あたまを使う/教育を考える/国語 2019.12.3

作文力を伸ばす! 子どもの自己肯定感をも高める親の言動とNGワード

作文力を伸ばす! 子どもの自己肯定感をも高める親の言動とNGワード

大人になると、「作文」らしい作文を書くことはないものの、スラスラ書けるような文章力があればなぁ……なんてぼやきたくなることもしばしば。仕事では、企画書や上司への提案書、プライベートでもメールお礼状など、画面や紙を前にして、「うーん……」と唸ってしまった経験がある人も多いことでしょう。

だからこそ、子どもには作文嫌いにならず楽しんで書けるような子に育ってほしいと思うものですが、実際は、作文が嫌い・苦手と思っている子も少なくありません。また、子ども自身は苦手意識を持っていないようだけれども、親が読んでみると「なんだコリャ」と呆れてしまうレベルの作文を書いているというパターンも。

子どもに「作文が好き」「作文が得意」と思ってもらうために親は何ができるのか、まとめてみました。

作文が好きな子と嫌いな子はどこで分かれるのか

作文好きと作文嫌いの子の違いは、じつは「自己肯定感」がキーワード

親から「どうしてそんな書き方しかできないの」などと否定された経験がある子は、自信を失い、自分が書いてもいい作文は書けないんだ……と作文嫌いになってしまいがち。けれども、作文を無条件に認めるような褒め方をされた子は、「何を書いても大丈夫」「自分は作文が得意なんだ」と信じて疑わないのです。

子どもの自己肯定感を下げるようなことばかり言って、なおかつノウハウだけ押し付けようとすれば、子どもは反発したり、ふてくされたりするでしょう。作文を書くことへの興味も失われます。子どもが<作文好き&得意>になるか<作文嫌い&不得意>になるか、そのカギを握っているのは親にほかなりません。作文という自己表現の場を借りつつ、子どもの自己肯定感を高めてあげることが親の役割と心得ておきましょう

(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|親の誤った声がけが、子どもの作文力の芽を摘む?――「作文好き&得意」な子どもと「自己肯定感」の関係

子どもの作文嫌いを克服するために、まず一番に念頭に置いておきたいのは、親が子どもの作文(=子どもの存在そのもの)を丸ごと受け入れられるようになること。具体的な対処は、それからでも十分です。

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作文嫌いにさせる親のNG行動やNGワード

「読み書き」において、「読み」については、親が本に親しんでいれば子どももまねて読むようになるという定説もあります。でも「書く」ことについては、たとえ親が書くことが好きでも、子どもが自然に書くようになるかというと、そうはいかないもの。だからこそ、作文嫌いにさせるような言動は意識的に控えるようにしたほうがよいでしょう。

伝える力【話す・書く】研究所所長の山口拓朗先生は、以下のような声かけはNGだといっています。

  • 「どうしてこれだけしか書けないの?」
  • 「こんなこと、作文に書かなくていいの!」
  • 「こんな作文じゃ、また先生に怒られるよ?」
  • 「○○君みたいに、もっとちゃんと書きなさい!」
  • 「もっとよく考えて書きなさい!」
  • 「ホントにあなたはダメね」

 
どんな文章でも、「よく書けたね」「力強い字で伝えたい気持ちが伝わるよ」などといったほめ方はできるはず。書いたものを受け入れ、認めるという姿勢を保つようにしましょう。

そして、まじめなことをまじめに書く作文もありますが、作文嫌いの子には、書く楽しさ、表現する楽しさを味わわせることが最優先。おふざけや突拍子もない表現をしていていても、「おもしろいね」「すてき!」とほめながら楽しんで読むようにするといいですね。

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意外にも作文に有効な心がけ4つ

作文を好きになりスラスラと書けるようになるには、机に向かって原稿用紙を何枚も埋める鍛錬を重ねるよりは、楽しんで取り組める遠回りが有効です。

■積極的な外遊び
外遊びが子どもの成長にいい影響を与える、ということはよく見聞きされていることかと思いますが、じつは作文にも効果があるようです。ばったり友だちに会ったり、何して遊ぶかで揉めたり、昆虫や鳥を見つけたり、天気の変化があったり。家でゲームをするだけの時間よりもずっと、言葉にしたい出来事があふれています。

また、外遊びだけでなく、さまざまな体験、リアルな体験は記憶に焼きつき、作文を書くときのネタにもなるでしょう。教育環境設定コンサルタントの松永暢史氏も、「作文教育の土台は、誰かに話したくなるような“オモロイ”状況を作ること」だと言っています。

■家庭での豊かな会話
多くの体験や読書体験を生かし、それを言葉にして表現するには、まず家庭での会話が豊かである必要があります。ふだんの会話が「今日は何して遊んだの?」「鬼ごっこ」「おもしろかった?」「うん」……これだけではNGです。この会話を作文に書いたとしても「今日は鬼ごっこをして遊びました。おもしろかったです」という文にしかなりません。

何がどうおもしろかったのか。なぜ鬼ごっこをしようということになったのか。これは作文にも有効になるだけでなく、相手が伝えたいことを的確につかむ訓練にもなり、人前で発表する際にも役立ちます

■言い換えの習慣をつける

たとえば作文を書くにしても、「楽しかったです」が続いてしまったら、「これじゃ同じ表現になっちゃうからつまらないな。言いかえよう」と思えるのが語彙が豊かな子どもです。そうでない場合は、そのちょっとした言い換えに対してアンテナが立たないから、「こんなもんでいいじゃん」となってしまうのです。

(引用元:高濱正伸 (2012),『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』,青春出版社.)

たとえば親が、いい意味でも悪い意味でも使える「やばい」という言葉を頻用しているようでは、子どもに豊かな表現力が備わるとは思えません。「いい天気だね」の言葉を「雲ひとつない上天気だね! すがすがしい気分になるね」と言い換えてみるなど、普段から表現が単調にならないように心がけたいものです。

■要求は紙に書かせる
おもちゃが欲しい、ゲームをやりたい、テーマパークに連れて行ってほしい……、そんなおねだりは「なぜ欲しい・やりたいのか」の詳しい理由もあわせて紙に書かせるようにしましょう。

子どもは、欲しいものを手に入れるためには、多少面倒なことでもがんばってやるもの。作文だという意識がないからこそ、「書く」という作業への抵抗感も薄れてきます。

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苦手意識を払拭し、書く姿勢を身につけるには

作文を書くうえで「起承転結」という型があることは広く知られていますが、いきなり作文嫌いの子どもに「起承転結」を指導し実践させるのは難しいものです。まずは「主張」と「理由」の二部構成の考え方を教えるのがいいというのは、小論文・作文の通信指導塾「白藍塾」塾長の樋口裕一氏。

子どもに「型」を教えるにあたって、まず二部構成の考え方を教えるといいでしょう。自分の考えを伝えたいとき、二部構成にすることで、相手に理解してもらいやすいことを覚えさせるわけです。(中略)これは子どもに、物事を主張するには、根拠や理由が必要だと教えることでもあります。ふつう大人なら、何かを主張するときに、その理由・根拠をかならず示します。それにより説得力が生まれるからですが、子どもはそのことをわかっていません。

(引用元:樋口裕一 (2011),『子どもの考える力は「書き・読み」で伸びる!』,青春出版社.)

この二部構成を教えるにあたって、重要になってくるのが親子の日常会話。子どもの「◯◯がしたい」という主張に、誘導しながらでも根拠を言わせるのです。二部構成で話ができるようになると、「起承転結」の四部構成を書く土台にもなってきます。

また、樋口氏は『子どもの考える力は「書き・読み」で伸びる!』のなかで、親が子どもを作文嫌いにしないように持っていくための工夫をいくつか紹介しています。下記の3つは、すでに苦手意識を持っている子どもでも取り組むことができそうな対策法です。

好きなテーマでファンタジーを書かせてみる

「作文」と聞くと、読書感想文や夏休みの思い出、将来の夢など、たいして書きたいとは思っていないテーマであっても書かなくてはならないパターンが多いもの。そうなると、やはり作文と向き合いたいとは思いにくいはず。

そのようにテーマがネックとなっている子どもには、ファンタジーを書かせてみるのもよいでしょう。実際に行っていない場所、行けない場所でも、誰と行ってどんなことをして、などと考えるのは楽しい作業のはず。好きなキャラクターの話や、夢で見た不思議な出来事、未来の街並みなど、子どもが楽しめるテーマならなんでもOK。空想を巡らし、ワクワクする気持ちを味わってもらえれば大成功です。

途中で書けなくなったときは

「最低でも◯◯字は書かないと!」などと無理強いしても、いい作文が書けなくなるうえに、子どもが作文嫌いになるだけです。まずがんばったことを褒め、つまずいた部分を聞き出してアドバイス・誘導をしてみましょう。子ども自身が納得したら、もう一度書き進めることができるはずです。

うまく書けなかったときは

事細かに添削したうえ、「ここはこう書いたほうがいい」などと親からいちいち口出しされると、やる気を失ってしまうのが子どもというもの。うまく書けなかったとしても、まずは「がんばって書けたね」と褒めたり、少しでもよくなったところに注目してあげたりと、焦らず見守ることが大切です。また、漢字が書けていなくても、作文チェックの際は目をつぶりましょう。ただし、誤字脱字については、意味が違って捉えられることもあるので指摘しましょう。

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勉強の基本は国語であり、突き詰めれば言葉、会話であると言うのは、幼児・小学生向けの学習教室「花まる学習会」代表の高濱正伸氏。算数の才能があっても、国語ができないがために、希望の中高に行けなかった子がたくさんいるといいます。作文を組み立てて表現できるというのは、国語力の表れ。苦手意識があるならば克服し、楽しんで作文に取り組んでくれるようになるといいですね。

文/酒井絢子

(参考)
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|親の誤った声がけが、子どもの作文力の芽を摘む?――「作文好き&得意」な子どもと「自己肯定感」の関係
樋口裕一 (2011),『子どもの考える力は「書き・読み」で伸びる!』,青春出版社.
樋口裕一 (2016),『本物の学力は12歳までの「作文量」で決まる!』,すばる舎.
松永暢史 (2010) ,『わが子を伸ばす四大必須科目「音読」「作文」「暗算」「焚き火」』,飛鳥新社.
高濱正伸 (2011),『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』,青春出版社.