教育を考える/本・絵本 2018.12.26

ね・うし・とら……十二支がグッと身近になる! いもとようこさん『十二支のはじまり』

金の星社
ね・うし・とら……十二支がグッと身近になる! いもとようこさん『十二支のはじまり』

師走になるとよくある会話が、「来年って “なにどし”?」。これまで何年も年賀状を準備し続けてきた親御さん世代にとって、十二支は身近な存在です。しかし、子どもたちは「“なにどし” ってなんのこと?」と不思議に思っているのではないでしょうか。

お子さんの「じゅうにしってなあに?」という疑問に答えられる、年末年始の読み聞かせにぴったりの絵本をご紹介します。

十二支にまつわる有名な物語『十二支のはじまり』


いもとようこ 文絵

元日の朝、神様は1年の大将をまかせる12匹とその順番を決めるため、動物たちを御殿に呼び出しました。自分こそ1番のりをするんだと、動物たちは大はりきりで神様の元へ向かいます! 十二支の由来がわかる行事絵本。

十二支は、ねずみ、うし、とら、うさぎ、たつ、へび、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、いのししと12しゅるいのどうぶつがきめられています。

では、どうしてきまったのでしょうか?
ねずみがはいっているのに、ねこははいっていないのは、なぜ?
そして、ねこがねずみをおっかけるのはなぜ?

このお話をよめば、わかります!     いもとようこ

【広報担当より】
かわいい貼り絵をながめながら、十二支のお話がわかりやすく楽しめます。家族全員の干支を探しながら読むと、話もはずみそう。もしゴールする順番が違ってたら、シカ年、クマ年、キツネ年もあったのかも? と想像できるのもいいですね。

親御さんのための「十二支基礎知識」

お子さんに「じゅうにしってなに?」と聞かれたら、自信をもって答えてあげられますか? 答えたくても、「実は自分も良く知らない……」という親御さんも多いはず。

暦学者の岡田芳朗氏(1930-2014)が、十二支の歴史について分かりやすく解説しています。

十二支は五惑星のうち最も貴いとされた木星の運行からきたものといわれます。木星が約12年で天を1周(公転)することから、中国の古代天文学において毎年度の木星の位置を示すために天を12分して12の方角にそれぞれ十二支の1字をあてました。また1年12カ月の順序を示すための符号(数詞)としても使われました。子、丑……の文字にはもともとは動物の意味はなかったのですが、庶民にも覚えやすいように後からネズミ、ウシなどの動物が当てはめられたと言われています。

(引用元:朝日新聞DIGITAL|ことばマガジン ことば談話室 恵方・えと・節分

こうした歴史をもつ十二支にまつわる伝説が、『十二支のはじまり』という物語として、語り継がれているというわけなのです。

ちなみに、十二支の動物を漢字で表すと、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥。この十二支を使った表現を、私たちは今でも日常的に使用しています。その一例が「午前・正午・午後」。23時~1時を「子の刻」とし、以後2時間ごとに十二支をひとつずつ割り当てると、11時~13時が「午の刻」にあたります。午の刻のなかでも真ん中の12時を「正午」、それより前・後を「午前・午後」と呼んでいるのです。

また、「十二支」と混同しやすい言葉として「干支(えと)」があります。干支とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸から成る「十干(じっかん)」と「十二支」を合わせたもの。十干の「甲」と十二支の「子」を合わせた「甲子(きのえね)」からはじまり、60年で一周するようになっています。「今年の干支は戌」と言うケースもありますが、厳密に言えばこれは誤用ですので、注意しましょう。

いのししへの興味がわく絵本『ぐる ぐる ぐる』

さて、来年2019年は「いのしし年」。ですが、いのししは身の回りにいる動物ではないので、「いのししってどんなどうぶつ?」と聞くお子さんもいるかもしれません。そこで、いのししが登場する絵本を1冊ご紹介します。『十二支のはじまり』とセットで読めば、子どもの十二支への興味がさらに高まるはずです!

『ぐる ぐる ぐる』

内田麟太郎 作/長野ヒデ子 絵

のんちゃんがぐるぐるぐると指を回すと、いろいろなものが目を回します。トンボは簡単。イノシシが突進してきても、おばけがおそってきても平気です。そしてついに意外なものを…。声に出して手ぶりもつけると楽しい絵本。「ぐる ぐる ぐる」と指を回して、楽しみましょう!

【広報担当より】
長野ヒデ子さんの描くイノシシ、とっても勢いがあって強そう。でも、のんちゃんは「へいき」、ぐるぐるぐる~っとやっつけちゃいます。読み聞かせでも、みんなで声を出して「ぐるぐるぐる」しながら楽しんでくださいね。

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年末年始は、日本に根付いた十二支の文化に触れる良い機会です。親戚や親しい人に年賀状を出してみたり、「私は○○どし生まれ。ママはなにどし? おじいちゃんはなにどし?」といった会話をしたりして、親子で十二支に親しんでみてはいかがでしょうか。

(参考)
朝日新聞DIGITAL|ことばマガジン ことば談話室 恵方・えと・節分
年賀状博物館|子から始まる十二支の順番の謎。
Wikipedia|十二支
Wikipedia|干支