教育を考える 2018.9.26

東大生の親の4つの特徴。「勉強できる子」の脳を育てるために、親がするべき心がけ

編集部
東大生の親の4つの特徴。「勉強できる子」の脳を育てるために、親がするべき心がけ

子どもの脳を「勉強できる子」の脳に育てたい――。多くの親御さんの願いですよね。子どもが将来にわたり学力を伸ばしていけるようになるために、親は家庭で子どもをどう教育すればよいのでしょう。

それを知るために今回参考にするのが、「東大生の親は、子どもの幼少期、家庭でどのように子どもに接していたのか」ということ。東大生を育て上げた親の教育のしかたには、賢い子どもが育ついくつかのポイントがあります。

東大生の親の特徴から、すすんで勉強し学力を伸ばせる子どもを育てるためのヒントを探ります。

東大生の親は「勉強しなさい」と言わない

いろいろなメディアで、「東大生の親は子どもに『勉強しなさい』と言わない」と語られているのをよく耳にしませんか?

東大家庭教師友の会が、約7,000人の現役東大生から集めた経験談を分析した結果によると、聞き取りをした東大生の8割以上が親に「勉強しなさい」と言われずに勉強し、東大に合格したのだそう。ではなぜ、東大生は「勉強しなさい」と言われなくても東大に合格できたのでしょうか?

大きな理由として考えられるのは、親に「勉強しなさい」と言われなくても自分から勉強する自主性が備わっていたから。勉強が好きで、自分ですすんで勉強する意識や習慣が身についていたから、親は「勉強しなさい」と言う必要がなかったのでしょう。

ここで、「勉強しなさい」という親の言葉と、子どもの勉強する動機に関する興味深いデータを紹介します。

東京大学社会学研究所とベネッセ教育総合研究所が「子供の生活と学びに関する親子調査2015-2016」という調査において、小4~高3の子どもを対象に「勉強が嫌いか・好きか」を尋ね(2015年)、1年後(2016年)にその意識の変化を再度尋ねました。その調査で勉強が嫌い→勉強が好き」へ意識が変化した小学生と、勉強が嫌いなまま」で意識が変化しなかった小学生の勉強する理由を比べたところ、以下のような結果となりました。

勉強が嫌い→勉強が好きになった子どもが勉強する理由のトップは、「新しいことを知るのがうれしいから」で76.1%
勉強が嫌いなままの子どもが勉強する理由のトップは、「先生や親にしかられたくないから」で51.3%
勉強が嫌いなままの子どものうち、「新しいことを知るのがうれしいから」勉強する子どもは42.0%しかいない
勉強が嫌い→勉強が好きになった子どもは、実際に学習時間が延び、成績も上がった。

この調査結果からわかるのは、知的好奇心や関心に基づいて勉強する子どもは勉強が好きになる可能性が高いということ。勉強が好きになれば、勉強時間も成績も伸びていきます。

一方、知的好奇心・関心を持てない子どもは親に叱られないと勉強しないうえ、親に叱られるのが嫌だからしぶしぶ勉強するしかない状況。自主的には勉強しないので「勉強しなさい」と叱られる回数が増え、さらに勉強が嫌になる……。そんな悪循環に陥っている可能性があるようです。

子どもを勉強好きにさせたいなら、「勉強しなさい」と言うより先に、勉強に対し好奇心を向けさせることを意識したほうがよいでしょう。

東大生の親は、大人になっても向学心がある

プレジデント社が2016年に発表した、現役東大生174人の小学生時代に関する調査結果によると、東大生たちの親の6割が大人になっても勉強していた(いる)のだそう。

語学や資格の勉強をしたり専門書を読んだりして、大人になっても知的好奇心を持ち続け向学心を失わない姿勢を子どもに見せることは、子どもの勉強意欲を大いに刺激するものだと言えそうです。

このことは、脳の働きからも説明することができます。脳医学者の瀧靖之氏は次のように解説しています。

脳にはまねすることに特化している“ミラーニューロン”という領域があります。言語もスポーツもすべては模倣です。子どもというのはまねがすべてですから、大人が楽しそうにやっていると、子どももまねして楽しそうにやります。ですから、子どもに何かをやらせたいと思ったら、まずは親自身が楽しむことが大切なのです。

(引用元:東洋経済ONLINE|頭のいい子に共通する小学校時代の過ごし方

親が向学心を持ち、実際に楽しそうに勉強している姿を子どもに常々見せていれば、子どもは「勉強するのは当たり前」「勉強は楽しいものだ」と感じるでしょう。東大生の親が子どもに「勉強しなさい」と言う必要がなかったのには、こういう背景があったのですね。

東大生の親は忍耐強い

「辛抱強い」というのも、東大生の親の特徴であるようです。上のプレジデント社の調査結果において、東大生の親の多くに共通する点として我慢強さが挙げられています。例えば、仕事や家事が大変でも愚痴や文句を言わない、弱音を吐かない。それでいて、子どもに対しては寛容な姿勢を保っている。そんな親に尊敬の念を抱く東大生が多いのだそう。

また、東大生の親は子どもに対しても忍耐強いようです。プレジデント社が東大生の親子に対し行なった別の調査によれば、幼少期の子どもの遊びに親が根気強く付き合ったことが、子どもの集中力を伸ばすことにつながったと見られるのだそう。同じ本を繰り返し読むようせがまれたり、「もう1回遊ぼう」が延々続いたりすると、親のほうが先に飽きてしまうもの。ですがそんな状況でも辛抱強く子どもの遊びに付き合ってあげることは、学力にも活きる集中力を養うのに効果的なのです。

そして、「子どもの勉強の成果をすぐに期待しない」という点でも、親は子どもに対して我慢強くあるべきです。その理由を、東京大学薬学部教授で脳研究者の池谷裕二氏は次のように説明しています。

勉強の努力と学習効果は、「べき乗」の関係にあることが知られています。つまり勉強量と成績の関係は単純な比例関係ではなく、むしろ幾何級数的な急カーブを描いて上昇する。1、2、4、8、16、32……という具合に最初はゆっくり、しかし勉強を続けるほどに成績は長足で伸びていくのです。

(引用元:プレジデント社|「100点取れて、エライね!」がダメな理由

子どもの勉強の成果がなかなかあがらないと、「なんで成果が出ないのだろう」「ちゃんと勉強していないのではないか」と心配になり、つい「もっと勉強したら」と言ってしまいがち。ですが、努力を続ければいつか大きな成果が現れるもの。成果を急ぐあまり「勉強しなさい」と言うことは、あまり意味がないことなのかもしれません。

東大生の親は子どもに読書を促している

東大をはじめとする一流大学に通う学生にアンケートをとり、その結果を分析した『一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』によると、学生の多くが幼少期からたくさんの本を与えられて育ち、読書習慣を身につけてきたと回答したのだそう。同書では、読書によって好奇心、読解力、集中力が伸びた結果、自主的に勉強する意識が自然と培われたのだと分析しています。

また、KUMONが現役東大生100人に対し、2015年に実施したアンケートでは、子どもの頃に親にしてもらって感謝している教育のトップは「絵本の読み聞かせ」でした(100人中40人が回答)。

東大生の親は、子どもに絵本を読み聞かせたり、図書館から次々と本を借りてきたり、本を積極的に買い与えたりして、子どもが日常的に本に触れられる環境を作っていたようです。

JAPAN絵本よみきかせ協会代表理事の景山聖子氏は、親が子どもに絵本を読み聞かせることは学力向上につながると言います。絵本の読み聞かせによって、子どもは絵を見ながら言葉を記憶するため語彙力が向上します。そして、多くの言葉を理解することで文章理解力も向上。それが実際の学力向上にもつながるのです。絵本の読み聞かせをしてもらった経験の多い子どもの中には、テストの読解問題を解く際、絵本を読んでいるときのように情景をイメージし、高得点を取る子がいるのだそうですよ。

読書習慣をつけさせれば、子どもの知的好奇心が伸び、「勉強しなさい」と言われなくてもすすんで勉強する子どもに育ちます。想像力を養えるだけでなく将来の学力にもつながる読書を、ぜひ子どもの日常に取り入れてあげたいものです。

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東大生の親が実践していたことは、難しいテクニックや特別な知識が必要なものではないことがわかりました。実際の家庭環境や教育方針は千差万別ですから、黄金の法則を見出せるわけではないかもしれません。しかし、生活習慣や心がけのしかたを工夫すれば、子どもの脳を「勉強できる子」の脳に近づけることはできるでしょう。

(参考)
ダ・ヴィンチニュース|【現役東大生7000人】子どもの頃の習い事、1位「水泳」、2位「ピアノ」…賢く育てるためのヒントとは?
ベネッセ教育総合研究所|東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査2016」Ⅱ 分析と考察
PRESIDENT Online|「勉強しろ」叱られる子の人生は残念無念
PRESIDENT Online|子供を東大に入れた親は「愚痴らない・怒らない」
東洋経済ONLINE|頭のいい子に共通する小学校時代の過ごし方
PRESIDENT Online|親と”神経衰弱”する子が東大合格するワケ
プレジデント社|「100点取れて、エライね!」がダメな理由
ダイヤモンド・オンライン|東大生、一流エリート…成功する子の親は「○○」をしている
こどもまなび☆ラボ|「東大生が親に感謝していること」堂々1位! 本の読み聞かせの効果と “学力を上げる” 本の選び方。
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