からだを動かす 2018.9.18

一生に一度のゴールデンエイジに運動能力を一気に伸ばす! 幼児期に重要な3つの外遊び。

編集部
一生に一度のゴールデンエイジに運動能力を一気に伸ばす! 幼児期に重要な3つの外遊び。

ゴールデンエイジという言葉を聞いたことがありますか? お子さんに何かスポーツをさせている、あるいは始めさせたいと考えている人はご存じかもしれません。

これは、子どもが成長する段階において、神経系の発達が成人レベルへ急激に近づく年齢のこと。この時期に運動することで運動神経が良くなり、スポーツがうまくなるという、まさに一生に一度の「黄金期」と言えるでしょう。

そしてゴールデンエイジの前段階「プレゴールデンエイジ」の過ごし方もかなり重要です。今回は、ゴールデンエイジについて詳しく解説するとともに、充実したゴールデンエイジを迎えるために幼児期の今できることについて考えてみます。

一生に一度やってくる「ゴールデンエイジ」とは?

ゴールデンエイジとは、その名の通り、体を鍛えて運動能力をアップさせるのに最も適している「黄金期」を意味します。ゴールデンエイジを裏付けるデータとしては、「スキャモンの発達・発育曲線」がしばしば取り上げられます。

アメリカの医学者であり人類学者のスキャモンが発表したもので、20歳のときのヒトの発育状態を100%として、4系統(一般型、神経型、生殖型、リンパ型)に分けたそれぞれの発達の仕方をグラフに表したものです。

(画像引用元:国立スポーツ科学センター|女性アスリート指導者のためのハンドブック「発育・発達について」

この4系統のうち、「神経型」は運動神経の良さに大きく影響するもので、100%にいたるまでに多種多様な動きを体験して神経回路を刺激することが重要だと言われています。グラフを見ると曲線は4歳ごろから急激に伸びして12歳ごろには成人と同じほぼ100%に達していることから、この時期を「ゴールデンエイジ」と呼ぶようになりました。

スキャモンの曲線をもとに、神経型が急激に発達する4歳ごろから12歳ごろをゴールデンエイジと呼びますが、実際のところ何歳から何歳までをゴールデンエイジとするかについては特に定められているわけではないようです。一例として、国内のスポーツ界において早い段階で言及していた日本サッカー協会では、ゴールデンエイジを10~12歳とし、「JFAキッズ(U-8/U-10)ハンドブック」で次のように記しています。

U-10~U-12年代は心身の発達が調和し、動作習得に最も有利な時期とされています。集中力が高まり運動学習能力が向上し、大人でも難しい難易度の高い動作も即座に覚えることができます。「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、世界中どこでも非常に重要視され、サッカーに必要なあらゆるスキル(状況に応じて技術を発揮すること)の獲得に最適な時期として位置づけられています。

(引用元:日本サッカー協会|JFAキッズ(U-8/U-10)ハンドブック 10歳以下の子どもたちとは?

ゴールデンエイジを3段階に分けて考える

子どもの発育・発達は、わずか数年で大きな差が生じるため、このゴールデンエイジの前後を含めた期間を3段階に分けて、「プレゴールデンエイジ」「ゴールデンエイジ」「ポストゴールデンエイジ」と称している場合が多いです。

【ゴールデンエイジの年齢比較】
※年齢は左から[プレゴールデンエイジ/ゴールデンエイジ/ポストゴールデンエイジ]
・JFA[8歳以下/10歳以下/記載なし]
・A教室 [4~8歳ごろ/9~12歳ごろ/13~15歳ごろ]
・B教室 [3~8歳/9~11歳/12~14歳]
・C教室 [前期4~6歳、後期7~10歳/11~12歳/13~15歳]

年齢は多少前後しますが、いずれの場合もゴールデンエイジが「最も神経の発達するころであり、自分が経験したことのない運動でも見ただけで習得できるほどの能力を発揮する時期」という認識という点は共通しています。

それと同時に、より充実したゴールデンエイジを迎えるためには、前段階のプレゴールデンエイジをいかに過ごすかが重要だとしています。

ゴールデンエイジを充実させる幼児期の運動とは?

では、そのプレゴールデンエイジはどのように過ごせばいいのでしょう?

プレゴールデンエイジは、脳をはじめとした神経回路の発達が著しい時期です。この時期にいろいろな運動を経験しておくかどうかで、その後の動作の習得に違いが出てしまいます

またこの時期の子どもたちはとても高い集中力を持っていますが、その集中力は長くは続きません。ですので、たくさんの動きを体験させて、子どもに運動の楽しさを教えてあげましょう。その楽しさが専門的な技術の上達へつながっていきますよ。

しかし、たくさんの動きといってもスポーツに専念して運動量を増やすということではありません。子どもたちが日頃から慣れ親しんでいる「遊び」が、ずっと楽しく続けられる最善のトレーニング方法なのです。

1. 鬼ごっこ
・基礎体力がつく
・体を動かすことの楽しさと意欲を生む
・瞬間的な判断力、先を読む力が養われる
・素早く動きを切り替える瞬発力

「走る、歩く、よける」などが含まれる鬼ごっこは、子どもが楽しく体を動かせる遊びのひとつ。思いきり走って逃げてもよし、緩急をつけながら逃げるのもよし。短時間でもかなりの運動量になりますね。

2. ボール投げ
・体のバランス感覚が養える
・手足を巧みに動かす「巧緻性(こうちせい)」が身につく
・「空間認知能力」の習得
・スピードに対する認知力

どのタイミングでどのように手足を使えば相手にボールが届くのかなど、体全体の動作コントロールが身につきます。大きさの違うボールをいくつか用意して遊ぶほうが効果が高いそうですよ。

3. 砂場遊び
・「立つ」「座る」という動作を繰り返すのでいい運動になる
・「運ぶ」「積む」「持つ」「掘る」ことで体のバランス感覚が養える

砂を詰めたバケツを運ぶ、そのバケツを逆さにして、そーっと中身を出す。山を崩さないようにトンネルを掘るなど、微妙な力の加減が必要となってくる砂場遊び。運動能力ではありませんが、社交性や想像力の向上にもつながりますよ。

そして一番重要なことは、子どもたちが「楽しかった」「できた」という充実感や達成感を味わうこと。この気持ちが、運動や自分自身に対する自信を持つことにつながり、「やればできる=運動有能感」を育んでくれます

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「どんな運動もやってみると、すぐにできてしまう」という夢のようなゴールデンエイジに、お子さんには自信をもって楽しくのびのびと運動してほしいものです。そのために、プレゴールデンエイジの期間から、遊びを通してたくさんの動きを経験させてあげたいですね。

(参考)
国立スポーツ科学センター|女性アスリート指導者のためのハンドブック「発育・発達について」
ベネッセ 教育情報サイト|どんな運動が子どもの成長を促す? 小学校高学年のときにやらせておきたい運動
ベネッセ 教育情報サイト|遊びが運動神経を高める? プレゴールデンエイジの過ごし方
日本サッカー協会|JFAキッズ(U-8/U-10)ハンドブック
Daigasグループ(大阪ガス)|トップアスリートのスポーツコラム「スキャモンの発育・発達曲線」
文部科学省|幼児期運動指針ガイドブック「なぜ、様々な遊びを取り入れることが必要なのか」
こどもプラス|子ども達の発達に合わせた「鬼ごっこ」で効果的に能力アップを目指しましょう。 脳科学で子どもの学力・体力・運動能力の向上
Nestle ヘルシーキッズ|鬼ごっこでたくさん動こう
球活.JP|投球運動の子どもの成長への影響:小山 啓太
マイナビニュース|子どもの将来は”公園遊び”で決定!? わが子がグングン成長する公園のススメ