からだを動かす/スイミング/スポーツ/体操/武道 2022.2.24

「運動神経のいい子」特徴6つ。12歳までに運動神経はもっと伸ばせる!

[PR] 編集部
「運動神経のいい子」特徴6つ。12歳までに運動神経はもっと伸ばせる!

運動神経のいい子と悪い子の特徴の違いはどこにあると思いますか? 「親の私が運動オンチだから、子どもの運動神経も悪い」「スポーツが得意な子は、パパ・ママの運動神経が遺伝している」「運動神経のいい子は、赤ちゃんの頃から運動神経がいい」と考えているとしたら、とても残念なことです。

なぜならば、運動神経の良し悪しは遺伝しませんし、生まれつき運動神経が悪い人は存在しないからです。今回は、「運動神経のいい子の特徴」についてじっくり考えてみました。

運動神経のいい子 特徴1:運動環境がいい。遺伝ではない!

運動神経のいい子と悪い子の違い――じつは「遺伝」や「生まれもった才能」が原因ではありません。スポーツ科学の第一人者で、日本女子体育大学学長の深代千之氏は著書『子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル』のなかで、「生まれつき運動神経が悪い人はいない」と断言しています。

では、そもそも運動神経とはどんな神経なのでしょう? 深代氏は運動神経について、「運動の指令が脳から筋肉まで送られるときの “情報の通り道” 」と定義しています。また、脳から命令が出て運動につながるまでの神経システムは「神経系」と呼ばれていて、以下のような仕組みで体を動かしているようです。

私たちの神経系は、脳と脊髄(せきずい)からなる「中枢神経系」と、そこから出る信号を末端まで送る「末梢神経系」に分かれています。運動神経は、この末梢神経系の一部に必ずあるものです。運動神経がなければ、手を思い通りに動かして文字を書くことも、箸でご飯を食べることもできません。

運動神経の有無に個人差はなく、誰にでも同じように備わっているものなのです。そう説明すると、運動に苦手意識のある方は、「脳からの指令を伝達するスピードが遅いはずだ」と思うかもしれません。しかし、脳から筋肉に情報を伝える「伝導速度」にも個人差はありません

(引用元:深代千之(2018),『子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル』, カンゼン.)※太字は編集部が施した

なるほど、運動神経は誰にでも備わっていて、生まれつきの運動神経によいも悪いもないようです。ではなぜ子どもは「運動神経のいい子」と「運動神経の悪い子」に分かれてしまうのでしょう?

それはずばり「運動環境の違い」です。深代氏は著書のなかで、「運動神経のいい子」と「運動神経の悪い子」の違いについて、スポーツや運動に必要な “動きのパターン” を経験しているかどうか、つまり、「脳の神経回路をたくさんつくったかどうか」という「後天的な環境の違いによって決まる」と述べています。

「運動神経のいい子」は、さまざまな動きのパターンを経験し、運動の基礎となる脳の神経回路を育んでいるのです。この動きのパターンを習得する機会が多ければ多いほど、「運動神経のいい子」になると深代氏は言っています。子どもの運動神経をよくしたいのであれば、動きのパターンをたくさん獲得できるような環境が必要なのですね。

次項では、運動神経のいい子の環境について説明します。

運動神経のいい子の特徴1

運動神経のいい子 特徴2:プレゴールデンエイジに運動神経を伸ばしている

運動神経がいい子の運動環境について考えてみましょう。運動神経を鍛えるには、年齢や発達段階に適した運動をすることがなによりも大切です。

「ゴールデンエイジ」という言葉を聞いたことはありますか? ゴールデンエイジとは、一生に一度だけ訪れる「運動神経が伸びる黄金期」です。この時期に運動環境を整えることで、子どもの運動神経がぐんと伸びると言われています。

ゴールデンエイジの年齢については、専門家によって1、2歳の差があるようですが、トップアスリートや子ども向けの運動能力アップトレーニングを行なっているアークアスリート代表・樋口彰美氏は、6~12歳頃をゴールデンエイジと定義しています。

またゴールデンエイジ前後の「プレゴールデンエイジ」「ポストゴールデンエイジ」も、子どもの運動神経の発達においてとても重要です。

プレゴールデンエイジ(3~6歳頃)
神経系(神経回路)の発達が著しい時期。多種多様な動きを経験することで神経系が発達します。プレゴールデンエイジ期にさまざまな動きを経験しなかった子どもは、次のゴールデンエイジで運動神経を高めることができません。

 

ゴールデンエイジ(6~12歳頃)
あらゆる動作を短時間で覚えられる時期。新しい動作を何度か見ただけですぐに身につけること(即座の習得)も可能です。しかもこの時期に覚えた動きは一生忘れません。ただし「プレゴールデンエイジに多種多様な動きを経験している」ということがポイント。プレゴールデンエイジ期に張りめぐらされた神経回路があるからこそ、ゴールデンエイジ期に運動能力が一気に伸びるのです。

 

ポストゴールデンエイジ(12~14歳頃)
脳が発達し、理解力も備わってくるポストゴールデンエイジ期。試合を振り返り反省点を挙げたり、複雑な動作のトレーニングが可能となったりします。また、骨格や筋力、心肺機能の成長も著しい時期なので、走り込みなどスタミナをつけるトレーニングの効果も表れやすくなります。

運動神経のいい子は、神経系の発達が著しいプレゴールデンエイジ期に多種多様な動きを経験し、たくさんの神経回路をつくっていると言えるでしょう。神経系は12歳頃までゆるやかに発達を続けます。もし子どもが6歳を過ぎてしまったとしても、がっかりすることはありません。いまからでも、子どもの運動神経を伸ばすことは可能ですよ!

運動神経のいい子の特徴2

運動神経のいい子 特徴3:幼少期に「36の基本動作」を習得している

では、運動神経のいい子はプレゴールデンエイジ期にどんな動きを身につけているのでしょう。

幼少期の遊びと運動能力に関する研究の第一人者・中村和彦氏(山梨大学理事)は、著書『運動神経がよくなる「からだ遊び」』のなかで、人間の基本的な動きは「36種類に分類できる」とし、以下の「36の基本動作」を幼少期からバランスよく身につけることが望ましいと述べています。

36の基本動作
  • 【平衡系動作】立つ・起きる・回る・組む・渡る・ぶら下がる・逆立ち・乗る・浮く
  • 【移動系動作】歩く・走る・跳ねる・滑る・垂直に跳ぶ・登る・はう・くぐる・泳ぐ
  • 【操作系動作】持つ・支える・運ぶ・押す・押さえる・こぐ・つかむ・当てる・取る・渡す・積む・掘る・振る・投げる・打つ・蹴る・引く・倒す

「36の基本動作」は、頭や首の位置をコントロールしたり体のバランスをとったりする「平衡系動作」、体の重心を移動させる「移動系動作」、手や足、道具を操作する「操作系動作」の3つに分かれます。

たとえば、鬼ごっこには「歩く」「走る」「くぐる」「よける」などの動きが含まれますし、布団の上でこちょこちょと親子でくすぐり合いをする遊びには、「押さえる」「つかむ」「組む」などの動作が含まれます。

中村氏が「運動神経のいい子は、幼少期に生活動作や遊び、運動のなかでさまざまな動きを経験し、多種多様な動作を獲得していると述べているように、プレゴールデンエイジ期の動作習得が子どもの運動神経を伸ばすカギとなるのです。

運動神経のいい子の特徴4

運動神経のいい子 特徴4:さまざまな運動をしている

次は、運動神経のいい子の特徴として、具体的にどんな運動をしているのかを考えていきましょう。文部科学省が公開している『幼児期運動指針ガイドブック』などを参考に、いくつかの運動を取り上げてみます。

■鬼ごっこ

走る、止まる、かわす、追いかける、急な方向転換など、さまざまな動きを習得できるのが「鬼ごっこ」です。文部科学省が掲げる幼児期運動指針でも、「幼児期に必要な多様な動きの獲得や体力・運動能力の基礎を培う運動」として鬼ごっこが取り上げられています。また鬼ごっこはひとりではできません。友だちとルールを決める、協力し合って逃げるなど、運動神経だけでなくコミュニケーション能力も向上しますよ。

■ボール遊び

投げる、つかむ、蹴る、持つ、運ぶ、打つ、捕る、押す、引くなど、ボール遊びによって習得できる基本動作は無限大。『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』著者である高橋宏文氏は、「神経に刺激を与える最高のトレーニング」としてキャッチボールをすすめています。野球ボール、ドッチボールなど、大きさの違うボールを投げてみましょう。また、ゴムボールを手の平で打ったり、かかとや太ももでボールを蹴ったりするような、いつもと違うボール遊びも運動神経がよくなりますよ。

<キャッチボールの効果について詳しく説明しています!↓↓↓>
『自らの体を自在に動かす“7つの能力”と「運動センス」を高める意外な方法』

■縄跳び

「縄跳びは幼児にとってかなり高度な運動」と話すのは、運動が苦手な子のための運動教室・スポーツひろば代表の西薗一也氏。特に、「体は跳び上がっているのに縄を持つ手は下ろしている」という動作が難しいのだそう。ほかにも、縄のコントロール、ジャンプのタイミング、ジャンプのときの足首の使い方など、コツをつかむまでに時間がかかる動きばかり。焦らずに、子どものペースでチャレンジしてみてください。持久力もつきますよ!

<『うんどうの絵本 なわとび』著者・西薗一也先生が練習方法を教えます↓↓↓>
『「跳べた!」という強烈な体験が自己肯定感を押し上げる。“プロ直伝”縄跳び練習方法』

■スキップ

「スキップには足が速くなるポイントがギュッと詰まっている」と言うのは、元プロバスケットボール選手の翁長明弘氏。自身が代表を務めるバスケットボールスクール Sports Intersection Basketball Academyでもスキップ運動を積極的に取り入れているそうです。未就学児や低学年の子どもは、何度も楽しく「スキップ競争」をしているうちに、自然にかけっこが速くなるのだとか。翁長氏はスキップで鍛えられる力を以下のように説明しています。

【高いスキップで鍛えられる力】高いスキップをするには、足で地面をしっかりと踏み込み、大きく振った腕で体を引き上げる必要があります。この腕振りは、速く走るためにかかせない「推進力」を生み出す動きです。そして、高く跳ぶために地面を強く蹴る力は、走るときの蹴り出し力と同じ。ジャンプ力アップにも効果◎。

【速いスキップで鍛えられる力】速いスキップでは「瞬発力」が鍛えられます。速いスキップをするには、体を前へ、速く運ぶ動きが必要です。この動作が速くなればなるほど、かけっこも速く走れるようになりますよ。

鬼ごっこ、ボール遊び、縄跳び、スキップ。この4つは子どもの発達や運動に関する専門家がこぞって推奨している運動遊びです。普段の運動に、意識して取り入れてみましょう。

運動神経のいい子の特徴5

運動神経のいい子 特徴5:複数のスポーツを経験している

「運動神経のいい子は “特定の” スポーツを習っている」と考える人は多いでしょう。しかしじつは、トップアスリートになるような運動神経の持ち主は、子どもの頃に “複数の” スポーツを経験していたというデータがあるのです。

早稲田大学スポーツ科学学術院教授の広瀬統一氏は、「国際レベルの選手のほうが、国内・地域レベルの選手に比べ、幼少時代のスポーツ経験が豊富」と述べています。またNBAとアメリカ代表チームを統括している「USAバスケットボール」の2団体も、広瀬氏と同様の考えを発表しています。

どうやら、複数のスポーツ経験が子どもの「多様な運動」につながっているようです。お子さまの運動神経を伸ばすためのスポーツ教室をいくつか紹介します。

■スイミング:ティップネス・キッズ(3歳~)

頑張る力や向上心など、体の成長だけでなく心も成長できるスイミングスクール。その秘密は、たくさんの「できた!」を体感できる独自のプログラムにあります。大谷翔平氏(プロ野球選手)、錦織圭氏(プロテニス選手)、荒川静香氏(プロフィギュアスケーター)など、数多くのアスリートが幼少期に習っていたスイミング。体験レッスンから始めてみませんか。

■野球:ベースボールスクールポルテ(3歳~)

元横浜DeNAベイスターズ監督・中畑清氏が推薦する、地域密着型のベースボールスクール。「安全」「教育」「指導」の厳しい研修を受け、責任を持ったプロ正社員が子どもたちを伸ばします。叱っても子どもは伸びません。ほめることでやる気と責任感が出てくるのです。参加した全員が活躍できる野球スクール

■サッカー:リベルタサッカースクール(3歳~)

全国約1,500か所、約20,000人の子どもが通っているサッカースクールで、アドバイザーを務めるのは元サッカー日本代表の城彰二氏。サッカー未経験の子、スポーツに自信がない子、内気な子でも、通っているうちにチャレンジ精神や自主性が身につきます。もちろん、体幹や瞬発力などの運動神経も鍛えられますよ。

■空手:東京空手倶楽部(3歳~)

すべてのコースに脳科学理論を取り入れ、画期的な練習メニューを提供している空手教室。「ジャンケン」と、空手技である「突き」「蹴り」「受け」の動作を組み合わせるなどの、脳を刺激する練習メニューが多数。空手は両手両足をすべて使うスポーツです。東京空手倶楽部で運動神経をアップさせてみませんか。

<代表・瀧川英治氏インタビューはこちら↓↓↓>
【脳に“刺激”を与えて集中力をキープする『東京空手倶楽部』のトレーニング! 瀧川英治先生インタビュー】

■バスケットボール:Sports Intersection Basketball Academy(3歳~)

プレゴールデンエイジ期に「多様な動き」「体を動かす楽しさ」を経験してもらうため、【アクティブkids(幼稚園)クラス】【小学校低学年クラス】では、バスケットボールの練習以外にも「運動神経をよくするためのプログラム」を積極的に取り入れている、Sports Intersection Basketball Academy。前述した「スキップ競争」のほか、「手つなぎ鬼」や「ドリブル鬼ごっこ」など、遊び要素満載のプログラムは子どもたちに大人気。ゴールデンエイジまでに、急なストップや方向転換などの動作を習得できれば、バスケットボールだけでなくあらゆるスポーツで活躍できるでしょう。
【Sports Intersection Basketball Team】Jr.Winter Cup 2023 全国大会出場!

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ちなみに、教育メディア「おうち教材の森」が2022年3月に行なったアンケート調査「子どもがよく観戦するスポーツは?」によると、1位「サッカー」、2位「野球」、3位「水泳」でした。まずは、スポーツに興味をもたせるために、スポーツ観戦に出かけてみてはいかがでしょう。

「運動神経はどんな子でもよくなります!」と前出の中村氏は著書『運動神経がよくなる「からだ遊び」』のなかで断言しています。平日はパパと公園でサッカー、週末はスイミングと空手、そしてたまにオンライン運動レッスンなんていうのもいいかもしれません。きっとお子さまは、「運動神経のいい子」になるはずですよ。

運動神経のいい子の特徴6

運動神経のいい子 特徴6:自己肯定感が高い

最後にお伝えする「運動神経のいい子の特徴」は、「自己肯定感が高い」ということです。文部科学省が公開している『幼児期運動指針ガイドブック』によると、「積極的に体を動かす幼児は、『やる気』『我慢強さ』『友だち関係が良好』『社交的』など前向きな性格傾向」にあるのだそう。

また、幼少期は特に「生活のなかで運動が占める割合」が高いため、運動場面での評価は子どもにとって大きな価値があります。ですから、「運動場面における成功体験」が増えれば増えるほど、子どもは「自分はできる」という感覚や自信が増えていくのです。

「『できた!』という経験は自信につながり、子どもの自己肯定感を高めます。すると、子どもはもっともっと新しい挑戦をしたくなる」と翁長氏も言うように、運動神経のいい子は、成功体験と挑戦を繰り返しながら成長しているのですね。

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今回は「運動神経のいい子の特徴」を6つご紹介しました。筆者自身、「運動神経のいい子は遺伝子がいいに違いない」と信じていたので、このコラムを執筆しながら、「プレゴールデンエイジ期にもっと公園に連れて行けばよかった、家のなかで〇〇をすればよかった……」と後悔の嵐です。親が運動オンチでも、環境次第で子どもの運動神経はどんどんよくなるのですね! ゴールデンエイジ期もすでに終盤に差し掛かっている娘ですが、まだ遅くないかもしれません。【運動神経のいい子 特徴4】にある、「縄跳び」から始めたいと思います。

(参考)
深代千之(2018),『子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル』, カンゼン.
中村和彦(2013),『運動神経がよくなる「からだ遊び」』, PHP研究所.
Daiwa House|スポーツキッズ×アクティブ土間のある家 子どもの運動能力を高める“ゴールデンエイジ”とは?
文部科学省|幼児期運動指針ガイドブック (9分2)
文部科学省|幼児期運動指針ガイドブック (9分3)
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|自らの体を自在に動かす“7つの能力”と「運動センス」を高める意外な方法
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「跳べた!」という強烈な体験が自己肯定感を押し上げる。“プロ直伝”縄跳び練習方法
公益財団法人日本スポーツ協会|幼児期からのアクティブチャイルドプログラム
CHILD RESEARCH NET|運動の苦手な子をめぐって
J-CASTニュース|子どもの「スポーツ英才教育」は危ない 早くから専門競技を決めるとケガばかり
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