あたまを使う/国語 2018.6.18

【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第1回:夏休みのラスボス、読書感想文

松嶋 有香
【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第1回:夏休みのラスボス、読書感想文

読書感想文。この5文字を見るだけで、「はぁ……」とため息が出ませんか? 夏休みもあと1週間。残暑の中、やっとのことで大物「自由研究」をやっつけ、残るは、ラスボス「読書感想文」。でもあなたは「さっさと読んで、とっとと書いちゃいなさいよ」と自分でさえ理不尽に感じる言葉を吐き出すことでしょう。

読書感想文。思い返せば、お母さんも嫌いだったのではありませんか?

課題本は興味のないものばかりだったし、せっかく一生懸命書いても誰も褒めてくれない。賞を取った子の作文を読むと、文学的な才能があり、自分には到底無理だと感じた。そもそも学年でひとりしか選ばれないような賞を目指して、なぜ毎年挑戦しなくてはいけないのか。そして自分の作文の何が悪かったのか、何が足りなかったのかも誰も教えてくれないし、分からないまま、また翌年も宿題になる。そうだ、そもそも書くことが嫌いになったのは、読書感想文がきっかけだったかもしれない……。

そんな思いは、終わりにしませんか?
今年は、このラスボス、読書感想文を親子で楽しみ、味わいつくす夏にしませんか?

読書感想文ビフォー&アフター

こんにちは。松嶋有香です。幼稚園年長から小学校6年生まで、作文指導を中心にした国語塾をインターネット上に開いています。また、大人を対象に文章力のコーチもしております。他に、コラムも書きますし、理事を務めているNPOでは、外部文章全体を担当しています。まあ、何と言いますか、「文章を書くこと」と「文章を指導すること」を仕事にしている人間です。

小学生の読書感想文については、自分の塾で指導して今年で14年目になります。学生時代の家庭教師時代も入れると、経験はもっと長く、相当な数の読書感想文指導をしてきました。その経験を活かし、この夏、新しい読書感想文の世界へ皆さんをお連れしたいと思っています。

・子供が、読書感想文の書き方がわからないという。
・読書感想文を嫌っていて、宿題をさせるのに毎年バトルになる。
・自分も読書感想文をどう書かせればいいか分からない。

そんな感想を持っていたお母さん達が、私の読書感想文講座を受講したあと、こんな感想を寄せてくれました。

・進め方がとても分かりやすくて、勉強になりました。夏休み前までは漫画ばかり読んでいた息子ですが、いつの間にか漫画以外も自然に読むようになっています。(小4男子)

・先生の読書感想文指導がなければ、1年生という甘えもあり、親の方がここまで書かせなかったと思います。1年生でも原稿用紙に書けるということに、まず驚きました。本人も書くことに対しての自信に繋がったと思います。(小1男子)

さて、私は何をしたのでしょう?
代筆でもしたのでしょうか?(笑)
笑いごとではありません。信じられない話ですが、読書感想文を代筆して稼いでいる人もいます。また、子どもの作文をオークションで売っている大人もいます。その人達の倫理観はさておき、そのようにして手に入れた読書感想文で、子どもが成長しないのは火を見るより明らかです。

例えば、私なら、代筆業もできます。その子独特のエピソードなんかを聞かせてもらったら、それこそ、本人が書いたのでは? と思えるようなリアリティある感想文も書ける自信があります。感想文指導より、その方が儲かります(笑)ではなぜそうしないのかというと、私は教育者だからです。倫理の問題ではありません。読書感想文を書くという行為が子どもたちにどんなに素晴しい力を付けるのか、よく知っているからです。

もちろん、私の読書感想文講座の中には添削指導があります。専門教師の添削を受けることは、サッカーのコーチやピアノの先生から指導を受けるのと全く同じことで、大変意味のあるものです。しかし、読書感想文を書くことそのものは、教師がいなくてもできます。そもそも感想の文章を書くことは、感想を持った本人にしかできないことです。

また、読書感想文は、特に小学生は、親子で取り組むといいと感じています。お母さんは、子どもが自分とは違う人間であることを実感するでしょう。気がつかなかった子どもの成長を目の当たりにし、感激するに違いありません。

読書感想文指導のたった1つのコツ

全8回の連載を通じ、私はまず、親の意識を変えます。第1回ですが、ズバリ結論。

親ができることは、たった1つ。「子どものすることを否定しないこと」

これだけで、読書感想文がかなり楽しいものになります。

・何でそんな本を選ぶの? こっちの方が良くない?
・どうしてそのシーンを選んだの? このシーンの方が書きやすいんじゃない?
・どうしてそういう感想なの? この本はそういうことを言っているんじゃないよ。

もし言われたらと思うと、大人でさえ、げんなりするセリフばかりです。あなたもそう感じませんか? まずは、これらの言葉をすべて禁止にしてみましょう。そうすることによって起きる奇跡を体験しましょう。

読書感想文は、本をきっかけに自分と向き合う経験です。まずは、このことをしっかり受け止めてください。自分と向き合った気持ちを言葉に直すことが楽になると、嫌なことを嫌と言える子になります。本当の気持ちを説明できる子になります。

誰も習ったことがない「読書感想文の書き方」

こんなに素晴しい読書感想文ですが、子どもたちは書けません。なぜなら、学校で書き方を教えないからです。学習指導要項では小5、小6の国語で学習することになっています。つまり、小4までの生徒は習っていないのに宿題になっていることになります。

もし、この記事を何らかの形で目にした文科省関係の皆さん、低学年からの読書感想文指導をお願いします。夏休みの宿題で出しているのですから、ぜひ働きかけてください。それまでは、私たちのような人間が頑張ってつなぎますから、子どもたちのためにも、早めの対応をお願いします。

読書感想文の書き方、今回からその方法を少しずつ伝授していきます。いろいろなお母さん達のエピソードも添えていきます。きっとあなたに似たお母さんも登場しますよ。

■ 次回予告
第2回 『そうだ、本屋へ行こう!』
内容:読書感想文で書く本選びのコツ