教育を考える/食育 2018.12.29

食べ物の歴史や季節感を子どもに伝えよう! 年末年始ならではの料理には意味がある。

食べ物の歴史や季節感を子どもに伝えよう! 年末年始ならではの料理には意味がある。

年末年始になると子どもは冬休みに入り、家族で過ごす時間が増えますよね。この時期は、大みそかにお正月とイベントがめじろ押しで、それに伴って年越しそばやおせち、お雑煮など、昔から日本で親しまれている料理を食べる機会がたくさんあるでしょう。

その時期ならではの料理を楽しむ意味を子どもに教えることは、家族間のコミュニケーションを充実させたり、子どもが食べ物や栄養について考えたりするきっかけに。

今回は、年越しそばやおせち、お雑煮や七草粥といった年末年始の料理の意味について紹介します。ぜひお子さまと一緒に「〇〇を食べる意味はね……」と話してみてくださいね。

■年越しそばを食べる意味

年越しそばを食べる意味には諸説あります。

  • 細く長く伸びるそばは、寿命や家運を伸ばすとされたため。
  • そばは切れやすいことから、1年の苦労や厄を断ち切るとされたため。
  • 金箔を使う職人が、飛び散った金粉を集めるのに練ったそば粉を使っていたことから、そばは金を集めるとされたため。
  • 大みそかに貧しい人々に向けてそば餅を振る舞ったところ、翌年から彼らの運気が上がったことから、大みそかにそばを食べると運がつくとされたため。

そばの特徴から縁起を担いでいたり、実際の出来事がもとになっていたりと、さまざまなケースがありますが、いずれの場合も新しい年を良いものにしたいというポジティブな思いがあるようです。

また、そばの薬味として欠かせないネギにも、疲れを労うという意味の「労ぐ(ねぐ)」、祈るという意味の「祈ぐ(ねぐ)」、神職の「祢宜(ねぎ)」といった言葉にかけて、1年の頑張りを労いつつ、新年を良いものにしたいという願いが込められています。

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■おせちを食べる意味

「おせち」とは暦上の節句(季節の節目)のことで、節句に食べる料理をおせち料理と呼んでいました。現在では節句の中でも特に重要な正月に食べる料理を指す言葉として使われています。

おせちには煮物や酢の物など、日持ちのする料理が多いですが、これには普段から料理を担当していることの多い女性にお正月の三が日はゆっくり休んでもらうという意味があるのです。

また、お正月は神様をお迎えする時期であり、お正月に火を使うなどして台所を騒々しくするのは良くないとされていることもかかわっているようです。また、おせちが詰められる重箱には「めでたさを重ねる」という意味があり、縁起が良いとされています。

おせちにはさまざまな品目がありますが、それぞれに込められた意味や願いは以下の通りです。

■数の子

卵の数が多いことから、子孫繫栄を願う縁起の良い食べ物とされています。

■田作り

田作りとは、片口イワシの稚魚を干して甘く炊いた料理です。片口イワシを肥料として使った田畑が豊作になったことから、五穀豊穣を願う食べ物とされています。

■黒豆

黒い色には邪気払いの意味があります。また、真っ黒に日焼けするほど、まめで勤勉に働けるようにという願いも込められています。

■たたきごぼう

地中の深くまで長く真っすぐ根を張るごぼうを食べて、家全体が堅固であることを願います。

■紅白かまぼこ

かまぼこの形が初日の出に似ていることから、おめでたい食べ物とされています。さらに赤には魔除けや慶び、白には清浄の意味があります。

■伊達巻

伊達巻の形が巻物に似ていることから、知性を象徴する食べ物とされています。また、卵を使っていることから子孫繫栄を願う意味もあります。

■昆布巻き

昆布は「よろこぶ」の語呂合わせとして縁起が良いとされています。また、昆布巻きの中身のニシンは子をたくさん産むので、子孫繫栄の願いも込められています。

■栗きんとん

漢字で「栗金団」と書くことから、金や豊かさの象徴とされています。

■海老

海老は長いひげを生やしており、加熱すると腰が曲がることから、ひげが伸びて腰が曲がるまで長生きするという願いが込められています。

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■お雑煮を食べる意味

お雑煮は、お餅とさまざま(雑多)な食材を煮込むことからその名がついたとされていますが、元々お雑煮には年神様に供えたお餅が使われており、食べることで年神様から新年の力(年魂)をいただくという意味がありました。

また、前菜として新年の酒宴の前に食べると胃を安定させることから、内臓を守るという意味で「保臓(ほうぞう)」と呼ばれていたという説もあります。

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■七草粥を食べる意味

七草粥とは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七草が入ったお粥です。聞きなれない名前も多いですが、スズナはかぶ、スズシロは大根を指します。

七草粥を1月7日に食べる習慣は、江戸時代から始まったといわれています。七草は前日の夜に未婚の乙女が摘んだものが望ましいともいわれていました。

七草は冬の寒さにも負けずに芽を出すことから生命力の象徴であり、食べることで邪気払いや無病息災を願うという意味があります。縁起の良い七草ですが、実はこの時期に食べるのには栄養面や健康面にも関係しています。

お正月はおせちやお雑煮などの味の濃いものをたくさん食べてしまいがちで、胃腸に負担がかかっています。七草はどれもビタミンが豊富であり、なおかつお粥にして食べることで消化が良くなるため、胃腸の回復を助けます。七草粥は、お正月の暴飲暴食で疲れた胃腸の救世主のような存在なのです。

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子どもと一緒に年末年始ならではの料理を作ったり食べたりしながら、その意味や願いについて伝えることは、日本ならではの季節感を意識することや食べ物の歴史に興味を持つことにもつながります。今年の年末年始は、伝統料理を通した食育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

文/田口るい

(参考)
東京ガス ウチコト|「おせち料理の意味ってなに?」おせち料理の意味と由来、ルール
そばの散歩道|麺類雑学事典 年越しそば
All About|お正月にすることは?正月とは?行事由来・過ごし方【決定版】
キッコーマン|七草粥の豆知識
日本文化いろは辞典