのが現実です。

選挙の仕組みや投票の大切さを教科書や授業で学ぶことはもちろん大切ですが、実際に投票所に足を運ぶことには机上では得られない現実感があります。そしてこの経験が、未来を担う子どもたちの政治参加への一歩になるのではないでしょうか。

子そも選挙

「よくわからない」けれど「知りたい」子どもたち

またキッザニアの調査によると、中学生の70.2%が「政治は複雑でわかりにくい」と感じている一方で、73.6%は「政治の仕組みを知りたい」と思っているという結果が出ています。

つまり、「難しいから無関心」なのではなく、「関心はあるけれど学ぶきっかけがない」状態なのです。だからこそ、家庭での会話や投票所での経験が、そのきっかけになるのです。

全国の自治体でも親子連れ投票を応援する取り組みが広がっています。子どもに記念品を配布する投票所や模擬選挙・こども選挙の実施、選挙啓発ポスターや動画など、子どもが選挙に触れる機会は少しずつ増えてきました。しかし、最も影響力が大きいのは、やはり身近な大人の行動です。

投票の日に「今日は選挙だから一緒に行こう」と声をかける、投票後に「どのように候補者を考えて選んだか」を話す、日頃から政治に関するニュースについて話し合う——そんな日常の小さな積み重ねが、10年後の日本を変える力になるのです。

また、総務省では「選挙のまちがいさがし」など、子どもが楽しみながら選挙について学べる教材も提供しています。

選挙もまちがい探し

投票のルール

(引用元:総務省|選挙のまちがいさがし

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親子連れ投票は、たった数分の出来事かもしれません。でも、その一歩が、子どもにとって大きな学びになります。次の選挙では、「一緒に行こう」の一言から始めてみませんか。子どもの未来のために、いまできることがここにあります。

(参考)
総務省|18歳選挙権に関する意識調査
KCJ GROUP株式会社(キッザニア)|中学3年生1,111名に聞いた選挙や政治に関する意識調査