からだを動かす 2019.5.14

公園遊びは “12” の運動能力がアップする! 「自由」「午後3時~5時」がカギ

公園遊びは “12” の運動能力がアップする! 「自由」「午後3時~5時」がカギ

子どもの遊び場として、一番身近な場所として挙げられるのが公園。何気なく遊ばせているという親御さんが多いと思いますが、実は公園遊びが子どもの運動能力アップに大きく影響しているようなのです。

ただ、遊ばせ方にもちょっとしたポイントがあります。詳しくご紹介していきましょう。

カギは「自由に遊ばせる」

子どもの運動神経を育む運動教室「リトルアスリートクラブ」代表トレーナーで、これまで都内を中心に200以上もの公園を巡って独自に調査を行なってきた遠山健太氏は、子どもの公園遊びのメリットについて次のように指摘しています。

近年は、運動やスポーツに慣れていないために、身体の動きを正しくコントロールできない子が増えています。運動のコツをつかむためにはさまざまな運動体験が必要で、その基本となる動作は全部で84種類あると言われています。これらをなるべく多く体験することが将来の運動スキルの向上につながります。

(引用元:マイナビニュース|子どもの将来は”公園遊び”で決定!? わが子がグングン成長する公園のススメ

公園には滑り台やブランコ、ジャングルジムなど様々な遊具があり、広場ではボール遊びや鬼ごっこなどもできますよね。公園は、子どもが遊びながら様々な動作を行なえる絶好の場所というわけです。

ならば、なるべく多くの遊具で遊ばせるように、親が指示したり仕向けたりするべき……? と思ってしまいますが、それは必要ないようです。

滑り台に夢中になっていたかと思うと、急にどんぐりを拾い出したり、原っぱを走り出したり……。子どもは大人からするとまったく想像できないような動きをしますよね。その自由な状態で基本動作の数を計測してみると、なんと指示した時よりも数値が倍に増えたんです。つまり、自由に遊ばせた方が子どもの運動神経の向上につながると言えます。

(引用元:マイナビニュース|子どもの将来は”公園遊び”で決定!? わが子がグングン成長する公園のススメ

同様なことは、東京学芸大学名誉教授の杉原隆氏の調査でも明らかになりました。幼稚園の保育時間で体育指導を受けている子どもたちと、指導を受けず自由に遊んでいる子どもたちの運動能力を比べたところ、自由に遊んでいる子どもの方が運動能力が高いということがわかったのです。

子どもは好奇心の塊。自由にさせることで、自らの意思で「飛び跳ねる」、「蹴る」、「投げる」など様々な動きをします。そうすることで身体の様々なパーツが鍛えられ、結果的に運動能力や体力を高めることができると言えそうです。

ただし、自由に遊ばせているときも親は子どもから目を離さないのが鉄則。ある程度の年齢になると、つきっきりでなくてもよさそうに見えますが、事故を起こすのはほんの一瞬です。高い場所に登っているときなどは、特に注意して見ているようにしましょう。

公園遊びで伸ばせるのはこんな身体能力

早稲田大学教授・日本幼児体育学会会長の前橋明氏も、公園遊具を使った遊びを推奨する専門家のひとり。公園の遊具で次のような力が伸ばせるのだそうです。

筋力・瞬発力・持久力・協応性(身体の2つ以上の部位の運動を、ひとつのまとまった運動にする力)・バランス感覚・すばやさ・器用さ・柔軟性・リズム感・スピード感覚・身体認識力・空間認知能力――全部でなんと、12種類もあります。

具体的に例を挙げてみましょう。

すべり台……姿勢を保つための筋力、下半身の筋力、バランス感覚
ジャングルジム……身体認識力、空間認知能力、バランス感覚
ブランコ……バランス感覚、腕と足、腰を連動させる力
鉄棒……腕の筋力、バランス感覚、身体認識力
うんてい……リズム感覚、筋力(握力、腕力、背筋、腹筋)、空間認識力
砂場……協応性、器用さ、身体認識力
鬼ごっこ……走力、スピードの緩急、反射神経、急な方向転換、素早さ
ボール遊び……筋力、道具を上手に使う識別能力、素早さ、リズム感、バランス感覚
縄跳び……筋力、リズム感、バランス感覚

上記以外にも、最近よく見かける「複合型遊具」は、滑り台、のぼり棒、縄はしごなど多種の遊具が組み合わさっていますよね。一度に多くの運動スキルを身につけられるうえ、子どももワクワクしながら遊べるので、オススメです。

すばしっこく動いたり、バランスを取ったり、リズムに合わせて動いたりする力は、「コーディネーション能力」とも呼ばれ、いま日本のスポーツ界でも注目されてきています。

基礎的な運動能力に加えて、このコーディネーション能力を早い時期に習得することが、運動神経を高めるのに最適な方法なのだとか。公園遊びが子どもの運動能力に与える影響は、想像以上に大きいということがわかりますよね。

午後3時~5時がゴールデンタイム!

ところで、1日の中で公園遊びに最も適した時間帯をご存じですか?

それは午後3時~5時

目覚めてから8~9時間経ち、しっかりウォーミングアップができていることもあり、体温が高まり、身体がよく動き、学びの効果を得やすい時間帯とされているのです。

このゴールデンタイムに、しっかり遊ぶことでホルモンの分泌も高まり、睡眠、食事、運動が連動した良いリズムが自然にできるのだとか。この時間に遊べば、お腹も空いて夕飯も美味しく食べられそうですよね。ぜひ覚えておきましょう!

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子どもの運動神経は、ゴールデンエイジと呼ばれる5歳~12歳の時期に著しく発達すると言われています。まさに、親やお友だちとの公園遊びが楽しい時期ではないでしょうか。

特に幼児期は、野球やサッカーなどひとつのスポーツの習い事をするよりも、公園遊びのほうが運動能力をトータル的に伸ばせる、という専門家もいるくらいです。

気持ちのいいお天気の日は、ぜひ子どもと一緒に公園へ出かけませんか。

文/鈴木里映

(参考)
前橋明(2015),『公園遊具で子どもの体力がグングンのびる!』,講談社
三木利明(2017),『運動神経のいい子に育つ、親子トレーニング』,日本実業出版社
マイナビニュース|「子どもの将来は”公園遊び”で決定!? わが子がグングン成長する公園のススメ」
マイナビニュース|「いま”公園は選ぶ”時代–子どもがすくすく育つ”推しパーク”の見つけ方」
公園のチカラLAB|「公園で外遊び ~ 遊ぶことで、育ち、学んでいく理想の空間」
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ベネッセ教育情報サイト|「運動神経がよい子に育つ運動環境とは? 幼児期にやらせておきたい運動」