こんにちは。日本知育玩具協会認定講師の中村桃子です。
今回は、将棋界に一大旋風を巻き起こし続けている、あの藤井聡太七段(*)が幼児期から遊び、その直観力を鍛えたことで広く知られるようになった、積み木の溝や穴を組み合わせてビー玉が転がる道を作る “キュボロ” についてお話ししましょう。
話題の “キュボロ” とはどんなおもちゃ?
キュボロは、ビー玉の通り道になる溝やトンネルがついた5cmの立方体の積木です。積木の上や下に水平の溝があり、内部にあるトンネルをうまく使って、自分だけの玉の通り道を作ります。
特徴的なのは、トンネルや溝を使って外から見えない玉の通り道を構成することで「3次元的に考える力が必要とされる」ところ。実際、キュボロで遊ぶと「え! まさかこんなところからビー玉が出てくるとは!」と驚くことがしばしばあります。
世界中で多くの人々をとりこにしているキュボロ。「難しいけれどおもしろい」というところに、きっと皆さん魅了されているに違いありません。
さらに最近、「キュボロで遊ぶことがなぜ脳を鍛えるのか?」についてもわかってきました。脳の中の、空間認識力を司る “けつ前部” や、直観力を養う “大脳基底核” を活性化させることが、脳科学の研究によって解き明かされたのです。まさに、“天才を育てたおもちゃ” の名にふさわしいですね。
また、子どもの発達段階に合わせた遊び方ができるのも魅力的。子どもから大人まで、みんなで楽しめる積木なのです。
キュボロは何歳から遊べるの?
藤井聡太七段(*)が “3歳から” 遊んだ立体パズルとして注目を浴びたキュボロ。多くのメディアに取り上げられたことを受け、ちまたでは「3歳」のイメージが印象づけられているようですね。
でも、じつはキュボロは、小学生以上の子どもの才能を花開かせる知育玩具でもあります。キュボロの高度で複雑な遊び方は、小学生になってからも充分に生きてくるのです。ですから、焦りは禁物。まだ小さい幼児期のお子さまとキュボロで遊んでいて「なかなか上手に遊んでくれない……」と悩んでいたとしても大丈夫。本当に楽しくなってくるのは、もうちょっと先なのですから。
遊び方のコツは、まずは大人が見本を作ってあげること。ちょっとぐらい得意でなくても大丈夫。上手下手に関係なく、作れる範囲で作ってみましょう。そして、上からビー玉を落とすという “一番オイシイところ” を、子どもにたっぷりとさせてあげましょう。この達成感や楽しい経験こそが、キュボロで楽しく遊ぶために大切なエッセンスなのです。こうすることで、小さな子どもたちでも、少しずつキュボロの仕組みを理解していけるようになりますよ。
可能性は無限大! キュボロで『非認知能力』を育てよう
キュボロのふるさとスイスでは、小学校の授業教材としてキュボロが取り入れられています。キュボロを授業で学べる(遊べる?)なんて、考えただけでもワクワクしますよね。
では、キュボロを使うとどのような力が育つのでしょうか。それは、「自制心」「やり抜く力」「コミュニケーション力」など、これからの幼児教育・小学校教育でも重要視されている『非認知能力』なのです。ぜひ日本の学校教育でも、このような指導を受けられる日が来たら嬉しいですよね。
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どうでしょう、キュボロで遊んでみたくなってきましたよね?
次回は「初めてのキュボロの遊び方」についてご紹介します。どうぞお楽しみに。
*…2018年6月現在
監修:(社)日本知育玩具協会