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夏休みの作文に読書感想文、毎日の日記。小学生の子をもつ親御さんは、こうお困りではありませんか?
- 似たような言葉のオンパレード。もっと表現力豊かに書けないの?
- 原稿用紙のマス目がなかなか埋まらない。書くことが思いつかないのかな?
- 子どもに任せていても、一向に書き終わらない。
- かといって、どうやって書き方を教えればいいのかもわからない。
「作文力を高めたい!」そう強く願う親御さんとお子さんの強い味方となる “作文バイブル” をご紹介しましょう。
子どもの「書く力」、伸ばすも潰すも親次第
「もっとちゃんと書きなさいよ」「どうしてそんなふうにしか書けないの?」
我が子の作文のことで悩んだことがある親御さんなら、こう言ってしまったことは一度や二度ではないはず。ですがじつは、これは絶対に言ってはいけないNGワードです。
伝える力【話す・書く】研究所所長で、以前「STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ」の連載『作文力の伸ばし方講座』で作文力アップ法を教えてくれた山口拓朗さんは、次のように述べています。
残念ながら、いくら親がガミガミ叱っても、子どもの作文はうまくなりません。なぜなら、子どもは「自分が書いた作文」を否定されるたびに自信を失っていくからです。親に否定されながら作文がうまくなるケースは極めて稀です。それどころか、ほとんどの子どもが作文嫌いになってしまいます。そう、子どもの作文能力の芽を摘んでしまっているのは、実は、親であるあなたかもしれないのです。
(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|親の誤った声がけが、子どもの作文力の芽を摘む?――「作文好き&得意」な子どもと「自己肯定感」の関係)
山口さんいわく、「ずばり、作文というのは『その子そのもの』」。子どもは作文を通し、自分の気持ちや感性、考えを伝えています。それなのに、文章の書き方が上手でなかったからといって親がケチをつけたら、子どもは自分自身が否定されたように感じ、「自分なんかに上手な作文は書けない」「何を書いたってダメだ」と思うようになってしまうのです。
「子どもの作文には、良し悪しはない。あるのは個性だけだ」と山口さん。親がまずすべきことは、「作文=その子そのもの」だと心得ること、そして子どもが書いたどんな文章もまずは受け入れることなのだそう。
子どもへの「質問」で、作文力を目覚めさせよう!
とはいえ、何を書いても放っておいていいわけではないことは、明らかですよね。いったい親は何をすれば、どんな言葉をかければ、子どもの作文力を高めてあげられるのでしょう? そんな疑問を解消してくれる1冊をご紹介します。
『魔法の質問で「コトバの力」を伸ばそう 親子で取り組む作文教室』
山口拓朗 著/日本能率協会マネジメントセンター (2020/8/1)
こちらは、前述の連載『作文力の伸ばし方講座』がもとになって出来上がった本。子どものなかに眠る作文能力を目覚めさせ、飛躍的に伸ばすための具体的なノウハウがたっぷり詰め込まれた、いわば “作文バイブル” です。
この本のキーワードは、タイトルにもある「質問」。
山口さんは、「子どもの頭のなかには作文を書くための『素材』は十分ある。にもかかわらず作文が書けないのは、その取り出し方を知らないからだ」と言います。「素材」を取り出せれば、作文は断然書きやすくなるとのこと。そこで力を発揮するのが、親から子への「質問」です。
質問されれば、自然と答えを考え始めるもの。その過程で自分の気持ちや考えを言葉にすることになり、子どもは「そうか、こう書けばいいんだな」と気づくことができるのです。
質問力に自信がない親御さんでも、具体的な質問例が豊富に載っていますので大丈夫。また、
- 便利な作文テンプレート
- 表現力を豊かにする、オノマトペや比喩の使い方
- 魅力的な書き出し、締めくくりのコツ
- 子どもが自然と書きたくなるお題の出し方
- 読書感想文の書き方
- タイトルのつけ方
- 原稿用紙の使い方
- 推敲のコツ
など、実践的な内容がもりだくさん!
(※リンク先があるものは、山口さんの連載記事で、一部をご覧になれます)
親から子への「10の質問」で、魅力的な読書感想文になる!
お手本も多数紹介。子どもが見ても楽しい!
子どもの作文にまつわる悩みが一気に解決すること間違いなしの1冊です。
書くことがない! を解消する「オハウタ」の魔法
本では、質問の仕方以外にも、作文能力を高めるコツがいくつも紹介されています。たとえば、作文はもちろん日記にも使える「オハウタ」というテクニック。
「オハウタ」とは、次の4つのことです。
- 驚き
- 発見
- 嬉しさ
- 楽しさ
日記に書くことが思いつかないとき、子どもはよくこう言いますよね。
「お母さーん、今日の日記、何書けばいいのー?」
もしそう言われたときには、こうアドバイスしてあげるといいそう。
「今日一日で発見したことをひとつ書いてみよう!」
下線のところを「驚いたこと」「嬉しかったこと」「楽しかったこと」に変えれば、バリエーションが出ます。多くの子どもにとって「オハウタ」はワクワクできるものなので、こう誘うだけでがぜんやる気を出しますよ、と山口さん。
これでもう、毎日書くネタには困らなくなりますね。
山口拓朗さんより親御さんへメッセージ
最後に、著者の山口さんよりSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボの読者にメッセージを頂きました。
本来、作文を書くことは、子どもにとって、遊び同様にワクワクするものです。観察力や想像力を働かせながら、見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたことを原稿用紙に表現する。このプロセスで磨かれていく能力もたくさんあります。とはいえ、作文を書くことが苦手な子もいます。「何をどう書いていいか」がわからないのです。
そこで、親であるあなたの出番です。インタビューというかたちで、子どもに質問をすることで、子どもの思考はどんどん活性化していきます。質問に答えていくうちに、作文に書けそうなネタが手元にどんどん集まります。すると、不思議なことに、子どもは「書きたい!」という気持ちになるのです。
パパやママが質問をしてくれることは(話を聞いてくれることは)、子どもにとって大きな喜びでもあります。親子インタビューには、子どもの作文能力を伸ばすだけでなく、親子の絆を一層強め、関係性をよくする効果もあるのです。あなたの質問力で、子どもを「作文好き」に育ててあげてください。
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作文能力を高めることは、子どもの個性を輝かせたり、自己肯定感を育んだりすることでもあります。ぜひ親子で作文に取り組んで、豊かな時間を過ごしてくださいね。