あたまを使う/教育を考える/本・絵本/英語 2019.3.21

イギリスの小学校の宿題にも登場! ネイティブの子どもが「英語の読み書き」を学ぶオンライン教材の魅力

吉野亜矢子
イギリスの小学校の宿題にも登場! ネイティブの子どもが「英語の読み書き」を学ぶオンライン教材の魅力

日本に住んでいた頃、上の子供の英語教育は、頭痛の種でした。

お父さんがイギリス人だから、苦労しなくても英語が話せるようになっていいね

とよく言われましたが、子供だって必ずしも苦労せずに言語を覚えるのではないのだなあと、そばで見ていてしみじみ思ったものです。

現に一才からイギリスで育っている下の子も、会話で “I buyed” などと言ってしまうのを、何度も “I bought” と言い直したものです。今ではさすがに減りましたが、それでも時々、不規則動詞の過去形はミスが出ます。

話し言葉でもそうですから、読み書きはさらに工夫が必要です。日本の子供達が長い時間をかけて漢字を覚えていくように、イギリスの子供は例外が多い英語のスペルを、時間をかけて覚えていきます

私たち家族にとって難しかったのは、ちょうど日本語の読み書きに興味を持ち始めた上の子の、日本語に対する好奇心を潰すことなく、どうすれば英語の読み書きを導入できるか、でした。

英語圏の小学校で使われるフォニックス教材

最初に購入したのは、フォニックス教材Jolly Phonicsでした。英語圏の小学校などで使われる教材で、アルファベットと音をうまく組み合わせて教えていくのには非常に向いています。

動画の14秒あたりから見るとわかるように、子供達にアルファベットと音、それに体の動作を教えていきます。CDやビデオも併用して使う、基本的には学校用の教材です。

小さな子供の興味を引くように作ってあり、とても助かったのですが、我が家には一つだけ問題がありました。これは、親がつきっきりで見ないとならないプログラムだったのです。

フルタイムで働いていた当時の私には、子供が保育園から帰ってくる7時過ぎから、夕飯、お風呂、翌日のしたくと、やるべきことが山積みでした。その中でこの教材を使うのは、とても難しいことでした。優れた教材ですから、もっと時間があったら活用できたのに、と残念に思っています。

オンライン識字教育プログラム “Reading Eggs”

そんな時、同じように日本で子育てをしているニュージーランド人のお母さんから勧められたのが、オンラインの識字教育プログラムReading Eggsです。対象は2歳から13歳まで

英語圏の小学校で公式に使われることもあるプログラムですが、ゲームのような感覚で英語が読めるようになっていきます。

あまり小さいうちからコンピューターに触らせるのはどうかな、とも思ったのですが、これはとても使いやすいプログラムでした。7時過ぎに保育園にお迎えに行き、帰ってきてご飯のしたくをしている間、数十分、遊び感覚でやってもらうのに最適だったのです。

ちなみにReading Eggsを開発した会社(3P Learning)は、子供向け算数のオンラインプログラムMathseedsも出しています。

簡単な計算をゲーム感覚で楽しみながらマスターすることができるので、こちらも一時期、併せて利用していました。まさに英語「を」学ぶだけでなく、英語「で」学ぶことができる、貴重な教材だったのです。

オンラインプログラムは、イギリスの小学校の宿題でも大活躍

イギリスに引っ越してきてから気づいたのですが、イギリスの小学校の宿題は、こういったオンラインプログラムを使うことが多いのです。

算数の計算のような単純な問題は、オンラインプログラムに任せてしまえば先生は採点をしなくても良いですし、それでいて、それぞれの子供の弱点がわかりますよね。

学校から出される宿題だからといって、クラスの子供たち全員が一斉に同じ問題を解くのではなく、それぞれ違う問題に取り組むこともあります。

オンラインプログラムを活用することで、前回お話ししたオックスフォード・リーディングツリーを使った識字教育と同様に、子供のレベルに合わせた教育をすることができるのです。

家庭にコンピューターがない子供のために、休み時間に学校のコンピューターを使って宿題をやってしまう「ホームワーククラブ」もあります。どこの国でも先生は大忙しですが、機械に任せられるような単純作業を機械に任せられる、良いシステムだと思います。

英語圏にはきちんとした教育目的のオンライン教材がたくさん!

オンライン識字教育プログラムReading Eggsや算数プログラムMathseedsは、会費がかかりますが、家庭で手が出せない金額ではありませんし、非常に良いプログラムだと思います。

※識字・算数プログラム合わせて、年間購読で一ヶ月あたり7.92ドル(約880円)、識字プログラムのみだと一ヶ月あたり6.70ドル(約750円)。

子供が自分である程度読めるようになると、多読教材がオンラインで読めるのも魅力的です。図書館で英語の本を借りることも日本国内ではそう簡単ではありませんから、絵本を一冊買う程度の金額で、ある程度の読書量を確保することができるのはいいですよね。

実は英語圏にはかなりの数、しっかりとした教育用のオンラインサービスがあります。そして多くが、比較的利用しやすい価格帯で提供されているようです。

例えば、全世界の子供たちと、算数の競争ができるサイトMathleticsは、先ほどご紹介した3P Learning 社の開発したもので、会費は年間約60ポンド、日本円で8,700円前後でしょうか。

こうした教材が開発される背景には、小学校での宿題に使われるだけでなく、一定人数ホームスクール(ホームスクーリング)をしている子供がいることも挙げられるでしょう。

学校に通うのではなく家庭で教育を受けるホームスクーリングは、アメリカやオーストラリアのように国土が広い国では、場合によっては必然的なチョイスです。病気であったり、家庭の方針でホームスクーリングを選ぶケースもあります。

これは海外に限ったことではありません。インターナショナルスクールに通わせると年間300万円を超える学費がかかることもあり、東京に住んでいる外国人の親御さんの中には、経済的な事情からホームスクーリングを選ばざるをえない方もいます。

日本に住んでいた頃は、日本の保育園に通う上の子のために、「ホームスクーリング」と「小学校」をキーワードに、オンラインサイトをかなり探しました。

まだまだある! 低年齢向けオンライン教材

識字だけでなく、様々な科目を教えてくれるサイトもあります。現在下の子供が小学校で使っているサイトはPurple mashといい、英語だけでなく科学や算数、ITやアートなど、イギリスのカリキュラムに沿った様々なトピックを扱っています。残念ながら、学校向けの事業展開ですが、似たようなサイトで家庭教育に使われているものもあります。

たとえば上の子の小学校が使っていたのはEducation Cityと呼ばれるサイト。イギリスやスコットランドのカリキュラムをカバーしており、ホームスクーリングをしている家庭向けのサービスは年間89ポンド、日本円で約13,000円で利用することができます。

英語だけでなく算数や科学、IT、フランス語やスペイン語も。そして英語を外国語として学んでいる子供向けの教材もあります。

アメリカのカリキュラムを念頭においたものですが、英語や算数、理科や社会、ITに加え、ヘルスやアート&ミュージックなどの様々な科目を扱っているBrain Popは、家庭ごとに利用することができます。現在はアメリカの小学校の約4分の1が利用しているとされているサービスです。

同様にStarFallアメリカのカリキュラムに沿った識字教育のサイトです。フォニックスを学べるアニメーションや、音声付のウェブ絵本、ダウンロードしてワークシートとして活用できる紙ベースの教材をはじめとして、多岐にわたった学習コンテンツを楽しむことができます。

一部有料コンテンツもありますが、無料で楽しめる教材も豊富に用意されています。幼稚園生向け小学生向けに分かれ、会員登録の手間なく、子供の学習レベルに合った内容にアクセスできます。

子供の負担にならない程度、ゲーム感覚でイギリスやアメリカの小学生たちの使っている教材に触れることは、実は日本にいても、昔よりずっと簡単になっているのです。

(参考)
Wikipedia|BrainPop
Jolly Phonics UK Catalogue