「子どもが夜なかかな寝ない」「朝起きるのに時間がかかって大変」「どんなに頑張っても正しい生活リズムが身につかない」
子どもの睡眠について、多くの親御さんが頭を悩ませているのではないでしょうか。
睡眠時間が足りなかったり、睡眠の質が悪かったりすれば、日中の勉強やスポーツのパフォーマンスに影響を及ぼします。だからこそ、できるだけ小さいうちから、きちんとした睡眠の習慣を身につける必要があるのです。
今回は、これまでにご紹介してきた「睡眠」にまつわる記事のなかで、とくに人気の高かった6本をまとめました。お子さんの夜の過ごし方や、ぐっすり眠れてすっきり目覚められるヒントをたくさん紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「睡眠」おすすめ記事1
睡眠の専門家である文教大学教育学部教授・成田奈緒子先生は、「子育てにまつわるほとんどの問題の根本にあるのは “睡眠” である」と述べています。食欲がない、便秘がち、ケガや病気が多い、すぐにキレる、勉強に集中できない……。これらの問題も、睡眠の問題を改善できれば解決することもあるそう。そのためにも、「必要な睡眠時間を確保すること」と「睡眠の質を上げること」が大事だと言います。
睡眠の質を上げるとは、いわゆるレム睡眠とノンレム睡眠のきちんとした反復リズムを身につけるということ。
(中略)
8時間の睡眠のうちにレム睡眠とノンレム睡眠の反復を4回繰り返して朝を迎えるようになることが理想です。なぜそれが理想かといえば、そういう睡眠を取れれば、脳がきちんと育っていくからです。
(引用元:STUDYHACKERこどもまなび☆ラボ|子どもの脳をきちんと育てる「正しい睡眠」)
人間の脳は「体の脳」(0~5歳に育つ)→「おりこうさん脳」(1~18歳に育つ)→「心の脳」(10歳以降に育つ)の順番で育ちます。「体の脳」は「起きる、寝る、食べる」など生きるために最低限必要な機能を指し、「おりこうさん脳」は「言葉、知識、スポーツ」、「心の脳」は「感情のコントロール、思考、判断」を指します。
「体の脳」がきちんと育たないと、勉強やスポーツ、そして人とのコミュニケーションもうまくとれなくなってしまうため、5歳くらいまでのあいだに「体の脳」をきちんとつくる必要があるのです。成田先生は、この時期に睡眠のリズムをしっかりと身につけることで、その後の勉強やスポーツ、人間関係などにもよい影響を与えると言います。
睡眠のリズムを身につけるには、「朝は光を浴びて、夜は真っ暗にする」といいそう。実際はスマホやタブレット、テレビなどからどんどん光が目に入ってくるので、夜でも完璧に光を排除するのは難しいかもしれません。少しずつでもいいので、子どもが寝る前に、「明るい光が目に入りすぎていないかな?」と気にかけてあげるといいでしょう。
「睡眠」おすすめ記事2
■寝不足が引き起こす深刻な問題。睡眠時間が少ない子の記憶力は“あまりよくない”
現代っ子の4、5人に1人は、睡眠習慣の乱れや睡眠障害など、なんらかの睡眠問題を抱えているといいます。寝不足は、集中力の低下や学力・記憶力にも悪影響を与えることがわかっており、さらには成長の遅れや食欲不振、将来の肥満の危険因子になることも! この記事では、早寝早起きを実践できるコツを紹介しています。
起きる時間をいきなり1時間単位で早めてしまうとお子さまの心身の負担も大きくなるので、15〜30分単位で段階的に早めてあげましょう。早く起きたぶん、その夜は早く眠くなるはず。この好循環から規則的な生活につなげていければベストです。
(引用元:STUDYHACKERこどもまなび☆ラボ|寝不足が引き起こす深刻な問題。睡眠時間が少ない子の記憶力は“あまりよくない”)
早起きを促す取り組みとあわせて、早寝を定着させるためにはどのようなことに気をつければいいのでしょう。食事の時間やお風呂に入る時間は家庭によってさまざまです。いきなり家族の生活リズムを変えることは難しいと思いますが、お子さんのスムーズな早寝のために、次のような方法も試してみるのもいいかもしれません。
まず「お風呂を夕食の前にする」こと。ヒトは体温が下がってくると眠くなるため、寝る前にお風呂に入ると眠りにくくなってしまうのです。よって、夕食とお風呂の順番を逆にすることで、寝つきがよくなる効果が期待できます。
次に「親も一緒に早寝をする」ことも試してみましょう。子どもが寝ようとしているのに、親がリビングでテレビを楽しんでいれば、「まだ寝たくない」となるのは当然です。家事などの用事を早めに済ませて、思いきって子どもと一緒に早く寝てみませんか?
「睡眠」おすすめ記事3
■当てはまったら要注意! 睡眠不足な子どもが出しているサインとは?
睡眠不足は免疫力を低下させ、肥満や高血圧を引き起こすといった健康への悪影響を及ぼします。さらには、記憶の定着ができずに学力を低下させるだけではなく、感情のコントロールが難しくなるなど心への影響も危惧されています。
昌仁醫修会瀬川記念小児神経学クリニック理事長の星野恭子先生は、「夜型の幼児は攻撃性が高く、不注意が多い。夜型の5歳児は三角形がかけない」と話しています。このように、睡眠が不足すると、心にも影響がおよびます。小さな子どもが、コントロールのきかない感情を抱え、心を痛めてしまうのです。
(引用元:STUDYHACKERこどもまなび☆ラボ|当てはまったら要注意! 睡眠不足な子どもが出しているサインとは?)
この記事では、寝不足な子どもたちが出しているいくつかの “サイン” について解説しています。どれも子どもたちによく見られる行動・様子ですが、もしかしたら睡眠不足が引き起こしている問題かもしれません。
ひとつは「自己肯定感が低い、イライラしている」様子。常にイライラしていたり、「どうせ自分なんか」などと投げやりな発言をしたりしていませんか? 睡眠不足の子どもは自己肯定感が低いという調査結果もあることから、良質な睡眠がいかに子どもの心を豊かに育むかがわかると思います。
また、意外にも「何事にもまじめに、一生懸命取り組む頑張り屋さん」も睡眠不足が影響してる可能性があります。習い事や塾などで忙しい毎日を過ごす子どもは多く、睡眠時間を削ってまですべてをこなそうとするのはとても危険です。お子さんの変化に気づいたら、就寝時間を調整したり、心地よい眠りにつける工夫をしてあげたりしましょう。
「睡眠」おすすめ記事4
■寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」
みなさんご存じのように、睡眠は脳の発達に大きな影響を与えます。それは学力にも直結するため、小さいうちからしっかりとした睡眠習慣を身につけることは、お子さんの将来を左右すると言っても過言ではないでしょう。明治薬科大学准教授の駒田陽子先生は、学力だけではなく、睡眠と心の成長の関係についても指摘しています。
(前略)睡眠不足になると記憶力が悪くなるばかりか、楽しいことに関する記憶が減ってしまいます。一方で、嫌な記憶はあまり減っていきません。さらに、就寝が遅いと「自分のことが好き」と答える割合が低くなり、自己肯定感にも影響するという調査報告もあります。
(引用元:STUDYHACKERこどもまなび☆ラボ|寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」)
幼少期から夜型の生活を送っている子どもは、不登校やうつになる傾向が高いという調査結果もあることから、睡眠不足がいかに子どもの心をむしばんでいるかがわかります。
また、この記事では「睡眠と肥満」の深い関係についても詳しく解説しています。子どもが大人へ成長するために欠かせない成長ホルモンは、睡眠の前半に現れる深い眠りのときに集中的に分泌されます。ですから、睡眠が足りずに成長ホルモンの分泌が不十分になると、体の発育に影響を及ぼすのです。
さらに成長ホルモンは、脂肪を分解する作用もあるそう。つまり、睡眠不足は肥満を引き起こす可能性もあるのです。このように、子どもの体も心も、そして脳も、毎日の睡眠と深い関わりがあります。だからこそ私たち大人は、もっと真剣に子どもたちの眠りについて考えるべきではないでしょうか。
「睡眠」おすすめ記事5
「朝、子どもを無理やり起こすと不機嫌になってしまい困っている」こんなお悩みを抱えている親御さんはたくさんいますよね。文教大学教育学部教授の成田奈緒子先生によると、「この悩みを解決するのは意外なほど簡単」とのこと。なんと、1週間もあればどんな子でも朝に不機嫌になることがなくなるそう!
とにかく1週間でいいので、親が一生懸命になって子どもを起こしましょう。もちろん、無理やり起こすと子どもは不機嫌になります。そのとき、子どもが絶対にご機嫌になるような大好きなものを与えてあげるのです。(中略)そうすれば、朝の不機嫌は一気に軽減されるはずです。
(引用元:STUDYHACKERこどもまなび☆ラボ|「幼児の睡眠問題」を“たった1週間”で解消する方法)
成田先生は、「そもそも、寝る時間が遅い子どもは、その時間まで夢中になるような大好きなものがある」と述べています。テレビ番組やゲーム、タブレットで動画視聴をしている子も多いでしょう。ここで発想を転換し、それらを朝にもってくることで、子どもは朝起きるのが待ち遠しくなります。
そして朝目覚めたら、朝日を浴びて1日のはじまりを体に染み込ませることも効果的。あるいは、朝にお風呂に入れるのもいいそうです。成田先生によると、体温を上げれば交感神経が優位になって、脳も体も目覚めるそう。
とにかく肝心なのは初日です。この日の子どもは寝不足状態で、日中はぼーっとして過ごすでしょう。ですから、帰宅したら夕食は軽いもので済ませて、さっさと寝かせてしまいます。このパターンを続けることで、理想的な睡眠リズムを身につけることができるはずです。記事では、より詳しく睡眠のメカニズムについて解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
「睡眠」おすすめ記事6
■なにより睡眠が基本! 親の「ブレない」態度が、子どもの脳を育てる
朝に弱く、起きても体の不調を訴える子どもが増えているというデータがあります。大きな原因として就寝時間の遅さが指摘されており、それにより、体の不調だけにとどまらず “心の不調” にも強い影響を及ぼしていることがわかっているそう。
つまり、就寝時間が遅い子どもは、イライラすることが多いし、自分なんていないほうがいいと思うし、自分が嫌いだし、やる気が出ないし、家庭は楽しくないと思っているわけです。こんなことを子どもたちが思っているなんて本当にかわいそうだし、大人として絶望的な気持ちになりますよね。
(引用元:STUDYHACKERこどもまなび☆ラボ|なにより睡眠が基本! 親の「ブレない」態度が、子どもの脳を育てる)
睡眠の専門家である成田奈緒子先生は、10歳頃までには正しい睡眠習慣をつけさせるべきと述べています。高学年にもなると親が主導して生活習慣を正すのが難しくなり、また中学年くらいだと多くの子どもがスマートフォンやゲーム機を手にするようになります。これらは子どもから睡眠時間を奪う元凶となるのです。
成田先生は、「子どもの睡眠環境を整えるには、親の “ブレない” 態度が大事」と言います。たとえば、「夜8時になったらスマートフォンは使っちゃダメだからね」と口で言うだけではなく、決まった時間になったらネットにつながらないように制限をかけるなど、毅然とした対応を心がけましょう。
ゲームをしている子どもに「夜ふかしはダメ!」という一方で、「宿題をやるまで寝かせないからね!」という親御さんは意外と多いもの。このような親の一貫性のない対応こそが、子どもに不信感を抱かせて反発心を招いてしまうのです。お子さんの健康な体と心、そして脳の健やかな成長のためにも、正しい睡眠習慣を徹底させましょう。
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子どもの睡眠の問題は、親にとって大きな悩みのタネです。一度乱れた生活習慣が身についてしまうと、それを正すのは容易ではありません。しかし、睡眠が体の成長だけではなく、脳にも心にも強い影響を及ぼしているのなら、きちんとした睡眠のリズムを身につけさせなければならないでしょう。まずはできることから、少しずつ改善していくことで、いずれ正しい睡眠習慣を手に入れることができるはずです。