2018.8.21

親子で学ぶ おいしい食育学【第9回】力がみなぎる夏の食事 編

新生暁子
親子で学ぶ おいしい食育学【第9回】力がみなぎる夏の食事 編

今年の夏も例年以上の暑さが続き、普段は元気いっぱいの子どもたちもさすがにバテ気味なのではないでしょうか? また、子どもに付き合って外でのレジャーを楽しんだ親御さんも、夏の疲れがどっと押し寄せているころだと思います。そこで今回のテーマは「力がみなぎる夏の食事」について。tokko先生流・暑い夏を乗り切る秘訣をたっぷりと教えてもらいましょう!

お悩み
毎日暑い日が続き、家族全員食欲が落ちてきています。つい冷たいものを摂り過ぎたり、さっぱりした麺類ばかりを食べたりと、栄養面で偏りが出てしまい、子どもも疲れやすくなっているようです。暑い夏でも食べやすく、栄養バランスの良いメニューを教えてください。

tokko先生:
今年の夏は猛暑をふるい、外出するのも大変でしたね。クーラーが効いた室内に入るとホッとしてしまいます。そういうとき、室内の温度設定も少し下げ気味になっているのではないでしょうか? 成長途中の子どもの体は、体温を調節する機能もまだ未熟です。また、子どもは熱を作る筋肉の量が少ないため、大人にくらべると冷えやすいのです。ですので、室内の温度設定には気をつけなくてはいけません。

また、暑いあまり、どうしても冷たいものばかりを摂っていませんか? 水分補給としての飲み物は別として、子どもは甘いジュースやアイスクリームなどの冷たいものを欲しがります。親御さんも、暑いキッチンにずっと立つのは大変ですよね。さらに自分自身も食欲がない場合、冷たくてツルツルとした、さっぱりとしたものをチョイスしがちになります。しかし、それにより内臓の冷えを継続させ、必要なエネルギーや栄養素が不足してしまうことで、結果的に夏バテにつながってしまうのです。

そこで、夏バテをしない食生活のポイントと、おすすめメニューをご紹介したいと思います。

夏バテをしない食生活のポイント5つ

  1. 必ず温かい汁物をプラス
  2. 旬の野菜がポイント
  3. 酢、梅干し、柑橘類などの酸っぱいもの
  4. カレーなど味にインパクトのあるもの
  5. 一度の食事で量が食べられない場合は頻回食に

tokko先生:
冷たいものを食べ過ぎると、カラダが冷えてしまいますので、食事時には意識して温かい汁物をプラスしてみましょう。もちろん、お鍋なんかでもいいですね。また、そういうときは、ぜひぜひ旬のものを選びましょう。冷たいものを食べて無理矢理胃腸を冷やすのではなく、夏が旬の野菜には、自然とカラダの体温を落ち着かせてくれる効果があります。

酢、梅干し、柑橘類などの酸っぱいものは、味のアクセントになるだけではなく、疲労回復にも効果的です。酸っぱいものが苦手な子どもや男性は多いですが、ハーブやスパイスなどを一緒に使ってみてください。また、カレーやしょうゆの焦げた香りは食思をアップさせてくれます。味や香りにインパクトのあるもので、お子さまたちの食欲をアップさせましょう。

最後に、暑さのあまり食欲が低下してしまう状況が続くのであれば、一度の量を増やさずに、食事量を分散させる『頻回食』にしてみてください。間食も含め、適量を分散することで、1日に必要な栄養素は確実に摂取することが出来ます。

<オススメの献立>

  • チキンと野菜のオーブン焼き(カレー風味)
  • サバ缶のトマト煮パスタ

 
力がみなぎる夏の食事2

力がみなぎる夏の食事3

<含まれる栄養素>

  • たんぱく質:牛肉、サバ缶
  • ビタミン・ミネラル:野菜

 
子どもは味付けをカレー風味にすると、案外いろいろなものをしっかりと食べることができます。チキンだけでなく、豚肉、白身魚などでもいいですね。

サバ缶の消費量は、今やツナ缶を抜いたのはご存知ですか? サバ缶はたんぱく質や良質の脂質も豊富に含まれています。すでに加熱されているので、暑い夏に調理過程が少なくて済むのも楽ですね。

野菜は旬を意識して、冷蔵庫に余りがちな野菜を使ってしまいましょう。暑いからといって、麺類だけになってしまうと、たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足してしまいます。肉や魚などのたんぱく質や野菜に多く含まれるビタミン・ミネラルを意識的に摂ることがポイントですね。