教育を考える/食育 2018.10.17

朝食で子どもの未来が決まる!? 恐ろしい……ウソのような「朝ごはん」の事実。

朝食で子どもの未来が決まる!? 恐ろしい……ウソのような「朝ごはん」の事実。

お子さんは、毎日朝食を食べていますか? 朝食は何を食べ、誰と食べていますか?

実は毎日の朝食が、子どもの脳の発達や成績、そして将来にまで大きく影響を及ぼすのです。詳しくご説明していきましょう。

朝食で子どもの将来が変わってくる!?

毎年、文部科学省が全国の小中学生を対象に行っている学力調査では、「朝ごはんを毎日食べている子どもほど、学力が高くなる」というデータが出ています。

これはすべての学年、どの教科においても当てはまり、毎年同じ結果が出ているとか。さらに、学力だけではなく、50m走や持久走、瞬発力を判定するような調査についても同じような結果が出ています。つまり、朝ごはんを食べないと、学力が低くなり、足は遅くなり、体力も瞬発力もなくなってくるのです。

また、“脳トレ” で有名な脳科学者の川島隆太氏も、朝食の重要性を指摘しています。川島氏が所属する東北大学加齢医学研究所と農林水産省が共同で行った調査では、次のようなことがわかったのだそうです。

「朝食あり」の子どもの3割が、偏差値65以上の大学に合格している。
「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」たちの半数以上が第1希望の大学に入っている
「朝ごはんを毎日は取らなかった人」たちの約3割が第3希望の大学にしか入れていない
「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」の約6割が第1希望の会社や団体に就職できた
「朝ごはんを毎日は取らなかった人」たちの約3割が第3希望以下のところにしか就職できなかった
「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」たちは高収入層に固まりやすく、「朝ごはんを毎日は食べていなかった人」たちは低収入層に固まりやすい

朝食習慣の有無が、就職する会社や収入にまで影響を及ぼしていますよね。この事実を知ったいま、「明日から子どもにしっかり朝食を食べさせなくちゃ!」と思われた方も多いのではないでしょうか。

ご飯だけ、パンだけはNG

では、なぜ朝食がそこまで子どもに影響を与えるのでしょうか。

その答えは「脳」の働きにあります。脳をしっかりと働かせるためには、ブドウ糖が必要です。朝はブドウ糖が足りなくなっているため、すぐに補う必要があります。ブドウ糖はご飯やパンなどの「主食」が消化されることで作られるので、朝食を食べることでブドウ糖がきちんと脳に行き、きちんと機能するというわけです。

ただ、川島氏によれば、ご飯やパンだけを食べればいいのではないとのこと。脳の神経細胞の間をつなぐ「シナプス」がしっかりと働くためには、ブドウ糖だけではなく様々な栄養素が必要なのです。しかも、おかずの種類が多いほど発達指数が高く、少ないほど低いというデータまで出ているのだそう。

主食といろいろな栄養を含むおかずの両方を摂らないと、脳は充分に働かないというわけです。トーストだけ、おにぎりだけ、という朝食では不充分なのです。

主食には「お米」を食べよう!

さらに、川島氏は、主食は「パン」よりも「米」の方が脳の発達に良いと言います。

脳は表面の大脳皮質と真ん中あたりの基底核を合わせた「灰白質」という部分に神経細胞がつまっています。この灰白質を占める割合が、米飯が主食の人の方が、パンが主食の人よりも高かった。(中略)これらのことから、朝食で米飯が主食の子どもの脳の方が神経細胞から神経線維やシナプスが多く伸びていて、脳がよく働いていること、それが「やる気」にも関わっていることが考えられました。

(引用元:プレジデントオンライン|おかずを増やしたら、子供が賢くなる!(後編)

しかもその違いは幼少期よりも中学生、高校生、大学生と成長していくにつれて大きく広がっていくのだそうです。これは毎日の積み重ねが大きいことを示しています。

ところで、なぜお米の方が良いのでしょうか。それはお米よりも、パンのGI値(食後の血糖値の上がり方を示す指数)が高く、食べると急激に血糖値が上がることが関係しています。

アメリカで行われた調査でも、GI値が低い食事を取るほど身体はよく発達することがわかっています。そういう意味では、GI値が低い玄米、胚芽米、麦や雑穀を混ぜたご飯もオススメです。

カンタン! 理想の朝食づくりのコツ

朝は、「ご飯+おかず(なるべく品数を多く)」を食べるのがベストだということがわかりました。けれど、ただでさえ忙しく、時間も限られていますよね。

「朝からおかずを何品も作るのは難しい」「そもそも子どもが少食で朝からそんなに食べない」そんな悩みもあるかもしれません。そこで、いくつかのポイントとコツをお教えしましょう! できることから実践してみてくださいね。

■そのまま食べられるものや火の通りが早いものを常備
納豆、豆腐、ハム、ちくわ、かまぼこ、ツナ缶、キュウリ、レタス、チーズ、ヨーグルトなどそのまま食べられるものや、卵、キャベツ、ホウレン草、ウインナー、もやしなど火の通りが早いものを常備しておきましょう。切るだけ、あるいはさっと茹でる(炒める)だけでおかずが完成です。みかんやバナナなど子どもでも簡単に皮をむける果物もオススメです。

■残り物、作り置き、冷凍食品を活用
前日の夕食の残りや、作り置き惣菜、レンジで加熱するだけの冷凍食品なども活用しましょう。朝からご飯を炊くのが難しい場合は、多めに炊いておいて、小分けに冷凍しておくのも手です。

■ワンプレートで洗い物を少なく
ご飯とおかずをひと皿にのせれば見た目もカフェ風に可愛くなるうえ、洗い物も減らせて一石二鳥です。

■米粉パンや全粒粉のパンを活用
「どうしても朝はパンが食べたい」というお子さんには、米粉パンや全粒粉のパン、ライ麦パンを。GI値が低いのでオススメです。ハムやツナ、レタスやトマト、キュウリなどを挟んでサンドイッチにしたり、ヨーグルトを合わせましょう。

■最初は+1品でもOK
そもそも食べる習慣がない場合や、食べない子の場合は、「ご飯+1品」から始めてみましょう。ご飯と納豆、ご飯と味噌汁などから始めて、冷奴や卵焼き、ヨーグルトや果物をプラスしていってみてください。また、夕食の時間が遅い場合は早める、寝る前には食べない、早寝するなども大切です。

家族一緒に朝食を食べる

最期にもうひとつ、大切なことをお伝えします。それは、ぜひお子さんと一緒に朝食を食べてほしい、ということです。

「早寝早起き朝ごはん全国協議会」の資料によると、朝ごはんを家族と一緒に食べている子どもは、ひとりで食べている子どもに比べ、「栄養バランスの良い朝食を食べている」「朝食前にお腹が空いている」「イライラしたり元気が出ないなどの不定愁訴が少ない」と挙げられています。

親も子も、朝は忙しいと思いますが、朝食が及ぼす影響の大きさを考えると、ぜひ実践してほしいものです。

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文/鈴木里映

(参考)
プレジデントオンライン|おかずを増やしたら、子供が賢くなる!(前篇)(後編)
週間女性PRIME|あの“脳トレ”の川島隆太教授が力説!脳を見てわかった「頭のよい子の朝食、教えます」
タニタの健康応援ネット からだカルテ|こどもの脳を育てる食事とは?朝食は受験合格への突破口
早寝早起き朝ごはん全国協議会|小学生のための早寝早起き朝ごはんガイド
川島隆太(2012),『元気な脳が君たちの未来をひらく』,くもん出版
川島隆太(2015),『ホットケーキで「能力」が上がる』,小学館
小山浩子(2015),『子どもの脳は「朝ごはん」で決まる!』小学館