2022.8.1

「自己肯定感の高い子ども」の親が “絶対にやらない” 5つのこと

長野真弓
「自己肯定感の高い子ども」の親が “絶対にやらない” 5つのこと

「私なんて」「どうせ……」など、子どものネガティブ発言には要注意です! お子さまの自己肯定感が低下しているかもしれません。

教育の専門家は、「子どもの自己肯定感には、親の言動が大きく影響する」と言っています。どうやら、 “自己肯定感の高い子どもの親が絶対にやらないこと” があるようですので、順番に見てみましょう。

自己肯定感とは「自分が自分であって大丈夫」という感覚

「自己肯定感」という言葉の生みの親である臨床心理学者・高垣忠一郎氏によると、自己肯定感とは “自分が自分であって大丈夫” という感覚とのこと。教育ジャーナリストの中曽根陽子氏は、自己肯定感について以下のように詳しく説明しています。

「自己肯定感」とは、自分のいいところも悪いところも含めて、「自分はありのままでいいんだ!」と認められる感情のことです。一方、その逆はなにかというと、自分の存在を認められない「自己否定」です。この自己否定の感覚が強くなると、最悪の場合は自ら死を選ぶということにもなりかねません。それだけ自己肯定感は重要な力であり、いわば生きる力の根幹です。

(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|自己肯定感が「高い子の親」と「低い子の親」。驚くほど全く違う、それぞれの特徴とは

このように、自己肯定感は「生きる力」の基盤となるほど重要な力。また中曽根氏は、著書『成功したいなら「失敗力」を育てなさい』のなかで、親の言動次第で子どもの自己肯定感は高くも低くもなると述べています。

なるほど、自己肯定感が「高い子の親」と「低い子の親」の言動には違いがあるのですね。今回は、自己肯定感が高い子の親が絶対にやらないことを見ていきましょう。

自己肯定感が高い子どもの親の特徴2

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絶対にやらないこと1:子どもと誰かを比べる

自己肯定感が高い子どもの親は、子どもと誰かを比べるようなことはしません。教育学博士であるアグネス・チャン氏は、子どもの自己肯定感を高めるために一番大切なのは「自分の子どもを誰かと比べないこと」だと断言しています。子どもは、学校に行けば常に比べられる生活です。だからこそ、親だけは子どもと誰かを比べないでほしいとアグネス・チャン氏は強調します。「あなたはあなたのままでいい」「自分のペースで成長していけばいい」と無条件の愛を伝え続けましょう。

国際社会で活躍できる人材を育成するスクール「TLC for Kids」代表の船津徹氏によると、自己肯定感が低い子どもは、ほめられても喜ばない傾向があるとのこと。その原因は、親の「子どもと誰かを比較する言葉」なのだとか。「お姉ちゃんはできたのに、あなたはどうしてできないの?」など、人と比べる言葉ばかり投げかけていると、子どもの自信はどんどん萎んでしまいます。そして、誰かにほめられたときでも「いまはそうやってほめているけれど、どうせ……」と卑屈になってしまうのです。

子どもの強みを引き出すプロであるアメリカの教育家ジェニファー・フォックス氏は、「子どもがもって生まれた価値を心から信じることから始めなければならない」と説いています。「大好きだよ」などの愛情を伝える言葉、ぎゅっと抱きしめるなどのスキンシップによって、親は無条件の愛を子どもに示すことができます。フォックス氏によると、これらが自己肯定感を育む特効薬となるようですよ。

自己肯定感が高い子どもの親の特徴1

絶対にやらないこと2:子どもの行動を勝手に決める

自己肯定感が高い子どもの親は、子どもの行動を勝手に決めません。「時間がないから、もうこれにしなさい!」「サッカーよりも、将来のために塾で勉強しなさい」こんなふうに、子どもに指図してしまっていませんか? 子どもの気持ちを考えず、親の意向ばかりを押しつけていたら、子どもの自己肯定感は育まれないでしょう。

では、親は子どもにどう対応すればいいのか? 幸福学研究者で慶應義塾大学大学院教授の前野隆司氏は、「子どもがワクワクしてやりたいと思えること、得意なことをどんどんやらせてあげて」と言います。そして、結果だけではなく、どんな小さいことでも、よいところをたくさんほめてあげること。すると、子どもの自己肯定感は伸びていくのです。前野氏はまた、「これからの時代、肩書きではなく、高い自己肯定感を維持して頑張った人が成功する」とも話していますよ。

習い事を選ぶときも同じです。教育学者で東京大学名誉教授である汐見稔幸氏は、「必ず子どもの『好き』を優先させてあげてほしい」と指南します。子ども自身が自分の行動を決めて実行すれば、自己肯定感は上がります。親のやらせたいことを押しつけるのではなく、子どもの好きなことを選ばせて、強みを伸ばしてあげたいものですね。

自己肯定感が高い子どもの親の特徴3

絶対にやらないこと3:子どもの話をしっかり聞かない

自己肯定感の高い子の親は、子どもが話しかけてきたとき、聞き流したり話を遮ったりすることはありません。ジャーナリストでありキャスターでもある岸田雪子氏によると、「子どもの話を聞くことは、子どもの自己肯定感を育てること」なのだそう。

子どもは、親にしっかり話を聞いてもらうと、「ありのままを受け止めてもらっている」「親から自分が認められている」と感じます。そして、「親が自分のことを認めてくれた」と感じたことがある子どもは、「自信」「考える力」「乗り越える力」が育っていくのだそう。

とはいえ、親御さんは仕事や家事などで毎日忙しいでしょう。そこで、子どもが「話を聞いてもらえた!」「お母さん(お父さん)にまるごと受け止めてもらえた!」と感じる、話の聞き方をしてみましょう。岸田氏は、聞き方のポイントをふたつ挙げています。ぜひ参考にしてみてくださいね!

ポイント1:短時間でOK。集中して子どもの話を聞こう!
忙しい時間帯に「話を聞き流す」よりも、短時間でもいいので「集中して話を聞く」ことを意識してください。やらなければいけないことが詰まっているようなら、「寝かせるのは10時でもいい」「ご飯は “レンジでチン” のメニューにしよう」などと、予定を変更してでも親自身の心に余裕をつくりましょう

 

ポイント2:子どもの話を評価しない・否定しない・遮らない
子どもの気持ちをありのまま「そうなんだね」と受け取ります。「たいしたことないよ」(評価する)、「ダメじゃない」(否定する)、「えっ、そんなことをしたの!?」(遮る)ような反応はNGです。「〇〇ちゃんはこう思ったんだね」などと、子どもの言葉を繰り返すのも手ですよ。

 
自己肯定感が高い子どもの親の特徴4

絶対にやらないこと4:子どもを心配しすぎる

自己肯定感の高い子の親は、子どものことを過度に心配しません。米国NLP協会認定マスタープラクティショナープロコーチの田嶋英子氏によると、子どもを心配しすぎることは「あなたを信頼していませんよ」ということと同じ意味なのだそう。田嶋氏はまた、親が心配しすぎるから「心配な子ども」に育ってしまうと話しています。

しかし「心配」という言葉で、何をイメージするか、考えてみましょう。「ちゃんとできるかどうか、不安」「この子は、要領が悪いから」といった背景が浮かんできたのではないでしょうか。「心配」が、子どものことを思っての言葉であることは、間違いありませんが、イメージする未来が、前向きでないことも確かです。

(引用元:ダイヤモンドオンライン|日本の若者の自己肯定感を低くする「親の口ぐせ」とは

そこで、「心配」の代わりに「信頼」してみませんか? 田嶋氏は、親が「信頼」するから「信頼される子ども」が育つと言っていますよ。

また、東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり氏は、心配しすぎによる親の「先回り」が子どもの自己肯定感を下げていると危惧しています。

その先回りを、親は子どものためだと思っています。でも、子どもは成長過程でさまざまな問題に直面し、解決するなかで自信を持つと同時に達成感を感じたり、周囲の人に認められる言葉かけをされたりすることで自己肯定感を高めていくわけです。

(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|あなたの子どもは大丈夫?絶対に見過ごしてはいけない「自己肯定感」低下のサイン

井戸氏によると “簡単ではないけどなんとかできるレベル” のお手伝いをさせることで、子どもの自己肯定感がアップするのだそう。子どもがお手伝いをやり遂げたなら、「頑張ったね」「ありがとう」と子どもをたくさんほめてあげてください。子どもは「自分は必要とされているのだ!」と自信を得られるので、自己肯定感がアップしますよ。

自己肯定感が高い子どもの親の特徴5

絶対にやらないこと5:ネガティブな言葉を使う

自己肯定感の高い子の親はネガティブな言葉を使わない傾向があります。「ネガティブな感情ほど伝染しやすい」と警鐘を鳴らすのは、トロント大学教授で生命倫理学者のケリー・ボウマン氏。たとえば、批判的でネガティブマインドが強い親に育てられると、ミラーニューロン(他者の行動を見て、自分が行動したかのように脳内で反応する神経細胞)の働きにより、その子どもの思考までネガティブになってしまうのだそう。

船津氏も「言葉は親が思っている以上に子どもの脳に影響を与える」とし、以下のようなネガティブ言葉は控えるべきだと話します。

  • 【否定】→「無理」「できっこない」
  • 【ケナシ】→「ダメねえ」「下手ねえ」「バカだねえ」
  • 【比較】→「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なのに」「〇〇君はできるのに」
  • 【突き放し】→「もう知らない」「嫌い」「勝手にして」「産まなければよかった」
  • 【クドクド・ネチネチ】→「何度言ったらわかるの」「前にも言ったでしょう」

 
また、前出の前野氏は「親の謙遜は子どもの自己肯定感を下げる」と言っています。「〇〇君は絵が得意だね」とお友だちの親御さんからほめられたとき、どう返していますか? 「そんなことないよ。絵ばかり描いていて、△△君みたいにもっと活発になってくれたらいいのに。〇〇は運動が苦手だから」などと言っていませんか。

わが子がほめられたときは、「ありがとう。でも△△君もかけっこが速くてすごいね」など、ネガティブ言葉にならないように、相手の子どもをほめ返すと◎ですよ。

子どもの自己肯定感を高める『自信スイッチ 10歳からはじめるポジティブ習慣39』

最後に、子どもの自己肯定感を高める本を紹介しましょう。若者の自己肯定感の低下が危惧される現代に、自己肯定感の第一人者・中島輝氏が子どもたちに贈る、「もう大丈夫」と心から思える自己肯定感を養う一冊です。対象年齢は10歳からとありますが、大人が読んでもためになる内容となっています。今日からすぐに始められる毎日習慣で子どもの自己肯定感を育んでいきましょう!

 
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5つの特徴のうち、あなたがやってしまっているものはありましたか? 子どもの自己肯定感を高めるならば、「子どもを誰かを比べず」「子どもの行動を勝手に決めず」「子どもの話をしっかり聞いて」「子どもを心配しすぎず」「ネガティブな言葉を使わず」、子どものサポートをしていきましょう。

(参考)
加藤紀子(2020), 『子育て ベスト100』, ダイヤモンド社.
ジェニファー・フォックス 著, 土方奈美 訳(2009), 『子供の強みを見つけよう』, 日本経済新聞出版.
高垣忠一郎(2004), 『生きることと自己肯定感』, 新日本出版社.
ダイヤモンドオンライン|日本の若者の自己肯定感を低くする「親の口ぐせ」とは
朝日新聞 EduA|親だからできる!子どもの自己肯定感を高める秘訣とは?
みらのび|子どもの自己肯定感を伸ばす方法とは?低い子の特徴やNG言動も紹介
たまひよ|子どもの自己肯定感を高めるには話の聴き方にコツが!イライラして余裕がないときは、頭の中にお弁当箱を思い浮かべるのがおすすめ⁈【ジャーナリスト岸田雪子】
The Asahi Shimbun GLOBE+|アグネスの子育てレシピ 子どもの自己肯定感があまりに低い日本へ、アグネスのアドバイスは
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Book Bang|子どもに「規則正しい生活」は必要ない 息子3人を「スタンフォード大学」に合格させたアグネス・チャンが考える教育法