あたまを使う/からだを動かす/教育を考える 2019.10.11

リピーター続出! “テクノロジー×遊び” を体感できる『リトルプラネット』の秘密

長野真弓
リピーター続出! “テクノロジー×遊び” を体感できる『リトルプラネット』の秘密

遊びが学びに変わる、次世代デジタルテーマパーク『リトルプラネット』。ARなど最先端テクノロジーを活用した遊びは子どもたちに大人気です。

スマホやゲームとの大きな違いは、“実体験”。画面上だけで遊ぶのではなく、実際に砂に触れ、絵を描き、飛び跳ねる。五感と体をフル稼働して遊びに夢中になる子どもたちの姿は、今も昔も変わりません。一度来た子どもの多くがリピーターになるそう。

子どもたちを魅了する「テクノロジー×あそび」の秘密はどこにあるのでしょうか? リトルプラネット運営会社プレースホルダCCO・鈴木匠太さんにお話を伺いました。

3世代で楽しめるテーマパークを

【リトルプラネットの原点とは?】
リトルプラネットは2017年に誕生したのですが、最初のきっかけは当社の創業者でもあるCEOの後藤が「VRで新しいデジタルテーマパークができないか」と着想したことです。しかし、VRのゴーグルには利用に年齢制限があることと(当時は13歳以上。現在は原則7歳以上)、オペレーションが大変なこともあり、別の事業アイディアを模索していました。

実は、私の初めての子は東日本大震災の日に生まれたんです。出産はかなり大変だったのですが、そのときからずっと「子どものために何かやりたい!」という強い思いがあって。仲間とアイディアを出し合うなかで、未来をつくる子どもたちのために、おじいちゃんやおばあちゃんも一緒に3世代で遊べるテーマパークを目指そうということになり、リトルプラネットの原型ができあがりました。

いちばん初めに作ったアトラクションが、AR砂遊びの「SAND PARTY!」です。震災後は放射能汚染の問題もあり、公園遊びが減ってしまった現状がありました。公共機関として公園の管理も難しくなっていたのでしょうね、砂場にはタバコの吸い殻や猫のふんも落ちていて……親として、「ここで砂遊びをさせたくない」と思ったのです。

一方で、同志社女子大学・笠間浩幸教授の砂遊びに関する本を読み、とても興味をひかれました。「砂遊びはいちばん優れた遊びで、想像力や社会性など様々な能力を育めるものだ」と。となると、今の砂場では遊ばせたくないけど、砂場はなくしたくない。そこで、安心して遊べる砂場を作るべく、「SAND PARTY!」が誕生しました。

「テクノロジー×遊び」が子どもの好きを発見する場に

【アトラクションの発想はどこから?】
基本的に社内でアイディアを出し合いながら企画を固めていきますが、なかには親御さまからのリクエストでできたものもあります。たとえば、「体を使った遊びを」というたくさんの声から、空を飛ぶ爽快感が味わえる「FLAPPY(デジタルトランポリン)」が生まれました。今後は、音楽や音遊びをテーマにした新しいアトラクションも追加したいですね。

親子3世代で来てほしいので、おじいちゃんおばあちゃんも知っていて、すぐに子どもと一緒に遊べる、砂遊びや紙相撲などの“昔遊び”の要素を大事にしていきたいと思っています。

【リトルプラネットの目指すところ】
やはり、遊び場として公園にかなうものはないのですよね。自然の中の遊びはものすごく自由です。私たちが小さい頃は、自然の中でいろいろと遊んでいたと思うんですが、今はそういう場が減りつつあります。だからこそ、それに代わる場所を提供したいという想いがあります。

個人的にやってみたいのが、公園の中に「リトルプラネット」を作ることです。公園にテントをいくつか設置して、芝生で走り回りながらも、テントに入ればテクノロジーで遊ぶことができるという、自然と非日常を同時に楽しめる場所です。実現はまだ先になりそうですが……(笑)。とはいえ、テクノロジーの技術は今後確実に必要になってきます。子どもがテクノロジーに触れる機会を、スマホやゲームだけではなく、人と人とのコミュニケーションの中にも生み出せたらと思っています。

そうして、子どもたちが何かを始めるときに、「テクノロジーと別の何か」を掛け合わせる発想になってくれるのが理想ですね。たとえば、お洋服が好きなら、“服のデザイン”とテクノロジーとか。でも、なかなか最先端に触れる機会は少ないものです。だからこそ、リトルプラネットでは、最先端の場を提供したいと思っています。子どもとしてはあまりテクノロジーを意識して感じているわけではないと思いますが、遊びの中から、自然に自分の「好き」を見つけて、テクノロジーとの掛け合わせを想像してみてもらいたいですね。それが将来につながるキッカケになってくれたら本当に嬉しいです。

ルールに縛られない遊びが「自主性」を育む

【遊び方のアドバイス】
「アトラクションの遊び方を守ってね」とは言わないようにしています。困っている子に遊び方を教えることはありますが……じつはそこが難しい点なんですよね。今の時代、習い事などで子どもたちは忙しく、どうしても詰め込み式教育になりがちです。与えられたものをこなすだけだと、与えられたことしかできなくなってしまうのではないかと心配になることもあります。リトルプラネットでは、遊び方のルールを気にするよりも、「自主的に」「自由に」動いて、ただ夢中で楽しんでほしいですね。

【プログラミング教室について】
リトルプラネットでは、「リトルプラネットアカデミア」というワンデー型のプログラミング教室も開催しています。micro:bitなど、iPadを使って簡単にプログラミングできる教材を活用しています。2020年から学校でプログラミングの授業が必修になりますが、「なんのために学ぶのか」がわかっていない子もまだ多いと思うのです。そこを具体的に示したいと思っています。リトルプラネットだからこそ、遊びの延長で楽しく、短時間で体験できるので、自分がプログラミングに興味があるかどうかを知るチャンスにもなります。

【今後の展開】
海外展開も計画しています。以前、ハワイで期間限定イベントを開催したのですが、海外でも言葉の壁はなく、子どもたちは日本と同じように遊んでいました。

ネットを通じて海外の子と日本の子をつなげ、一緒に遊べるようなものを作りたいですね。言葉がいらない算数パズルアトラクションの「NUMBER SPLASH」でスコアを競ったり、コミュニケーションをとることで、英語などの外国語に興味を持ったり。将来的には音楽のセッションみたいなこともできたらいいですよね。いろいろなキッカケが生まれる、グローバルな場所にしたいと思っています。

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スマホやゲームとも違う、未来に触れる感覚。
大自然とのふれあいとも違う、未知との出会い。
私たちはデジタル技術を駆使して、
子どもたちの探究心や想像力を刺激する未知の体験を届けたい。
みんなが集まり、夢中になって一緒に遊ぶ。
その経験は、いつの間にか学びに変わっていくはずだから。

(引用元:リトルプラネット|ABOUTリトルプラネットとは

子どもたちへの熱い想いは、この理念にストレートに現れています。テクノロジーを使ったテーマパークと聞いて、ゲームの延長のようなイメージを抱いていましたが、実際に行ってみると、子どもたちの未来を思い描き、そのために何が必要なのか、もっと深いところでとてもよく考え、作り込まれていることに感動しました。「真に自由に過ごすことで自然と学びが生まれる」というスタンスの新しいテーマパークです。一度体験したら必ずハマってしまうその魅力を親子でぜひ体験してみてください。

(参考)
リトルプラネット