祖父母へのプレゼントに関して、お悩みではありませんか?
「子どもから祖父母にプレゼントをあげさせたいけれど、何を用意すれば良いのかわからない」
「どんなものをあげれば喜んでもらえるのかわからない」
「そもそも、子どもがおじいちゃん・おばあちゃんにプレゼントをあげる必要はあるの?」
誕生日やクリスマス、敬老の日など、イベントのたびに悩んでいらっしゃる保護者の方は多いのではないでしょうか。
じつは、孫から祖父母へ感謝の気持ちを伝えることには、お子さん自身にとっても、大きな学習効果があります。今回は、祖父母にプレゼントをあげることの大切さと、おすすめのプレゼントをご紹介しましょう。
孫から祖父母に、プレゼントを贈りませんか?
孫であるお子さんから、いつもお世話になっている祖父母へ、日頃の感謝の気持ちとしてプレゼントを贈らせようと考えている保護者の方は、多いのではないでしょうか。
「子どもがまだ小さいから」「親のお金で買ったものを渡させて、何の意味があるの?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、たとえ親のお金で購入したものであっても、孫が一生懸命選び、感謝の言葉とともに手渡してくれるプレゼントは、おじいちゃん・おばあちゃんにとっては非常に嬉しいものでしょう。
2014年にコクヨ株式会社が、3歳~8歳の子ども200名とその母親200名、祖父母200名を対象に『家族に関する意識調査』を実施しました。3歳~8歳の孫のいる祖父母200名に、孫からの手紙についてアンケートを実施したところ、孫から手紙をもらって「嬉しい」「やや嬉しい」と感じる人が95%以上だったそう。しかし、実際に、孫から手紙やプレゼントをもらったことがあるか調査した結果、11.0%が「ほとんどもらったことがない」、34.5%が「もらったことがない」と回答したのだとか。半数近くの祖父母が、孫から手紙やプレゼントをもらったことがないのです。
お誕生日やクリスマス、敬老の日など、大切な日には、お子さんと一緒にプレゼントを選び、改めて感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
ほかにも、孫が祖父母にプレゼントを渡すことには、さまざまなメリットがあります。
祖父母にプレゼントを贈るメリット1:感謝の気持ちを持つようになる
祖父母にプレゼントを贈り、日頃の感謝を伝える機会を設けることで、子どもが「感謝の気持ち」を持ちやすくなる効果があります。そして、じつは「感謝の気持ち」の有無が、お子さん自身の人生への満足度や、幸福度、成績などにも影響を及ぼすことがあるのです。
2006年に心理学者のナンソク・パーク氏とクリストファー・ピーターソン氏の行なった研究によって、「感謝の気持ち」が、人生への満足度に最も大きく関わっていることがわかりました。
その後、2008年に、米ホフストラ大学のジェフリー・J・フロウ教授、カリフォルニア大学のロバート・A・エモンズ教授らが、ある研究を発表しています。同教授らが、221人の青少年を対象に調査を行なったところ、「感謝の気持ち」を持っている青少年は、友人、家族、学校、そして自身への満足度が高く、他者へ精神的なサポートをする割合も高かったのだそう。また、楽観的で、落ち込んだり嫉妬したりすることが少なく、学業や趣味により深く打ち込んでおり、成績も良く、人生の幸福度が高い傾向にあったのだとか。
調査を行なったひとりであるエモンズ教授は、著書『Gratitude Works!: A 21-Day Program for Creating Emotional Prosperity』の中で、“Gratitude is like fertilizer for the mind,”(感謝の気持ちは心の肥料のようなものだ)と述べています。同じ出来事に対して「ありがたい」と感謝できるか、ありがたみを感じられないかで、人生の満足度や幸福度までもが、大きく変わってくるのです。
このように、「感謝の気持ち」を抱くことは、お子さんにとって、大きなメリットとなることがわかります。日頃、愛情を与えてくれるおじいちゃん・おばあちゃんの存在を、当たり前に感じさせることなく、感謝の気持ちを忘れさせないようにしたいですね。
では、子どもに「感謝の気持ち」を育ませるにはどうすれば良いのでしょうか。大学講師や幼児教室主宰として、幅広い年齢と文化背景を持つ乳幼児から青年までの育ちを20年間指導してきた、子育て研究家の長岡真意子氏によると、子どもに「感謝の気持ち」を育ませるには、感謝の気持ちを伝える経験をさせることが有効なのだそう。
なんでもない日に「いつもありがとう」などと伝えさせられるのは、照れくさく感じてしまうかもしれませんし、無理強いされているようで嫌気がさしてしまうかもしれませんが、プレゼントを贈る機会を設けてやることで、自然に感謝を伝えることができるでしょう。祖父母にプレゼントを贈ることは、お子さんにとって非常に良い経験になりますよ。
祖父母にプレゼントを贈るメリット2:仲がより深まる
祖父母に感謝の気持ちを伝えてプレゼントを贈ることは、祖父母との仲がより深まることにつながります。祖父母と孫の関係性がエイジズムに影響するという研究結果があることをご存じでしょうか。エイジズムとは、年齢に関する偏見や差別を指す言葉です。
2017年に学術誌『チャイルド・デベロップメント』に掲載された、リエージュ大学のアリソン・フラミオン氏、ピエール・ミソッテン氏、マノン・マルケ氏、ステファン・アダム氏の研究によると、祖父母と良好な関係を築いている子どものほうが、高齢者への偏見を持たない傾向にあるのだそう。
同研究では、7〜16歳の子どもたち1,151人の祖父母との関係を調査。加えて、「歳をとること」や「高齢者」についてどう思うか尋ねました。その結果、祖父母との関係が良くない子どもたちは、高齢者に対して差別的な見方をする傾向にあることがわかったのだとか。高齢者に理解ある行動をとることのできる子どもに育てるためには、祖父母との関係は非常に重要なのです。
「祖父母は遠方に住んでいるため、滅多に子どもと会わせられない……」というご家庭も多いことと思いますが、ご安心を。祖父母との良い関係を築くために重要なのは、会う頻度ではなく「質」なのだそう。たまにしか会えないからこそ、プレゼントを通してきちんと感謝の気持ちを伝え、祖父母と良好な関係を築きたいですね。
孫から祖父母へ贈る、おすすめのプレゼント
では、祖父母にはどのようなプレゼントを贈るのが良いのでしょうか。オススメのプレゼントを5パターンご紹介しましょう。
祖父母へのプレゼント1:家電
祖父母へのプレゼントとして、生活に役立つ家電を贈るのはいかがでしょうか。オススメのものをいくつかご紹介しましょう。
●体重計
長生きしてほしい気持ちを込めて、健康管理のために体重計をプレゼントするのはいかがでしょうか。
「オムロン 体重・体組成計 カラダスキャン」は、薄型のため狭い隙間にも収納でき、かさばりません。体脂肪率、BMI、骨格筋率や体年齢まで測定可能です。文字表示が大きいため、おじいちゃん・おばあちゃんにもぴったり。色もホワイト、ピンク、ブラウン、ブルーの4色から選べるので、お子さんに選んでもらうのが良いでしょう。
●マッサージクッション
マッサージチェアですと、高価になってしまいますし、かさばりますが、マッサージクッションは場所をとらず、安価なので祖父母へのプレゼントにぴったりです。
オススメは、「ルルド マッサージクッション」。ワンボタンで簡単に操作できるので、おじいちゃん・おばあちゃんでも安心です。インテリアを邪魔しないデザインも魅力。筆者も以前、祖母にプレゼントしてとても喜ばれました。
●加湿器
風邪やインフルエンザ、乾燥予防に加湿器もおすすめです。「アイリスオーヤマ ハイブリッド式加湿器」は、ミストが熱くならないので触れても安全。動作音が静かで寝室にもぴったりです。また、付属のパッドにアロマオイルを垂らすと、アロマディフューザーとしても活用できるので、おしゃれな祖父母にも、プレゼントすると喜ばれるでしょう。
祖父母へのプレゼント2:メッセージ入りの食べ物
祖父母へのプレゼントに、オリジナルメッセージ入りの食べ物はいかがでしょう。お子さんに日頃の感謝の気持ちを込めたメッセージを考えてもらうのが良いですね。オリジナリティのあるプレゼントになり、喜んでもらえること間違いなしです。
日本ロイヤルガストロ倶楽部の「オリジナルメッセージ入れカステラ」には、好きなメッセージを30文字まで入れることができます。また、同社の「手書き どら焼き」は、イラストのデータを送ると、そのままどら焼きに印刷してくれるというもの。お子さんの手書きのイラストやメッセージを印刷して、祖父母にプレゼントしてみてはいかがでしょう。紙で受け取る手紙とは異なるインパクトがあり、思い出に残るプレゼントになりますよ。
前出のコクヨ株式会社が2014年に実施した『家族に関する意識調査』によると、2人に1人の祖父母が孫から手紙やプレゼントをもらったことがないという結果が出ました。しかし、3〜8歳の子ども200名に、「次に祖父母に会う際に手紙を持っていきたいか」という質問をしたところ、「持っていきたい(48.0%)」「やや持っていきたい(31.5%)」という結果に。8割近くの子どもたちが、祖父母に手紙を渡したいと考えているのです。また、どんなメッセージを伝えたいかという質問には、「日頃の感謝や祖父母を想う気持ちを伝えたい」といった回答が多く寄せられたそう。メッセージ入りの食べ物を贈るのは、手紙を通して感謝を伝えたいと考えているお子さんにとって、良いきっかけになるのではないでしょうか。
メッセージやイラスト入りの食べ物を祖父母にプレゼントする際には、お子さんが描いた元のイラストも一緒にプレゼントすると、お菓子を食べた後にも記念に残っておすすめですよ。
祖父母へのプレゼント3:パジャマ
祖父母へのプレゼントには、毎日使うパジャマもおすすめです。高齢者は、健康であっても睡眠が浅くなるもの。浅い眠りであるレム睡眠が増え、目が覚めることも増えていきます。加齢に伴う睡眠の変化を抑えることは難しいですが、眠れなかったり、なんども目が覚めたりしてストレスを感じている祖父母の睡眠環境を少しでも快適にしてあげたいですよね。
セラピストのショーン・スティーブンソン氏は、パジャマが睡眠の質を左右すると述べています。着心地が良くて、動きやすい低刺激の素材でできたパジャマが良いのだそう。そこで、着心地の良いパジャマとしておすすめしたいのが、眠りの質をあげるナイトウェアである「UCHINO マシュマロガーゼ」。信州大学繊維学部と共同開発し、柔らかさをとことん追求したパジャマです。こちらも各色用意されているので、お子さんにおじいちゃん・おばあちゃんに似合う色を選ばせても良いでしょう。軽くて柔らかい着心地が評判で、吸水性・通気性が高いので、こだわりの強い祖父母にもぴったりのプレゼントです。
祖父母へのプレゼント4:写真立て
祖父母へのプレゼントには、写真立てもおすすめです。
●手作りの写真立て
100円ショップなどでシンプルなフォトフレームを購入し、貝殻やタイル、レースやマスキングテープなどでデコレーションした手作りの写真立てもおすすめです。お子さんに自由に作らせてあげましょう。まだ小さなお子さんの場合は、配置だけお子さんに考えさせ、パパ・ママがグルーガンや接着剤を使って付けてあげるのが安心ですね。
京都大学名誉教授で、乳幼児の「育脳」を提唱し、数々の子どもの脳の発達を促す「クボタメソッド」を編み出した久保田競氏は、「どんな形になるだろう」と完成形をイメージしながらものを作る経験は、脳のワーキングメモリーを鍛えると言います。ワーキングメモリーとは、情報を一時的に保持し、処理する能力のこと。会話・読み書き・計算などの基礎となる能力です。この能力が鍛えられると、脳の前頭前野が発達するのだとか。前頭前野は、記憶や学習などといったいわゆる「頭の良さ」のほか、新しいものを生み出す「創造性」や怒りなどを抑える「感情のコントロール」といった面でも重要な役割を果たす部位です。久保田氏いわく、特に小さい頃の楽しい刺激を通して、前頭前野は鍛えられていくのだそう。
祖父母へのプレゼントの製作を通して、脳も鍛えられたら一石二鳥ですね。お子さんに自由に工作をさせたあとは、習い事の発表会や、七五三などの特別な日の写真を入れて、祖父母にプレゼントしてはいかがでしょうか。
●デジタルフォトフレーム
祖父母が遠方に住んでいる場合は特に「ソニー SONY デジタルフォトフレーム」がおすすめです。写真を紙として印刷するのは手間がかかりますが、デジタルフォトフレームであれば、データのまま写真を飾ることができますし、1台で複数の写真をスライドショー形式で楽しむことができます。
写真を入れたSDカードをあらかじめ挿入した状態でプレゼントすると、機械が苦手な祖父母でも再生するだけで使うことができますね。
祖父母へのプレゼント5:手作り
お子さんの手作りの品を、祖父母へプレゼントするのも良いでしょう。幼稚園や保育園で製作したものをプレゼントするのも良いですが、以下のようなものをご自宅で作るのもおすすめですよ。
●葉っぱのコースター
「子ども手芸教室」を主宰し、数々の手芸雑誌や書籍で活躍中のデザイン・クラフト作家 松村忍氏は、初めての手芸に葉っぱのコースターの製作を勧めています。
葉っぱの形と葉脈をフェルトに写し、刺繍糸でランニングステッチして葉っぱのコースターを作ってみてはいかがでしょう。アサガオやひまわりなど、お子さんが自分で育てた植物の葉を使えば記念にもなりますし、いろいろな葉を使って何枚か違う形のコースターを作るのもおすすめですよ。詳しい作り方は、「葉脈をランニングステッチ! はじめてのお裁縫に「葉っぱのコースター」【小学生の自由研究(家庭科)】」をご確認ください。
松村氏は、葉っぱのコースターのような雑貨作品には正解がないため、なるべく大人が口出しせずに、子ども自身に作らせることを勧めています。縫い方や切り方が至らなくても、極力見守ることが大切なのだそう。
●コラージュ絵本
オリジナルのコラージュ絵本を作ってプレゼントするのもおすすめです。コラージュとは、さまざまな素材を貼り付ける美術の技法のこと。『はらぺこあおむし』で有名ですね。ハガキサイズの紙にクレヨンと絵の具で模様を描き、素材を作ります。冊子状に重ねた画用紙に、作った素材を貼り付け、絵本を作りましょう。詳しい作り方は、「いつものお絵かきとはひと味違うぞ! コラージュ絵本作家になろう」から。
この際にも、気をつけたいのは、口出ししすぎないこと。保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わっている市川由美子氏によると、子どもが描いたものを否定すると、お絵かきを嫌いになったり、大人の顔色をうかがって描くようになったりする可能性があるのだそう。大人から見ると「こうしたほうが……」「せっかくおじいちゃん・おばあちゃんにあげるんだから、もっときれいに……」ともどかしく思ってしまうかもしれませんが、グッとこらえてお子さんの好きなように作らせてあげましょう。
お孫さんから手作りのプレゼントをもらって嬉しくないおじいちゃん・おばあちゃんはいないはず。祖父母へのプレゼントは、手作りするのもおすすめです。
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祖父母へのプレゼントに悩んでしまう方は多いことと思いますが、一番大切なのはお子さんが祖父母への感謝の気持ちを持つこと。「いつもたくさんお世話になってるから、何をあげたら喜んでくれるか一緒に考えようね」と、お子さんと一緒に選んでみてくださいね。
(参考)
All About|子供に感謝を教える方法…感謝の気持ちを持つことが人生を楽しむ鍵!
Froh, Jeffrey J. , William J. Sefick and Robert A. Emmons(2008), “Counting blessings in early adolescents: An experimental study of gratitude and subjective well-being”, Journal of School Psychology, Vol.46, pp. 213–233.
Greater Good Magazine|Seven Ways to Foster Gratitude in Kids
MOTHERLY|Spending time with grandparents makes kids less prone to ageism, says study
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|いつものお絵かきとはひと味違うぞ! コラージュ絵本作家になろう
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ベネッセ教育情報サイト|子どもと楽しくお絵かきをしよう!メリット&注意点をご紹介
Robert A. Emmons (2013), Gratitude Works!: A 21-Day Program for Creating Emotional Prosperity, San Francisco, Jossey Bass Publishers.
コクヨ|家族に手紙を送ってみたい人は2人に1人
e-ヘルスネット(厚生労働省)|高齢者の睡眠
ショーン・スティーブンソン著, 花塚恵訳(2017), 『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』, ダイヤモンド社.
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