教育を考える/本・絵本 2018.10.21

本を読むことが日常になる! 子どもの読書を習慣づけるシンプルな法則

編集部
本を読むことが日常になる! 子どもの読書を習慣づけるシンプルな法則

みなさんのお子さんは、読書をする習慣がありますか? 時間がない、他にやりたいことがある、ゲームやスマートフォンに夢中……そもそも今の時代、娯楽の選択肢の中に「読書」は入っていないかもしれませんね。

読書が好きな子どもは読解力が身につきやすく、勉強面でも良い影響があることは周知の通り。それだけでなく、一冊の本を最後まで読み抜くという行為は、集中力忍耐力を養うことにもつながります。

我が子に読書習慣を身につけさせたい! そのために、私たち大人はいったい何ができるのでしょうか? 今回は、日常生活の中で「子どもに読書習慣をつけるヒント」をお教えします。

「本を読む」って特別なこと?

近頃めっきり本を読まなくなった……そう感じている親御さんも多いのではないでしょうか? 家事に育児に仕事、毎日忙しく過ごしていると、読書をする時間の余裕も心の余裕もなくなってしまいますよね。それに、隙間時間はついついスマートフォンをのぞいてしまうことも。

では子どもたちはどうでしょう。文部科学省が2017年に実施した子どもの読書活動に関する調査によると、本をあまり読まない児童・生徒に対してその理由を尋ねたところ、「普段から本を読まないから」という回答が3割を超えました。

普段から本を読む習慣がないと、「本を一冊読み終える」ことに対してプレッシャーを感じてしまうものです。例えば学校の課題で本を読まなければならないとき、読書感想文を書くとき、「本を読むこと」自体が高いハードルとなり、そこでつまずいてしまうでしょう。

「いやだな」「苦手だな」とため息をつきながらページをめくるより、「知らないことを知るって楽しい!」と読書の醍醐味を噛み締めながらページをめくったほうが、読書時間が何倍も有意義なものになると思いませんか?

大人にとっても子どもにとっても「読書は習慣」。学校や習い事に通う時間、お友だちと遊ぶ時間、ゲームやテレビに費やす時間、そして読書を楽しむ時間……どれも自分の生活には欠かせない大切な時間だと実感することで、いつのまにか習慣になるはずです。

暮らしの中に本があるだけで読書は習慣になる

習慣というものは意識するものではなく、むしろ無意識のうちに日常に溶け込んでいる状態こそが理想的です。それは読書も同じ。ただし、子どもの日常生活は、本人が好きなようにスケジューリングできるものではないですよね。朝起きてから眠りにつくまで、親や学校が用意した環境の中で過ごすことが大半である子どもたちにとって、「日常生活の習慣づけ」=「大人が準備してあげるもの」であることは間違いないでしょう。

そのために私たち親ができることを具体的にうかがったところ、次のようなアドバイスをいただきました。

身近に本があれば子どもは自然と本を手にとります。子どもがどんな本が好きか、わからないうちは、まずは親御さんが図書館で選んで借りてきた本を家に置いてみてください。読まなかったらまた別の本を用意して。そのうちに子どもが関心をもつ本が出てくると思いますので、次からは同じジャンルや同じ作家の作品を渡してみてください。文章を読むのが苦手なら、好きなもの(電車、虫、恐竜など)の写真集や図鑑でも良いと思います。

(国立国会図書館国際子ども図書館 児童サービス担当者より)

本を読む習慣をつけるには、家に本があること。とてもシンプルですね。「この本を読みなさい」と無理矢理渡すよりも、家のリビングや子ども部屋や寝室に本が置いてあれば、その風景が「当たり前のもの」となり、子どもと本の距離はグンと縮まるはずです。

また、「朝の読書活動」を全国の小学校に推進している大塚笑子氏は、本をよく読む子の家庭にはある共通点があると言います。

お子さんと本についての会話をしたり、一緒に書店や図書館に行ったりと、“本”が身近になっているご家庭が多いように思います。だからって「本が苦手」というかたも、心配することはありません。まずは「本屋さんや図書館に行ってみない?」とお子さんにたずねてみてください。きっと本を一緒に楽しむきっかけになると思います。

(引用元:Benesse『子どもが読書好きになるヒントBOOK』|家でも読書を習慣にするには?)

このように、本を通じて親子のコミュニケーションがますます活発になることも期待できますね。まずは気負わずに、軽い気持ちで一緒に書店や図書館に出かけてみましょう。そして、家に持ち帰った本はしまいっぱなしにせずに、できるだけ普段から目につくところに置いておくといいかもしれませんね。

テーマを決めて本を選ぶ

ほとんどの図書館では、絵本や児童書のコーナーは子どもにとって見やすい工夫がされていますよね。子どもの本の専門図書館である『国際子ども図書館』でも、「子どものへや」「世界を知るへや」において、子どもが本を手に取りやすいように季節やテーマに応じた小展示を行っています。

リストを作成して展示コーナーで配布するほか、国際子ども図書館ホームページにも掲載されているので、本を選ぶ参考にしてみてはいかがでしょうか? 国内の本だけではなく世界各国の本もピックアップされているので、普段あまり触れることがない外国の文化について知るきっかけにもなりますね。

■リストの一覧はこちら
秋の本のリスト
リンゴの本のリスト
えんそくの本のリスト

この季節にぴったりのテーマを選びました。このリストを参考に、お子さんと一緒に本を探してみてはいかがですか? 道に迷わないように地図を見ながら進むのと同じように、このリストが子どもの本選びの道しるべになるかもしれません。

たとえば、ひとつテーマを決めて親子で本を探すゲームをしてみてもいいでしょう。「ねこ」「パン」「電車」「恐竜」……世界にはたくさんの本があり、自分が興味をもっているものについて書かれた本は必ず存在します。そしてその本の中には、自分の好きなものがいっぱいつまっているのです。読めば読むほど「もっと知りたい!」「もっと読みたい!」と探究心が刺激され、読書の楽しみを見出すことができるでしょう。

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自分の好奇心や探究心を満たしてくれるものが「本」の中にあることを知った子どもは、自然と読書に親しむようになります。それがいずれ日常生活の中に溶け込み、しっかりとした読書習慣が身につくのです。

(参考)
国立国会図書館国際子ども図書館
Study Hacker こどもまなびラボ|動物園だけじゃない! 上野には子どもを魅了する夢のお城『国立国会図書館国際子ども図書館』があります
Study Hacker こどもまなびラボ|あなたの家には本が何冊ありますか? 本を読む子どもと読まない子どもの分かれ道
文部科学省|子供の読書活動の推進等に関する調査研究 報告書概要版
Benesse『子どもが読書好きになるヒントBOOK』|家でも読書を習慣にするには?