2021.5.13

子どもの運動能力が上がる! ゴールデンエイジとプレゴールデンエイジの過ごし方

編集部
子どもの運動能力が上がる! ゴールデンエイジとプレゴールデンエイジの過ごし方

「ゴールデンエイジ」という言葉をご存じでしょうか。ゴールデンエイジとは、一生に一度だけ訪れる「運動神経が伸びる黄金期」。このゴールデンエイジ期をどう過ごすかで、その後の運動能力に違いが出てくるそうです。

そして、ゴールデンエイジ期に運動神経を伸ばすためには、その前の「プレゴールデンエイジ」の時期に多種多様な動きを経験しておくことが重要となってきます。お子さまの運動神経をよくしたいと考えているのであれば、プレゴールデンエイジとゴールデンエイジの最適な過ごし方について知っておいたほうがいいかもしれません。

プレゴールデンエイジ・ゴールデンエイジの年齢は?

プレゴールデンエイジ、ゴールデンエイジの年齢については、専門家によって1~2歳の幅があり、順天堂大学スポーツ健康科学部長の吉村雅文氏は、以下のように定義しています。

プレゴールデンエイジ・・・5~9歳
ゴールデンエイジ・・・9~12歳

「うちの子はもう9歳を過ぎてしまったからプレゴールデンエイジが終わってしまった……」と考えてしまうのはもったいないことです。5~12歳頃の子どもの発達は、子どもによってかなりの差があります。ですから、上述した年齢はあくまでも「~歳頃」という目安です。

とはいえ、5~12歳頃に子どもたちの運動能力が急激に伸びることには違いありません。早稲田大学スポーツ科学学術院教授の広瀬統一氏も、「子どもが低年齢のうちに多様なスポーツや遊びの経験をすることは、その後の運動能力向上や競技パフォーマンス向上にも有用である」と言っているように、プレゴールデンエイジ・ゴールデンエイジの過ごし方次第で、将来の子どもの運動能力に違いが出てくるのです。

プレゴールデンエイジ・ゴールデンエイジについて、次項より詳しく見ていきましょう。

ゴールデンエイジの過ごし方1

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【プレゴールデンエイジ期】5~9歳

プレゴールデンエイジとは、ゴールデンエイジ前の5~9歳頃のことで、神経系(神経回路)の発達が著しい時期です。この神経系の発達について、『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』の著者・髙橋宏文氏(東京学芸大学教育学部准教授)は以下のように説明しています。

脳と体、あるいは体の部位と部位の「神経回路」がしっかり連係しているほど、電気信号は速く、正しく伝わります。これによって体がスムーズに、そして自分の思い通りに動かせるようになるのです。

(引用元:高橋宏文(2018),『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』, メディア・パル.)

神経系は、5歳頃までに成人の80%、12歳頃までにほぼ100%まで発達するとされています。ですから、プレゴールデンエイジの子どもにはさまざまな動きを経験させ、神経系により多くの刺激を与えることが重要なのです。

ゴールデンエイジの過ごし方2

【プレゴールデンエイジ期】おすすめの運動遊び

プレゴールデンエイジの子どもは、多種多様な動きを経験することで神経系が発達していきます。投げる・打つ・走る・跳ぶ・蹴るなどの基本的動作ができるような運動遊びが◎です。

また、プレゴールデンエイジ期の子どもは、とても高い集中力をもっていますが、その集中力は長続きしません。子どもが飽きてしまったときは、次の運動遊びに移りましょう。それでは、プレゴールデンエイジ期におすすめの運動遊びをいくつか紹介します。

■キャッチボール

キャッチボールは「神経に刺激を与える最高のトレーニング」と話すのは、前出の髙橋氏。野球ボールだけではなく、ドッジボールのように大きなボール、または小さくて軽いビニールボールなど、さまざまな大きさ、重さのボールを使ってみましょう。キャッチボールは、「相手やボールとの距離感」「ボールを離すタイミング」「投げるときの安定したフォーム」などの感覚をつかめますよ。

■私は鏡

「合図にすばやく、正確に対応する力」を高める運動として、髙橋氏の著書に掲載されている「私は鏡」。やり方は簡単。向かい合った相手と同じ動きをするだけです。小さな動きよりも、まねがしやすい大きな動きのほうがよいでしょう。20~30秒続けてください。ポイントは、相手が動いてからワンテンポ遅れて動くのではなく、相手が動いた瞬間にパッと動くこと。相手の動きにすばやく反応できれば、どんなスポーツでも活躍できるはずです。

■お手玉を落とすな!

体育座りをして、頭の上にお手玉を乗せます。お手玉を落とさないように、ゆっくりと立ちましょう。コツは、自分の体に意識を集中させること。動きに慣れてきたら、お手玉の数を増やしてみましょう。頭と肩にお手玉を乗せて、ゆっくり立ち上がってみてください。また、おでこにお手玉を乗せて、仰向けの状態から起き上がるのもおすすめ。この遊びはかなりバランス感覚が磨かれますよ

■新聞じゃんけん

「運動嫌いな子どもでも積極的にカラダを動かせるプログラム」を提案している、公益財団法人 日本スポーツ協会アクティブ・チャイルド・プログラム。このプログラムのひとつ、「新聞じゃんけん」では、楽しく遊ぶなかでバランス感覚などの多様な動きを身につけることが可能です。まず、2人組になり、それぞれが新聞紙の上に乗りましょう。じゃんけんをして負けた人は新聞紙を半分に折り、その上に乗ります。これを繰り返し、新聞紙に乗れなくなった人の負けです。じゃんけんに勝ったら、新聞紙を1回分もとに戻せるルールにしてみたり、人数を増やしてみたりしても盛り上がります。
ゴールデンエイジの過ごし方4
イラスト提供:公益財団法人 日本スポーツ協会

■運動系の習い事

プレゴールデンエイジ期に運動系の習い事をスタートさせるお子さまも多いでしょう。しかし、公益財団法人 埼玉スポーツ協会のホームページには、「神経系が発達している時期に、基礎反復練習やフォーメーション練習だけをしているのはもったいない」とあります。

ゴールデンエイジ期に突入したお子さまが、サッカーやバスケットなど特定のスポーツを始めたとき、技術を存分に吸収できるよう、プレゴールデンエイジ期には「全身を使う動き」ができる習い事がおすすめです。

もしお子さまがすでに運動に苦手意識をもっているのであれば、『スポーツひろば』のような運動が苦手な子ども向けの運動教室を探してみるのも手です。最近は、オンラインレッスンを提供する教室も増えていますので、一度利用してみてはいかがでしょう。

ゴールデンエイジの過ごし方5

【ゴールデンエイジ期】9~12歳

ゴールデンエイジとは9~12歳頃のことで、一生に一度だけ訪れる、あらゆる動作を短時間で覚えられる時期。なんとゴールデンエイジでは、新しい動作を何度か見ただけですぐに身につけること(即座の習得)も可能。しかもこの時期に覚えた動きは一生忘れません。

ただし「即座の習得」は、「プレゴールデンエイジに多種多様な動きを経験している」ということが前提条件。プレゴールデンエイジに張りめぐらされた神経回路があるからこそ、ゴールデンエイジで運動能力が一気に伸びるのです。

次に、ゴールデンエイジ期に運動神経をググっと伸ばす、おすすめの運動遊びを紹介します。

ゴールデンエイジの過ごし方3

【ゴールデンエイジ期】おすすめの運動遊び

ゴールデンエイジ期になると、子どもは自分自身の体を自由自在に動かせるようになります。新しい動作がすぐに習得できる時期なので、いろいろな運動、複数のスポーツにどんどん挑戦させてあげてください。

■なわとび

体育の定番であるなわとびは、体をバランスよく発達させる全身運動です。そして、リズム感覚とバランス感覚を同時に鍛える運動でもあります。体育指導のプロフェッショナルである西薗一也氏も「片脚跳びや二重跳び、腕を交差させるあや跳びなどとなると、かなり細かい体の動作が要求されますから、小さい子どもが体の使い方を学ぶにも最適な運動である」と話しているように、いろいろな跳び方をすることで、体をイメージ通りに動かせるようになりますよ。

■おにごっこ

公益財団法人 日本サッカー協会、公益財団法人 日本スポーツ協会がすすめている、運動能力を向上させる遊びは、おにごっこ。その理由は以下です。

  • 遊びのなかにいろいろな「動き」の要素がある。
  • 自分からの「動き」と、何かに反応しての「動き」がある。
  • おに、相手と味方、スペースなどに対して、「見る」ことへの意識づけができる。
  • さまざまな駆け引きがある。
  • 判断する能力を養うことができる。

 
おにごっこは、全力で走るだけでなく、急に止まったり、切り返したりという動きが必要とされます。タオルをしっぽに見立て、おににタオルをとられないように逃げる「しっぽとりおに」もおすすめです。

■ブレイブボード

『スポーツ動作の科学』著者・川本竜史氏(大東文化大学教授)が、ゴールデンエイジ期の子どものバランス感覚向上に効果があると推しているのが「ブレイブボード」。ブレイブボードとは地面を蹴らなくても前に進む次世代ボードです。

スケートボードとの大きな違いは、従来のスケートボードが1枚のボードに4つの車輪が付くのに対し、前後2枚のボードそれぞれに車輪が1つ付き、パイプでつながっていること。この革新的な構造によって、横乗り姿勢で足を前後させるとボードがしなり、ダイナミックに加速してサーフィンやスノーボードのような動きを平地で楽しむことができるのです。

(引用元:ブレイブボード公式サイト|ブレイブボードとは

また、川本氏によると、ブレイブボードは軽いジョギングと同じ有酸素運動ができるため、30分ほど遊ぶだけで汗が出てくるのだそう。体幹も鍛えられるので、ゴールデンエイジ期の子どもにぴったりですね。

■運動系の習い事

運動系の習い事はひとつに絞らないほうがいい――という事実をご存じでしょうか。元メジャーリーグ日本担当スカウトであり、現在はジュニア育成活動に力を入れている小島圭市氏は、活躍するトップアスリートのほとんどが幼少期に2~3種類のスポーツを経験していると話しています。

  • 八村塁氏(プロバスケットボール選手):野球、空手 ※バスケットボールは中学から
  • 大谷翔平氏(プロ野球選手):野球、水泳、バドミントン
  • 錦織圭氏(プロテニス選手):テニス、水泳、サッカー、野球

 
ちなみに、ゴルフ以外にスポーツ経験がないというプロゴルファーの松山英樹氏は、キッズゴルファーに向けて「子どものうちにいろいろなスポーツをやったほうがいい」とメッセージを発しています。その理由は、「野球で速い球を投げられる子は、ゴルフでもヘッドスピードを上げる動きができる。投げる動きは手先の感覚も出るだろうし、スイングの動作につながる。サッカーだったら足腰も鍛えられる」から。

たくさんのスポーツを経験することによって、さまざまな身体機能が鍛えられるのです。まずはお子さまが興味を示したスポーツをいくつか習わせてみてもいいかもしれません。

【サッカー】スポーツが育む非認知能力「リベルタサッカースクール」

【野球】子供たちの「心に体力を。」ポルテベースボールスクール

【バスケットボール】「認めて、褒めて、励まし、勇気づける」ハーツバスケットボールスクール

【スイミング】ティップネス・キッズスイミング

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今回この記事で紹介した運動遊びをすべて、小学4年生になる娘と一緒にやってみました。感想はというと――公園での本気おにごっこは、10分もたたずに親のほうがギブアップ。また、30分程度でブレイブボードの上に立つことができた娘に対し、親のほうは購入して1ヶ月が過ぎてもまったく乗りこなすことができません。逆に、親世代のほうが上手にできたのは、キャッチボールとお手玉遊びでした。

子どもの運動神経がよくなったかどうかはまだわかりませんが、この1ヶ月間、親子で公園に行く回数が増えたのは事実です。親子コミュニケーションもうまくとれるようになった気もしています。お子さまの運動神経をアップさせるべく、ぜひ親子で運動遊びをしてみてくださいね。

(参考)
高橋宏文(2018),『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』, メディア・パル.
中村和彦(2013),『運動神経がよくなる「からだ遊び」』, PHP研究所.
遠山健太(2014),『ママだからできる運動神経がどんどんよくなる子育ての本』, 学研プラス.
きのこらぼ|ゴールデンエイジが発育発達のカギ(前編)
読売新聞オンライン|早期スポーツエリート教育は「悪」か
公益財団法人 日本サッカー協会|JFAキッズ(U-8/U-10)ハンドブック
東京都バスケットボール協会 U12 カテゴリー部会|フレッシュ・ミクロミニバスケットボール指導マニュアル
JSPO 日本スポーツ協会|保護者・子どもたちへ
ベネッセ 教育情報サイト|どんな運動が子どもの成長を促す? 小学校高学年のときにやらせておきたい運動
公益財団法人 埼玉スポーツ協会|はじめに
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ブレイブボード公式サイト|ブレイブボードとは
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