2019.8.2

「食」の体験型施設で知的好奇心を刺激せよ! 【おすすめテーマパーク11選】

「食」の体験型施設で知的好奇心を刺激せよ! 【おすすめテーマパーク11選】

身近な食品・食材について学んだり、自然と触れ合える「食」のテーマパークがあるのをご存じですか。

食育につながるのはもちろん、自然を通し、子どもの感性や知的好奇心を刺激し、表現力の豊かさにつながる場としてとても効果的なのです。さっそく、ご紹介しましょう!

「自然」に触れ合い、「食」について学ぶ意義

「食」のテーマパークとは、食品を扱う企業やメーカーが運営する体験型の施設のこと。食品や食べ物について知る・学ぶ、工場やミュージアム見学、収穫・調理体験、自然に触れ合う……など、施設によって体験できる内容はさまざまですが、親子で一緒に楽しめるものが多いのが特長です。施設内にはレストランやカフェがあることも多く、半日~1日かけてゆっくりと過ごせるのも魅力。

全国に数ある中でも、子どもの「感性・知的好奇心」を刺激し、「学び」や「食育」につながるという理由でオススメしたいのは、“自然に触れあえる、自然体験ができる” 食のテーマパークです。

ご存じの通り、今の子どもたちは自然に触れる機会がほとんどなくなってしまっています。多くの専門家や教育評論家もそのことを危惧し、もっと子どもに自然体験を、と指摘しています。

プロ・ナチュラリストの佐々木洋さんもその一人。幼少期から自然に触れることは、「多様性を知る」「思いどおりにならないことがあると知る」という学びにつながると言います。

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また、自然の中の生きものを丁寧に描いたロングセラー絵本「14ひきのシリーズ」(童心社)でおなじみの、人気絵本作家・いわむらかずおさんも自然体験の必要性について次のように指摘します。

教科書で読んだり、インターネットで調べたりして知るだけでは、感覚的に把握することはできないでしょう。そして、命にまつわる基本的なことを実感できていなければ、生きものの世界の不思議に関心が向いていきません。(中略)自然の中に自ら足を踏み入れ、いろんな生きものたちに出会うことで、初めて肌感覚で理解できるようになります。豊富な自然体験を通して、自然の仕組みが、すっと体の中に入っていく。これが大事ですね。そしてそれは、生きものの世界へのさらなる興味を喚起することにつながると思います。

(引用元:Study Hackerこどもまなび☆ラボ|無関係だと感じたら、好奇心は育たない。「自然体験」「農業体験」は命の仕組みを学ぶチャンス!

そして、農業体験の意義についても、次のように話しています。

命の基本的な仕組みの中心にある「食」について考えたときに、人間の場合は、農業がとても大きな意味を持っているんです。生きることの営みの中心に「食」があって、人間にとっては「食」の中心に農業がある。だからこそ、子どもたちに農業、そして農作物について、もっと知ってもらいたい。

(引用元:同上)

「自然」と「食」は切っても切り離せない関係と言えるのでしょう。しかし、いざ自然に触れよう、とどこかの山や川へ出かける、というのは慣れない親子にとってはちょっとハードルが高いかもしれません。農作業にしても、できる場や機会は限られています。

そういう意味でも自然に無理なく触れることができ、同時に「食」について学び・体験できる「食」のテーマパークは好適の場。子どもの好奇心を刺激する要素もたくさん詰まっていますよ。

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親子で楽しめる施設、オススメ2選

実際にそういった体験ができる食のテーマパークをご紹介しましょう。

「カゴメ野菜生活ファーム」

今年4月にオープンしたばかりの“野菜”のテーマパーク。壮大な八ヶ岳を一望できる環境の広大な敷地(約21ha)の中に、トウモロコシやブロッコリーの畑、トマト温室、工場、レストラン、ショップなどがあります。

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体験の目玉は、野菜の収穫、調理体験。例えば、8月はミニトマト、加工用トマト、とうもろこしなどの収穫が体験でき、収穫した野菜を使って、トマトジャムやフライパンピザ、トマト大福作りなどが体験できます。

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それらはすべてスタッフの案内ガイドのもとで行なわれるため、理解が深まるのはもちろん、質問にもその場で答えてもらえます。ほかに、野菜飲料の工場見学、ミュージアム見学などもあり、こちらも見応え十分。レストラン、ショップも併設。

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長野県諏訪郡富士見9275-1 ☎0266-78-3935
開館時間:10:00~17:00
休館日:火曜日
※12月~3月は休業
※工場見学(無料)、野菜の収穫・調理体験(有料)は要予約(HPにて受付)。プログラム内容は時期により異なるため、詳細はHPでご確認もしくはお問い合わせください。

「かんてんぱぱガーデン」

日本を代表する寒天メーカー・伊那食品工業が運営。緑広がる3万坪の広大な敷地の中に、本社・工場があるほか、庭園、レストラン、ショップ、美術館などが点在。

見どころは、「山野草園」という散策スポット。都会では見られない立派な赤マツが立ち並ぶ中、季節の草花、池ではメダカやアメンボを見ることができます季節の草花にはそれぞれ名前が書かれた札があり、そこはまさに図鑑の世界。子どもと一緒にそれらを見ながら歩くだけでも楽しいはずです。

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さまざまな虫にも出合えるので、男の子は虫探しに夢中になってしまうかも。寒天メーカーなので、農業体験などはありませんが、普段見ることのない天草(寒天の原料)の展示物を見たり、寒天商品を作る工場(最終工程の包装ライン)の見学などが可能(※平日のみ)。ショップをのぞけば、寒天の商品化への多様な展開(ゼリー、スープ、蜂蜜、飲料など)も発見できるでしょう。

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ほかに、植物細密画(ボタニカルアート)の美術館もあり、まるで写真のようなリアルな植物の絵に、子どもも大人も釘づけになってしまうはず。レストラン・喫茶が計4軒もあるので、休憩や食事の心配も無用。朝からゆっくりと出かけたい場所です。

長野県伊那市西春近広域農道沿い ☎0265-78-2002
開館時間:9:00~18:00(冬季は18:00まで)
休館日:年末年始休
※レストランやショップの営業時間は店舗ごとに異なる

全国にある「食のテーマパーク」

上記2施設とも、住んでいる地域から遠くて行けない場合もあるかもしれません。

その場合は、「自然体験」と「(全国にある)食のテーマパーク」をそれぞれ別で体験するのもいいと思います。一度に体験できなくとも、発見や学びはあるはず。

食のテーマパークは以下に挙げたようにたくさんあるので、子どもの興味に合わせて選んでみてくださいね。

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食について考える良い機会になるだけでなく、子どもたちが体験したことはきっと良い思い出にもなるはず。ちょっと足を伸ばして出かけてみませんか。

文/鈴木里映

(参考)
Study Hackerこどもまなび☆ラボ|無関係だと感じたら、好奇心は育たない。「自然体験」「農業体験」は命の仕組みを学ぶチャンス!
Study Hackerこどもまなび☆ラボ|「自然だし、仕方ない」現代の恵まれた子どもたちが“自然体験”から学ぶ重要なこと
るるぶKids|体験しておいしく学ぶ!食育になる博物館・ミュージアム・テーマパーク12選
カゴメ野菜生活ファーム
かんてんぱぱガーデン