論理的思考力は、英語でのプレゼンや英作文だけでなく、どんな教科においても重要な力です。将来、お子さんが仕事をするときにも、高い論理力を持ち合わせていれば、様々な分野で活躍できることでしょう。
幼いうちから育てておきたい能力の一つである「論理的思考力」。実は、英語でのプレゼンテーションの仕方を学ぶことで、訓練することができます。
なぜなら、英語でのプレゼンテーションでは、論理展開が非常に重視されているから。前回に引き続き、プレゼンテーションの仕方、中でも論の展開の仕方をご紹介しましょう。
1. 定義し、例を示す「例えば」
プレゼンテーションでは、「鍵となる概念」がよく導入されます。「正義」や「平和」、「人間の尊厳」などがその例です。こういう概念は、定義しなければ、話の内容が曖昧になってしまいます。
そこで、定義付けをする必要があるのです。「ここでは『この言葉はこのような意味で用いる』」というのが、定義です。
I’ll define “…” this way.
しかし、定義だけでは、なかなか実感を持ちづらいものですね。そこで、実際の例を示すといいでしょう。
For example, ….
「平和とは、例えば……な状態」と具体的にイメージできるように話すことで、自分が本当に届けたいメッセージを聴衆に的確に伝えられるでしょう。
2. グラフや表を見せる「調査結果によると」
説得力を持たせるために重要なのは、証拠を示すこと。ここで活躍するのが、データです。グラフや図、表などを見せるときは、こんなフレーズが使えます。
Let’s have a look at….
データから何がいえるかを示す表現はこちら。
- 我々の調査結果では……。
- この数字は……を示している。
Our findings show….
The figure indicates….
信頼できるデータをもとに話を展開することで、「なるほど!」と納得してもらいやすくなるでしょう。
3. 因果関係を示し、予測する「その結果として」
データをもとに、自分なりの考察を加えることで、あなただけのプレゼンテーションができるようになります。考察をするときに大切なのが、因果関係を説明すること。
【結果→原因】の順で話すときは、次のような表現が便利です。
- A was caused by B
- A resulted from B
【原因→結果】の順で話すときはこうなります。
- B leads to A
- B causes A
まず原因について話した後に、こんな一言を加えてもいいですね。
As a result, ….
このような考察をふまえ、将来の予測をたてることもあるでしょう。
We expect(predict / forecast)….
因果関係を明確にしたり、将来の予測をたてることは、プレゼンテーションだけでなく、記述式のテストをはじめとして、様々な分野で大切になります。ぜひ幼少期から鍛えておきたいポイントです。
4. 言い直す「つまり」
何か大切なことを話した後、聴衆に伝わりにくいかな、と感じたときは、言い直しをするといいでしょう。
- 言い換えると……。
- つまり、……。
In other words,….
That is,….
別の言葉に言い換えることで、よりわかりやすく表現することができるはずです。
5. 話しながら要点を示す「私が言いたいのは」
日常会話だと、いろいろな話をした後に「つまり、私が言いたいのは……」といった表現をすることがありますね。話が混乱してきたときは、論点を明確にすることが必要になります。これは、プレゼンテーションでも同じです。
- 私が言っているのは……。
- 要点は……。
What I’m saying is….
The point is….
このような表現を使いこなせるようになると、話にメリハリをつけることができて効果的です。
6. 話題を変える「……に移りましょう」
プレゼンテーションでは、1つのテーマについて、複数の観点から話すものですね。でも、いきなり話題を変えると、唐突に聞こえてしまいます。そこで、このような慣用表現を知っていると便利です。
- ……に移りましょう。
- ……に戻りましょう。
Let’s move on to….
Let’s go back to….
次の話題に移ることもあれば、前の話題に戻ることもありますね。そんなとき、一言加えてからトピックを変えると、自然な形で話を進めることができるでしょう。
7. 要約し、結論を述べる「まとめると」
プレゼンテーションの最後に、今までの話を要約し、結論を述べ、そして締めくくる必要があります。要約するときは、今までの話の中におけるポイントのみを、改めて伝えるといいでしょう。
- To sum up
- To wrap up
結論を述べるときは、文字通り「最後の一言」を伝えます。
To conclude
締めくくりでは、感謝の意を表すと同時に、通常は質疑応答に入るシグナルを送ります。
- ありがとうございました。
- 質問はありますか?
Thank you.
Do you have any questions?
定義付けに例示、データに基づいた因果関係の解明、将来の予測、そして要点の整理……。どれも、論理的に話を展開するために、とても大切なことばかりです。
これらを意識して英語のプレゼンテーションを準備する経験を重ねることで、論理的思考力を訓練できるはずです。ぜひ、お子さんと挑戦してみてくださいね。