からだを動かす/スイミング 2018.10.10

東大生の約6割が習っていた「スイミング」。いつから習いはじめるべき?

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東大生の約6割が習っていた「スイミング」。いつから習いはじめるべき?

「生涯スポーツ」としても、老若男女に人気が高い水泳。子どもの習い事ランキングでも常に上位です。スイミングスクールに通う理由はさまざまだと思いますが、子どもの頃に泳法を習得することで、たくさんのメリットが得られるということをご存知でしょうか。

全身運動によって基礎体力がついたり、心肺機能が強化されて風邪を引きにくくなったり、喘息の改善が期待されたりする以外に、実は学習面にもいい影響があるのだとか。東大生の65%が小学生時代に水泳を習っていたというデータも話題になっています。

ここでは、発育に合わせた水泳の取り組み方も合わせてご紹介していきます。

泳ぎ方の学習に適しているのはいつ頃から?

最も幼い頃から経験できるのが、親子で一緒に楽しむベビースイミング。水中という陸上にはない特別な刺激から、五感の発達を促しつつ身体活動を行うことができるという利点があります。

また、幼児期から児童期までは神経系の発達が著しく、さまざまな神経回路が形成されていく大切な時期。早いうちからスイミングに親しんでおくと、正しく筋肉を使いバランスよく身体を発達させることにつながっていくのです

幼児期には、陸上では経験できない水中感覚を、水中での遊びを中心としたさまざまな体験で養うことが大切である。また、神経機能は小学校入学以前にはかなりの発達をしており、動きの学習の準備がなされている。そこでの時期は泳ぎ方を学習するのに適している。また、思春期には、筋や呼吸循環機能の発達が著しいことから、本格的なトレーニングを開始するのに適した時期といえる。

(引用元:財団法人 日本水泳連盟 編(2011),『水泳指導教本[改訂版]』,大修館書店.)

ベビースイミングで水に親しみ、幼児期からよい泳ぎのフォームを習い、思春期にはレベルアップを目指しトレーニングする、というのが理想的ですが、必ずしも赤ちゃんの頃からスクールに通う必要はありません。

LAC(リトルアスリートクラブ)代表トレーナー・運動プログラム開発者である遠山健太さんは、乳幼児期を過ぎると少し時間がかかるかもしれないが、いくつになっても動きは習得できると言います。また、水泳は体力に自信のない子でも始めやすいのだとか。

子どもの運動で大切なのは、左右の偏りなく、体をまんべんなく使えること。そういう意味で、水泳はおすすめです。水泳は左右対称の動きをくり返すので、バランスよく全身の筋肉を使うことができ、心肺機能も高まります。また、浮力により、関節や骨に負担がかからないのも魅力。体力に自信のない子でも始めやすい運動だと思います。

(引用元:遠山健太(2006),『ママだからできる 運動神経がどんどんよくなる 子育ての本』,株式会社 学研パブリッシング.)

チームについていかなくてはいけない団体競技とは違い、水泳はほとんどのスクールでも習熟度別でクラス分けがされているので、自分のペースで取り組むことができるのもポイント。最も人気のある習い事であるということから、スクール数も豊富なスイミング。まずは体験レッスンに参加してみて、子どもに合ったスクールを探してみてはいかがでしょうか。

「スイミング」、いつから習いはじめるべき?2

コーチの指導を受け弱点を発見し、それを克服するために努力を重ねる

最後に水泳と勉強の共通点についてご紹介します。

公益財団法人東京大学新聞社が2014年に現役東大生・東大院生360人に対して行ったアンケートで、小学生時代に水泳を習っていたと回答した人は全体の約65%。そしてその半数近い約47%の人が、東大合格に「とても役に立った」「ある程度役に立った」と回答しています。

入試に直結こそしていませんが、弱点を克服し上達しようと努力する姿勢や忍耐力が身についたと言う学生が多いのです。

(伸びる選手の特徴として言えることがあるとすれば)伸びる子は共通して自分なりによく考える意識を持っているということです。コーチに言われたことをただやるのではなく、理解できるまで聞いて実践できる子が伸びると思います。

(引用元:森謙一郎監修(2018),『小学生の水泳 最強上達BOOK ライバルに差をつける!』,メイツ出版株式会社.)

学ぶうえでフォームが重要視される水泳では、コーチの指導を受け弱点を発見し、それを克服するために努力を重ねる必要があり、理解力と実践力が試されるのは勉強と同様です。

子どもの成長のためにより効果的な水泳を求めるのであれば、ただ漫然と順番に泳がされるようなスクールではなく、コーチが一人ひとり丁寧にフォームを指導してくれるようなスクールを見つけることが必須条件と言えるでしょう。

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幼少時にスイミングを習っていたという大人は、あの頃に習っておいてよかった! と感じている人がほとんどではないでしょうか。

小さいうちからはじめてみること、そして上達を望み経験を重ねることで、将来に少なからずよい影響を与えてくれることは間違いなさそうです。

文/酒井絢子

(参考)
東大新聞オンライン|東大生の65%が習っていた習い事とは?
PRESIDENT Online|水泳で頭が良くなる?東大生の6割が小学生時代にスイミング
ベネッセ 教育情報サイト|スポーツの習い事! 教室や種目の選び方まとめ
日本学術会議|健康・生活科学委員会 健康・スポーツ科学分科会(2008)「子どもを元気にするための運動・スポーツ推進体制の整備」
マイナビウーマン子育て|【医師監修】子どもがスイミングに通う、8個のプラス効果とは?
セントラルスポーツ・キッズ|スイミングの効果
財団法人 日本水泳連盟 編(2011),『水泳指導教本[改訂版]』,大修館書店.
遠山健太(2006),『ママだからできる 運動神経がどんどんよくなる 子育ての本』,株式会社 学研パブリッシング.
森謙一郎監修(2018),『小学生の水泳 最強上達BOOK ライバルに差をつける!』,メイツ出版株式会社.