いよいよ本格的に暑さが加速するこの時期。大人にとっては少し憂鬱な季節かもしれませんが、子どもにとっては楽しみな出来事が盛りだくさんで、ワクワクする時期でもあります。
そんな楽しい夏を元気いっぱいで過ごすには、健康であることが第一条件ですね。夏を元気に乗り切るため、大人が気をつけなければならないポイントをtokko先生こと管理栄養士の新生暁子先生に教えてもらいました。
ライタープロフィール
管理栄養士
管理栄養士、博士(スポーツ健康科学)。1971年、兵庫県に生まれる。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士後期課程修了。独立行政法人 国立健康・栄養研究所勤務時には、長野県佐久市で実施された大規模コホート研究「佐久肥満克服プロジェクト」に技術補助員として従事し、食事から肥満を克服するための栄養教育にあたる。2008年には高橋尚子率いる『チームQ』にて栄養・調理指導者として参加し、日米での合宿、アメリカ・コロラド州での合宿にも帯同。『チームQ』解散後は、フリーの管理栄養士としてTV、ラジオ、雑誌、Webサイトなど幅広い媒体で食事と健康に関する情報を発信している。著書には、『塩ヨーグルト健康レシピ』(アスコム)、『健康名人の炭酸水レシピ』(セブン&アイ出版)、『夢をかなえるスポーツ応援レシピ つくろう!食べよう!勝負ごはん 全3巻』(日本図書センター)、『最新版スポーツめし』(エイ出版社)などがある。
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目次
お悩み「暑い季節に栄養面で気をつけることは?」
tokko先生の答え
大人の場合、暑さが厳しくなる梅雨前後から秋までは、できれば涼しい部屋の中で過ごしたいと思うものです。でも子どもは、暑くても寒くても元気でいてくれることが1番です。そう思うと、暑い最中でも公園で遊んだり、スポーツをしたり、とにかく活動的に生活してくれることは嬉しいことですね。
しかし、炎天下の中で活動をすることは、熱中症などのリスクがあります。その点をしっかりと理解したうえで、お子さまが安全に活動できるようにサポートすることが重要です。
子どもは大人と違って、カラダの機能はまだまだ未熟な状態であり、また環境下によって体感温度も違います。
汗腺や体温などの調整機能が未発達
乳幼児は汗腺の発達や体温などの調整機能が未発達なため、カラダにこもった熱をうまく発散できず、暑さに弱い
照り返しの熱でさらに高温に
子どもは大人に比べて身長が低いため、地面からの照り返し熱の影響で大人が感じるよりも高温の環境になる
暑さに気づかず脱水症状に陥ることも
遊びやスポーツに熱中するあまり、自ら水分補給や衣類を調整することができない
このように、私たちが気づかないうちに子どもたちは危険な状態にさらされているかもしれないのです。では、暑い時期に気をつけなければならないことは何でしょうか?
暑い時期に気をつけたい6つの食事ポイント!
- 適切な水分補給
- 食事や間食をしっかりと摂る
- 水分の多い食材を使う
- 食事には、温かいものと冷たいものでメリハリを
- 出かけるときは、水などを携帯
- 衛生面などに気をつける(食中毒など)
発汗が少ない場合の水分補給は、水やお茶で十分です。でも、炎天下の中で遊んだりスポーツをしたりする場合は、発汗時に損失してしまうミネラルなどを補給するためにスポーツドリンクを活用しましょう。市販のものでも良いのですが、できれば手づくりしたいという親御さんもいるかと思います。意外と簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
<tokko先生おすすめ! 手づくりスポーツドリンク>
- 水 600cc
- 塩 小さじ1
- はちみつ 大さじ4(砂糖でもOK)
- レモン汁 大さじ1
- ジュース(オレンジ、グレープフルーツ、アップル、パイナップルなど)400cc
※はちみつを使う場合は、1歳未満の乳児には与えないでください。
※ジュースを使わない場合は、水を1000ccにしてみてください。
また、食事にも水分は含まれています。活動量が多く、発汗量が多い場合は、食事に含まれる水分や栄養素も重要です。食事や間食を上手に取り入れることで、カラダの調子を調えましょう。
暑い季節の旬の野菜や果物は水分が多いですね。そのような食材を、お料理や間食に使いましょう。しかし、いくら暑いとはいえ、冷たいものばかり食べていると胃腸の調子が悪くなり、夏バテになってしまう可能性があります。温かいものも取り入れて、メリハリのある献立がおすすめです。
外出するときは、衛生面に十分気をつけて、冷たい水などの飲み物や、保冷剤を活用して、少し冷えた間食などを携帯できるといいですね。また、暑い時期、活動量の多い場合や、スポーツをしている時は、どうしても食欲が落ちてしまいがちです。お子さんの好きなものや、食べたいものを上手に取り入れましょう。
この時期は、とにかくお子さまの体調を注意深く観察し、状態を把握し、必要な食事や水分を摂取することが大切です。熱中症や夏バテにならないように、日頃よりしっかりとお子さまとコミュニケーションを取りましょう!!