あたまを使う/教育を考える 2019.5.3

その後の学習理解度を大きく左右する。低学年の勉強がものすごく大切な理由

編集部
その後の学習理解度を大きく左右する。低学年の勉強がものすごく大切な理由

「小学校入学前にひらがなやカタカナを覚えたし、簡単な足し算・引き算なら大丈夫!」というご家庭が多くなっています。出遅れないようにと準備して臨みますが、小学校低学年で習う内容は簡単なので、入学後は親子で拍子抜けしてしまうかもしれません。

ところが、簡単な低学年での学習内容こそが、中学年以上での理解度を大きく左右する大事な基礎となります。簡単なのに絶対外せないのが低学年の学習内容なのです。

今回は、低学年(1~2年生)で習う国語と算数の学習内容からいくつか例を挙げ、どんなポイントが重要なのか、何に気をつけて学習すれば学年が上がっても苦労しないのかを紹介していきます。

【国語】漢字は成り立ちから考える。音読は具体的に褒める。

まず国語ですが、文部科学省の学習指導要領には1年生の授業全体850時間のうち306時間が、2年生は910時間のうち315時間が定められ、実に3分の1以上の授業時間が費やされるほど重視されています

【重要ポイント】
ひらがな、カタカナ、漢字の読み書きによって、物の名前や動きや様子、自分や相手の気持ちを理解し表現できるようになります。漢字は1年生で80文字2年生では160文字を習いますが、身の回りのことを伝えるのに必要な、数、方向、位置、形状、色、時間、自然、天気、学校生活でよく使う日常生活に密着した文字が中心になります。

<↑1年生で習う漢字>

<↑2年生で習う漢字>

【勉強のコツ】
正しい文字を習得するには、書けることよりも読めるようになることが先で、ひらがな、カタカナ、漢字のどれにも同じことがいえます。その中で、

■形がよく似ている文字を比べてどこか違うのかを見つける
■ひらがなとカタカナは1文字ずつ対応していることが分かる
■漢字にはよく似た仲間(部首)がある

といった、文字の比較から部首の存在に気づけると、漢字の成り立ちや意味をスムーズに理解できるので、その先の漢字学習が楽になります。ただくり返し書くだけでなく、漢字にインパクトを持たせることが重要なのですね。

また、低学年の教科書に取り上げられている文章は、シンプルでリズムが良いのが特徴で、何度も繰り返し音読してフレーズに親しむことで、文章の組み立て方や表現の仕方を学ぶことができます。語彙や表現方法の幅が広がると文章力アップにつながります。子どもの音読は聞き流しせず、「おじいさんのセリフがとてもよかったよ」「大きな声で読めていたね」と具体的に褒めてあげましょう。

【算数】足し算・引き算をとにかくしっかり定着させる

次に、算数の授業時間数は、1年生では授業全体850時間のうち136時間が、2年生では授業全体910時間のうち175時間が文部科学省の学習指導要領に定められています。国語に比べて時間数は少ないですが、この先の算数や数学へつながる基礎を作る内容ですのでしっかり理解しておく必要があります。

【重要ポイント】
算数の勉強といえば、足し算や引き算からスタートというイメージもありますが、実は「数の仕組み」から始まります。ものの個数を数えたり数字で表したり、あるいは「前から○番目」「右から○人」といった順序数を学びます。そのうえで、繰り上がりや繰り下がりも含めた足し算・引き算について学び、2年生になると掛け算へと発展していきます。また、数や計算以外にも量や長さ、広さ、時間といった図形や単位に関わる学習も始まります。

【勉強のコツ】
数の仕組みを最初に学習するとき、お子さんが何番目といくつ分の違いをしっかり理解しているか確認しましょう。これは日常生活の中で「上から3段目の棚の右から2番目にあるお皿を1枚取ってくれる?」「100円で39円のきゅうりは何本買えると思う?」といった問いかけで理解度を確認できます。

単位や時間についても同じように、机以外の場所で「水を150ml用意してくれる?」「この番組は30分だったから、今日はあと30分テレビが見られるね」など、なるべく具体的なものや形を使って問いかけるといいでしょう。子どもはクイズが大好きです。「えー! すごいね、合ってるよ!」など大げさに褒めてあげてください。

足し算や引き算は計算カードで繰り返し何度も覚え、タイムを計って読み上げる宿題を出す学校もあります。数式をみるたびに数の増減を考えるのではなく、見た瞬間に答えが口をついて出るまで慣れておきましょう。というのも、2年生や3年生で登場する掛け算や割り算は、足し算と引き算が繰り上がったり繰り下がったりしながら何重にも関わる「積み上げの学習」ですから、掛け算や割り算をスピーディに計算をするには基本となる足し算や引き算がいかに定着しているかがカギになります。

勉強が簡単なうちに身につけたい「学習習慣」と「問題解決力」

一度子どもが「なんだか国語(算数)って難しい……」と感じてしまうと、なかなかスムーズに学習が進まないようです。簡単に理解できて「勉強って楽しい!」と感じる段階から、少しずつ勉強の習慣づけをしていくことが大切です。

低学年のうちは、家庭での学習時間は5~10分もあれば十分とも言われます。しかし、学校の授業は45分単位と子どもが集中できる時間に比べて長いので、これに慣れるためにも30分くらい続けて机に向かうことができるのが望ましいでしょう。

学校から出された宿題を済ませたあとは、図書館で借りた本や授業で使う副読本を読むのもいいですし、席を立ってうろうろ歩き回らなければ、塗り絵やパズルなどで遊ぶことも立派な勉強だと認めて褒めてあげてください。低学年のうちに「1日30分、必ず机に向かって勉強する」ことを毎日達成して自信につなげるようにします。

また、内容が簡単なうちに「分からないところを分かるようにするクセ」をつておくことも重要です。特に、算数は上述したように1年生の学習から積み上げていくものですから、どこかでつまずいたまま進んでいくと、その先の理解をストップさせてしまいます。ひとつずつ問題をクリアしていく問題解決力を養うためにも、毎日の学習で分からないところを分かるようにしましょう

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大きくなってからでは、なかなか身につかない勉強の習慣。低学年のうちにしっかり身につけるには、お父さんやお母さんがお子さんの横で勉強を見届け、頑張っている姿を認めて褒めてあげると効果的です。しばらく時間はかかるかもしれませんが、親御さんの声かけで子どもは自分に自信がつき、学年が上がってからも机に向かうようになりますよ。

(参考)
文部科学省|平成29年改訂小学校学習指導要領
浜学園教育情報TIPS|小学校低学年から身につけたい学習方法
浜学園教育情報TIPS|高学年の成績に直結!低学年のうちに最低限 身につけたいこと【算数編】
ベネッセ教育情報サイト|元小学校教員が語る!低学年のご家庭でやっておきたい3つのことって?