あたまを使う 2019.1.5

触って感じて想像する美術遊びをしよう! 家にある素材ですぐできる「コラージュ」

触って感じて想像する美術遊びをしよう! 家にある素材ですぐできる「コラージュ」

世界中の子どもたちに愛されている絵本のひとつ、エリック・カールの『はらぺこあおむし』。この絵本が大好きな子どもたちはかなり多いのではないでしょうか?

さて、この絵本に使われている技法をご存知ですか? 「コラージュ」というのだそうですよ。今回は、子どもたちの発想力をぐんぐん伸ばす、親子でできるコラージュ作品の作り方をご紹介します。

文・作品提供/芸術による教育の会講師 後藤和人

想像力を開放できる「コラージュ」の魅力

「コラージュ」とは、貼り付けるという意味があり、日本では美術の技法のひとつとして広く認知されています。有名な『はらぺこあおむし』の絵本もコラージュです。

絵具以外のあらゆる素材を組み合わせて画面に貼り付けることで、描写するだけでは表現できない「模様」や「素材感」を作品にほどこすことができるのです。

たとえば、写真や模様がプリントされている包装紙などを作品に利用して、視覚的な表現に変化をつける。または、段ボールやクシャクシャにした紙を使い物理的な凹凸をつけて、触覚的な変化をつけることができます。

このコラージュは、絵画作品に限らず立体作品にも応用できるので、子どもたちは想像力を思い切り開放することができるでしょう。今回は、幼いお子さんでも制作することができる2種類のコラージュをご紹介します。

コラージュ<1>:雑誌やチラシの切り抜きを使おう!

ファッション雑誌やスーパーのチラシなどに載っている商品写真、それから動物や車など、実際の物の形を利用したコラージュに挑戦してみましょう。切り抜きは大人が行い、貼り付けとお絵かきができるようにしてあげれば、幼いお子さんでも十分に楽しめますよ。

このように実際の写真の切り抜きを使う事で、遊びながら考えるきっかけにつながります。例えば、まず犬の切り抜きを貼った場合、子どもは「その犬の周りには何があるだろう?」と考えるのです。エサが必要かな、犬小屋が必要かな、はたまた、ひとりだと寂しいから子犬が必要かな、などと想像力を働かせるでしょうね。お散歩に行きたいと思ったら、庭を描く事もあるかもしれませんし、狂暴な犬だとしたら檻を描く事もあるかもしれません。

また、親子で一緒にコラージュをする際は、想像力をかきたてるコミュニケーションを取ってみてください。「この犬はどこにいるのかな?」「犬は何かを見ているね、何を見ているのだと思う?」などの会話が、より一層面白い制作につながるでしょう。

このコラージュの方法は、お絵かきに遊び心がある子工夫するのが好きな子に比較的向いていると思います。

<材料>
のり、水性カラーマーカーペンまたはクレパス
雑誌、チラシの切り抜き

<方法>
①雑誌、チラシの写真を切り抜く
今回のコラージュの主旨は、切り抜きを使っての制作です。まだはさみがうまく使えない子の場合は、あらかじめ大人が切り抜いておいても良いでしょう。

②切り抜きを組み合わせてイメージする
切り抜きをのりで貼る前に、紙の上で動かしてみたり、いくつもの切り抜きを組み合わせたりして遊びます。ああでもない、こうでもないと組み合わせながら、子どもはいろんな想像を膨らませているのです。のりで貼る事が目的にならないように、とにかく自由に遊ばせてみてください!

③お絵かきをしながら切り抜きを貼る
お絵かきをしながら切り抜きを貼っていきます。このとき、子どもの描いている物を通じて色んな会話をしてみましょう。「ここに何を描いたの?」「この〇〇は何しているの?」「これからどうなるの?」などです。沢山描く事が目的ではなく、子どもが自然に楽しく想像できることが大切です。その想像を作品に反映できるような会話をしてあげてくださいね。

コラージュ<2>:家にある素材を探してみよう!

次は、家にある素材でのコラージュです。わざわざ買わなくても、皆さんのご自宅にはきっとたくさんの素材があるはず。たとえば、包装紙やデパートの紙袋にはいろいろなデザインが描かれていますよね。それに、難しい字が並んでいる新聞紙も子どもにとっては素敵なデザインに見えるものなのです。

子どもは視覚以外にも触ることで多くの情報を得ようとするので、ビニール袋や段ボールの凹凸も面白い感触を味わえるでしょう。これからご紹介するコラージュの方法は、視覚的な作品の見栄えを意識するのではなく、触った感触やデザインから何を制作していくか「直感的」に考える事ができます。

また、見つけた素材の色や形や感触から何に使えそうか考えてみるのも頭を使った良い遊びになるでしょう。いわゆる「見立て遊び」ですね。

こちらのコラージュの方法は、直感的に制作をするような子が向いているでしょう。素材を自分で切ったり、貼ったり自分でできる方が楽しめる内容なので、幼稚園年中、年長さんの方が楽しめる内容です。もしくは手でちぎれる素材で、のりやテープで貼りやすい物であれば年少さんでも十分楽しめます。

<材料>
のり、水性カラーマーカーペンまたはクレパス、はさみ、セロテープ、ボンド
段ボール、紙袋、ビニール袋、新聞紙、雑誌、包装紙、和紙、毛糸、折り紙、アイスの棒、布の切れ端、など

<方法>
①コラージュに使えそうな素材を探す
今回はのり、セロテープ、必要であればボンドを使います。「のりやセロテープで付きそうな物を一緒に探そう」と言えば、子どもは何を探せばよいか何となくイメージできるはず。

②素材を触って楽しむ
見つけた素材を触って、親子で感触を楽しんでみましょう。大きい物や切りにくい物は大人がある程度の大きさに切っておいてあげてくださいね。

③素材で遊ぶ
お絵かきをする紙の上で色んな素材を並べて遊んでみましょう。この時、見立て遊びとして「これは何に使えそうかな」と一緒に考えてみることが大切です。ここで子どもは想像力を掻き立てていくのですから。

④切ったり貼ったり描いたりして制作を楽しむ
絵を描いてみたり、素材を切って貼ったりして制作を楽しみましょう。子どもによっては、描く行為よりも素材を貼る事に夢中になる時があります。その場合、無理に絵を描かせる必要はありません。素材をじっくり楽しみたい子は、素材を貼るだけでもOKです。

「体」という認識が生まれる作業

最後にひとつ、子どもが「体」というものを意識する時のお話しをしましょう。

とくに幼稚園年少さん、年中さんの子ども達の絵に見られる頭足人(とうそくじん)という表現があります。描いた人間に体がなくて、顔から手足が出ている表現です。一生の内でもほんの数か月しかない表現で、子どもらしい愛らしい表現と言えるでしょう。

そんな時期に洋服の切り抜きコラージュをした子どもは、意識が「体」へ向く場合があります。なぜかというと、「体」がある事で可愛い洋服が着せてあげられるからです。子どもは必要と思わない物は描きません。そこに洋服やスカートがあるから「体」を意識するのです。

ですから体の描き方を教えるよりも、子ども自身が「体があると面白い」と思えるきっかけをサポートすると良いでしょう。特に女の子の場合はピンクの洋服であったり、スカートであったり興味をひくアイテムが多いと思います。我が子が好きそうな服が載っている、雑誌やチラシを用意してくださいね。

【プロフィール】
芸術による教育の会(げいじゅつによるきょういくのかい)
東京、神奈川、埼玉、千葉、インターネット上に約100教室の美術教室を運営。
在籍生徒数約3800人。
「世界の子どもたちとアートを通してつながりたい!」を将来のビジョンとし、言葉の壁をアートで乗り越えた未来を目指しています。

芸術による教育の会ホームページ
「芸術による教育の会」は、5つの事業と60年以上の実績をもとに
美術を通して、子どもたちの成長に寄り添います。

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