あたまを使う/教育を考える 2020.10.9

高学年で成績が伸びなくなる子の4つの共通点

編集部
高学年で成績が伸びなくなる子の4つの共通点

「3年生くらいまでは勉強面で心配することなんてなかったのに……」「高学年になった途端に授業についていけなくなったみたい……」
このように、それまで優秀だと思っていたわが子が、学年が上がるにつれて成績が落ち込んでしまうケースはよくあるといいます。

今回は、高学年で成績が伸びなくなる原因と改善策について解説していきましょう。

優秀だった子が高学年で急に伸び悩むのはなぜ?

小学校4年生くらいまでは成績が優秀で、家庭学習もしっかりできていたのに、高学年になって急に伸び悩んだり、勉強面での悩みが出てきたりするケースがよく見られます。『5歳から始める最高の中学受験』(青春出版社)の著者で教育専門家の小川大介さんも、長年の経験から「さまざまな家庭の教育相談を受けてきたが、『高学年になってから成績が伸びなくなった』という相談が非常に多いと述べています。

当然ですが、高学年になると学習内容自体が難しくなり、抽象的な概念を理解して読み解かなければならない問題も増えてくるでしょう。3年生くらいまでは「なんとなく」で解けていた問題が、4年生以降ではしっかりと理解できていなければ正解できないような学習内容へとシフトしていきます。

だからといって、全員が伸び悩むわけではありません。むしろ、それまでは特に勉強面で目立っていなかったのに、学年が上がるにつれて、めきめき成績アップするような子もいます。

「高学年から伸び悩む子」と「高学年から伸びる子」、その違いについてひもといていきましょう。

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高学年で成績が伸びなくなる子の共通点

高学年で成績が伸びなくなる子には、いくつかの共通点があります。それには、親の関わり方が少なからず影響しているようです。

■習い事でスケジュールがぎっしり!

前出の小川さんは、小さい頃からたくさんの習い事をさせている家庭では、小学4年生ごろから成績が伸び悩むケースが多いと指摘します。月曜は学習塾、火曜は水泳教室、水曜はサッカー、木曜は……と休みなく習い事をさせていませんか? 小川さんによると、「こういう子はみんな、低学年まではいい成績を取り続ける」のだそう。しかし4、5年生あたりから、一生懸命勉強しているのになぜか成績が伸びにくくなるといいます。

■好奇心を育む経験が不足している

小川さんは、高学年で伸び悩む子と学年が上がるにつれてぐんぐん伸びる子との違いについて、小さいときにどれだけ夢中になれる体験をしてきたかどうかであると述べています。学びの根っこにあるのは “好奇心” 。楽しくて夢中になれるものに対する「もっと知りたい」と学習意欲をかき立てられるような経験が、その後の勉強への向き合い方に深く通じるのです。

■親に言われるから勉強していただけ

学習習慣を身につけるには、自らの意志で勉強しているのだという意識が不可欠です。千葉大学教育学部附属小学校の松尾英明先生は、「誰かに命令されて嫌々やるのは習慣ではない」と話します。それまで親の言うことに従順だった子どもが、高学年になり自我を主張し始めると、親に言われたから勉強するなんていやと反抗するようになるケースも。

■なんのために勉強するのかを理解していない

上で述べたように、「親に命令されたから勉強する」という意識を持ち続けると、高学年になって物事を深く考えるようになり「そもそも、なんで勉強しなきゃいけないの?」「なんの役に立つの?」「これって意味あるの?」と自問自答するように。勉強の目的が「よい成績をとるため」でストップしていると、その先の未来を思い描けなくなります。その結果、勉強する意欲がみるみる低下していくのです。

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「高学年にぐんぐん伸びる子」になるために

学年が上がるにつれてぐんぐん伸びる子は、幼いうちから “伸びる素地” を育んでいます。それは、親のちょっとした声かけや接し方、休日の過ごし方といった日常生活で育めるものばかり。ぜひ参考にしてみてください。

■夢中で遊ばせる!

小川さんは子どもは楽しくて夢中になれるものに対しては、学びのセンサーが全開になると話します。好奇心が刺激されたものに興味をもち、それを知りたいと行動に移すことで、身をもって勉強への取り組み方を学べます。その際に親が心がけるのは、夢中になっている子を否定したり邪魔したりせずに温かく見守ること。

小川さんによると、「親の愛情を感じながら好きなことをして遊ぶというのは、なによりの安心感と幸福感をもたらす」そうです。さらに、幼少期に「たっぷり遊んだ」「納得がいくまでやり遂げた」という経験をした子は、ここぞというときにものすごい集中力を発揮するといいます。

■振り返りの時間を大切に

習い事でスケジュールを埋め尽くしてしまう弊害として、振り返りの時間がなくなることが挙げられます。なにかを学んだら、それを振り返り、反復することで吸収できます。つまり、習い事でもなんでも「やりっぱなし」は意味がないのです。

毎日のように習い事に通い、家でのんびりする時間がなくなってしまうと、大事な振り返りの時間が失われてしまうでしょう。時間の使い方にもっと余裕をもたせれば、学んだことをより効率的に吸収できるというメリットもあります。

■積極的にお手伝いをさせよう!

高学年でも伸び続ける子にするために、小川さんは「日常のあらゆるシーンを学びの場にする」ことをすすめています。その代表的なものが “お手伝い” です。料理、洗濯、掃除、買い物……お手伝いには学べることがたくさんあるそう。

特に買い物は計算力を高め、料理は段取り力を高めるので、ぜひ積極的に手伝わせましょう。小川さんは勉強ができる子はたいてい段取り上手と断言しています。高学年で重要となる “勉強のスケジュール管理” ができるようになるには、家事を手伝いながら段取り習慣を身につけるのがおすすめ。親子の絆も深まります。

■勉強したくなる環境をつくる

前出の松尾先生は、「『勉強しなさい』と親はひとことも言っていないのに、きちんと勉強する子は一定数いる」と述べており、その親の共通点として、子どもが勉強するようにうまくリードしていることを挙げています。

具体的には、博物館や科学館に連れて行ったり、普段の親子の会話のなかに、うまく勉強の要素を取り入れたりしているそう。たとえば、子どもが学校で習ってきたことをクイズにするといいでしょう。「難しいけどできるかな?」と子どもの興味ややる気をくすぐり、日常会話のなかに自然に学びの要素を取り入れることで、日々の暮らしと勉強がより密接につながります。

***
高学年からも積極的に勉強に取り組めるように、幼いうちから「知らないことを知るのは楽しい!」という経験をたくさんさせましょう。どんな小さな子にも、知識欲や学習意欲は備わっています。親のちょっとした声かけや接し方で、子どもの「学びたい気持ち」はぐんぐん育まれますよ。

(参考)
プレジデントオンライン|「教育熱心な親の子」が4年生で潰れる根本原因
東洋経済オンライン|中学受験「高学年で伸び悩む子」の典型パターン
プレジデントオンライン|自ら机に向かう子の親が欠かさない習慣
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「勉強しなさい」といい続けたら将来どうなる!? 子どもの才能を摘まないためにーー