教育を考える 2019.1.25

当てはまったら要注意! 睡眠不足な子どもが出しているサインとは?

編集部
当てはまったら要注意! 睡眠不足な子どもが出しているサインとは?

子どもの心身の健康に欠かせない「睡眠」。必要な睡眠時間は、幼児期(3〜5歳)で11〜13時間、学童期(6〜12歳)で10〜11時間といわれています。しかし、不足している子どもが多いのが現状です。

みなさんのご家庭ではいかがでしょうか? 子どもの睡眠が足りているかどうか、きちんと把握し、十分な睡眠時間を確保してあげられていますか?

今回は、子どもの睡眠不足の危険性についてお話ししたうえで、寝不足な子に共通してよく見られる傾向と、十分な睡眠をとらせるための秘策をご紹介します。

睡眠不足は「学力」や「人格形成」にも影響する!

睡眠不足は健康にはもちろんのこと、学力にも影響をおよぼすことがわかっています。具体的には、どんなことが懸念されるのでしょうか。

【健康への影響】
睡眠不足は、体に様々な症状を引き起こします。その一つが、免疫力の低下です。通常、睡眠中は様々なホルモンが分泌され、それらが体の機能を整えるうえで重要な働きをします。それが、睡眠不足になると少なくなり、体のバランスが崩れてしまうそうです。

また、睡眠不足は体温や交感神経、副交感神経の異常を招くといわれています。それらの異常は、朝起きれなくなったり、肥満や高血圧を引き起こしたりする、非常に厄介なものです。

さらに、幼少期の睡眠不足は、その後の生活習慣にも影響するといわれています。手遅れにならないうちに改善しないと、大人になってから健康に支障をきたすこともあるのです。

【学力への影響】
学力への影響も無視できません。ある調査では、成績が上位の子ほど早い時刻に寝ていることがわかっています。

睡眠には、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)があり、およそ90分おきに訪れるレム睡眠の間に、脳が記憶を整理するといわれています。ですから、睡眠時間が短ければ短いほど、そのチャンスが減ってしまうのです。

つまり睡眠不足は記憶が定着せず、せっかくの学習努力が無駄になってしまうかもしれません。勉強したことをしっかり身につけるには、十分な睡眠が欠かせないのです。

【心への影響】
子どもが睡眠不足になると、感情のコントロールが難しくなるということが指摘されています。遊んでいてもイライラしてしまい、友だちと喧嘩してしまうことも。気づかないうちに友人関係を悪化させてしまうかもしれません。

昌仁醫修会瀬川記念小児神経学クリニック理事長の星野恭子先生は、「夜型の幼児は攻撃性が高く、不注意が多い。夜型の5歳児は三角形が書けない」と話しています。このように、睡眠が不足すると、心にも影響がおよびます。小さな子どもが、コントロールのきかない感情を抱え、心を痛めてしまうのです。

寝不足な子が出している3つのサイン

さて、こうした様々な危険にさらされている寝不足な子たちは、共通して何かしらのサインを出しています。それを親御さんが敏感に察知することで、早期に睡眠不足を解消させてあげられるかもしれません。

そこで、下記に寝不足な子によく見られるタイプや行動、様子を挙げていきたいと思います。

【寝不足のサイン1:自己肯定感が低い、イライラしている】
子どもの態度や発言に注目してみてください。理由やきっかけもなく常にイライラしていたり、「どうせ自分なんか」「頑張っても無駄だし」といった投げやりな言葉を口にしたりしていませんか?

文科省の調査から、睡眠不足の子どもには、自己肯定感が低く、イライラしやすい子が多いということがわかりました。自己肯定感が低いということは、自分の能力に自信がなく、自分の存在価値が見出せないということ。自分で自分のことを好きになれないのです。

子どもの態度や発言に「あれ?」と思うような点があれば、それが要注意のサインと考えられるでしょう。

【寝不足のサイン2:昼間の居眠りが多い、休日に遅くまで寝ている】
日常的な行動にも、睡眠不足のサインは潜んでいます。昼間に居眠りをしていることが多かったり、休日に寝溜めをしたりする行動は、まさに普段の睡眠が足りていない証拠です。

授業中も居眠りしてしまい、授業の進度についていけなくなってしまうことも。対応が遅れると、不登校になるケースもあるといわれています。

こうした行動は、周囲から「怠け者」と誤解されることが少なくありません。せめて親だけでも、子どもの睡眠が足りていないということに気づいてあげたいところです。

【寝不足のサイン3:毎日忙しい、何事にも頑張りすぎてしまう】
何事にも真面目に、一生懸命取り組む頑張り屋さんは、睡眠不足になりやすいといわれています。

学校や塾、習い事など、忙しい毎日を送る子どもは少なくありません。それらを無理矢理すべてこなそうとすれば、睡眠時間を削るしかない、ということになってしまいます。

子どもの様子を見て、「ちょっと頑張りすぎているな」と気になるなら、それが要注意のサインといえるのではないでしょうか。

まずは親の睡眠時間を確保するべき

我が子の睡眠が足りていない――。その事実に気づいたとき、親はどのようにして、子どもの睡眠時間を確保すればいいでしょうか。実は、親だからこそできる秘策があるのです。

睡眠文化研究所が行なった調査「都市生活における家族の睡眠の現状」によれば、親子が同じ部屋で眠る家庭は全体の80%で、子どもの睡眠は親の睡眠と密接に関係しているそうです。そして、「夜型の母親が夜型の子どもをつくる」「両親の睡眠の健康が悪いと、子どもの睡眠健康も悪い」ということが明らかになっています。つまり、子どもの睡眠時間を確保するなら、その前に親の睡眠時間を確保するべきなのです。

とはいえ、家事や仕事で忙しい親にとって、睡眠時間を増やすことは大変なことでしょう。その場合は、親子で寝る部屋を別々にしてみたり、夜行なっていた家事を朝に回してみたりと工夫してみましょう。子どもの未来を決めかねない「睡眠」。家族で話し合い、できることから少しずつ試してみてくださいね。

***
子どもの睡眠不足に気づき、それを改善できるのは、親だということがわかりました。これを機に、ぜひ家族で睡眠について話し合ってみるのはいかがでしょう。部屋の環境を整えたり、就寝時間を調整したりなど、家庭ごとに異なる最適な改善策が見つかるかもしれませんね。

(参考)
ALL About暮らし|子どもの夜型化には危険がいっぱい!
オークローンマーケティング|子どもの睡眠に関する調査結果
東洋経済オンライン|「成績のよい子」は、だいたい何時に寝るのか
ダイヤモンドオンライン|睡眠不足で脳に恐ろしい影響が?子どもの最適な勉強・読書時間とは
睡眠屋オンラインショップ|理想の睡眠時間で子供の成長の手助けを
ヤフーニュース|大人よりも深刻――子どもの「睡眠負債」その実態とは
文科省|睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果(概要)
産経WEST|「早く起きることが苦痛」塾通い・スマホで体内時計リズム“崩壊”、寝不足の子供続出…睡眠教育の効果は
睡眠文化研究所|都市生活における家族の睡眠の現状