教育を考える 2019.2.18

夫婦の会話は子どもの対人スキルを左右する! 「自己肯定感」と「自己重要感」を高める3つの言葉

編集部
夫婦の会話は子どもの対人スキルを左右する! 「自己肯定感」と「自己重要感」を高める3つの言葉

子どもの言葉づかいが自分やパートナーとそっくりだと感じたことはありませんか。

普段の夫婦間コミュニケーションは、子どもの言動に表れやすく、その家のありのままの姿が透けて見えるといってもいいほどです。

家庭でのパパとママのやりとりが子どもの人間関係を形成する力を左右するのであれば、日頃から夫婦間のコミュニケーションの取り方は意識しておきたいもの。

子どもが対人関係を上手に築くための良いお手本になるには、どのような言葉の選び方や会話のキャッチボールを心がけるべきかご紹介します。

夫婦の会話は、子どもの対人スキルを左右する

「○○してって言ったのに、何でやってくれないの!」
「どうせ○○できるわけないよ」

こんな言葉をお子さんが口にして、ご自身がパートナーに対して話す口調に似ていることにハッとしたことはないでしょうか。おそらく家の中だけでなく、こうした言葉は園や小学校でもお友だちに使っていることでしょう。

子どもたちの言葉づかいや話し方は、一番近くにいる家族の影響を大きく受け、対人関係を築くうえでのお手本なります。子どもの目の前でパパとママがお互に責めるような口調や頭ごなしに否定するようなコミュニケーションを日常的に行なっていれば、子どもも自然と同じような形で家族や友だちとコミュニケーションをとるようになります。

自分が伝えたいことを相手にきちんと届けたくても、コミュニケーションの方法が適していなければ、相手には正しく伝わりにくくなりますし、もしかすると相手の気分を害して聞く耳をもってくれないこともあり得ます。

逆に、相手にきちんと伝わるコミュニケーションの方法を身につけていれば、対人関係においても良い効果が期待できます。そのためにも一度、夫婦間のコミュニケーションの在り方を振り返ってみませんか。

子どもの前で積極的に使いたい3つの言葉

子どもがより良い対人関係を築けるようなモデルとして、夫婦のコミュニケーションで積極的に取り入れてほしい3つの言葉をご紹介します。

【1】主語は「私」
一緒にいる時間が長くなればなるほど、「言わなくても伝わるだろう」「これくらいは分かっているだろう」という気持ちから誤解やズレにつながることがあります。そこから「どうして分かってくれないの?」と相手を責める気持ちが生まれやすいのです。

この状況を避けるには、「相手に言う言葉の主語をあなた(YOU)から私(I)に変えて言ってみる」方法が良いと、東京女子医科大学附属女性生涯健康センターの小菅二三恵さんはいいます。

相手に非があると責めるよりも、「私は心配している、不安に思っている、悲しい」と自分を軸にして思いを伝えるようにすることで、ギスギスしたコミュニケーションになりにくいのです。

子どもが同じように「I」を主語にした言い方をするようになれば、お友だちとのおもちゃの取り合いや順番待ちなどのトラブルでも、相手を責めるのではなく、自分の率直な気持ちを伝えられるようになります。

【2】感謝の言葉
皆さんも実感されたことがあると思いますが、小さなことであっても「ありがとう」「助かったよ」という感謝の言葉は、コミュニケーションの潤滑油になります。

また、謝らなければいけないときにも、感謝の言葉は重宝します。「ごめんね」と言いにくかったり、タイミングを逸したりするとき、「ありがとう、助かったわ」という一言なら自分のプライドも保ちつつ、相手に気持ちを伝えることができます。

この感謝の言葉が自然に出るような子どもは、新しい場所でもすぐに仲間を作ることができるでしょう。「ありがとう」と言われたお友だちは嬉しい気持ちになり、その子のことを好意的に受け入れてくれるはずです。

【3】誉め言葉
褒める言葉も夫婦間のコミュニケーションで積極的に使いたい言葉です。「さすがだね」「すごいね」「いいね」といった言葉は、相手の「認めてほしい」「すごいと思ってほしい」という気持ちを満たします

これは、近年SNSに関連して話題になることの多い「承認欲求」で、誰もがもっている欲求です。たとえば子どもたちが「○○するから、見ていて!」というのも承認欲求のひとつです。そして誉め言葉を受け取った相手は、承認欲求が満たされ「自分は価値ある人間で周りからも認められている」という「自己重要感」を高めます。こうして良い対人関係を築けるようになるのです。

このような親のやりとりを見ている子どもは、お友だちに対しても「すごいね」という言葉がスッと出てきます。承認欲求が満たされたお友だちとのコミュニケーションはきっとうまくいくでしょうね。

「自己重要感」が良い対人関係を築く

「自己重要感」は、自己肯定感にも似ていますが、定義が少し異なるようです。心理カウンセラーである大場慶夫さんは以下のように話しています。

人の存在の根底には「自己肯定感」があり、「自己肯定感」の上に「有能感」というものがあり、両者を合わせたものが「自己重要感」であると考えています。
「有能感」とは、何かができるとか資格を持っているとか、地位や名誉、立場など、能力がある自分をすごいと感じる感覚です。
一方、「自己肯定感」とは、なにかができるとかできないとか関係なく、どんな自分であっても存在すること自体に価値があると感じる感覚です。生きているだけで幸せと思える感覚といっても良いかもしれません。

(引用元:解決!アスクミー|自己重要感を理解すれば人間関係は上手くいく!

この自己重要感を構成する「自己肯定感」と「有能感」を伸ばすのが「褒め言葉」で、人は小さなことでも褒められるとうれしいですし、幸せを感じます。それが次第に自分のなかで自信となり、対人関係や学習、仕事にも好影響を与えるようになるのです。

自己重要感が高い人は、自分の軸で自信をもっているので、他人と自分はどちらが上か下かと比べることもありませんし、相手の良いところを素直に認めることができます。子どもが将来、良い対人関係を築くための土台となるのが「自己重要感」だといってもいいでしょう。

家族で自己重要感を高め合えるような会話をしていれば、子どもの自己肯定感も自己重要感も高まります。そして、お友だちに対しても家族でかわしているような言葉を投げかけてあげることができますよ。

子どものお手本にとなるような振る舞いをしたいものですね。

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大好きなパパとママが感謝の言葉や誉め言葉をたくさん使っていると、子どもにとってそれが当たり前の光景になります。自己重要感は、何か特別な経験をさせなくても毎日のコミュニケーションで育むことができるので、さっそく取り入れてはいかがでしょうか。

(参考)
NIKKEI STYLE|「言い方」を少し変えるだけで夫婦関係は改善(日経ヘルス プルミエ)
リクナビNEXTジャーナル|夫婦で「ホメ合う」と“スーパーサイヤ人”になれるワケ――山口拓朗の「夫婦円満法」
リビング京都|違いを理解し合って、コミュニケーション 夫婦の会話術
解決!アスクミー|自己重要感を理解すれば人間関係は上手くいく!
All About|夫婦仲を良くして子どもの成績を上げる方法
Study Hackerこどもまなび☆ラボ|「自己肯定感の高い子どもは学力も高い」は本当? 自己肯定感アップに効果的な3つのこと。